投資用ワンルームマンションのアーバネットコーポレーション<3242>(JQ)は、「ものづくり」にこだわった特異なワンルーム開発業者で、マンション居住者の要望を取り入れるために徹底的なアンケートを実施し、アンケート内容を反映したマンション作りを行っているため、業界内で最も競争力の高い物件を提供している。しかし、リーマンショック以降、不動産業界の環境は激変し、前期まで最高益更新を継続していた東証1部の企業が民事再生法を申請する一方で、東証2部に上場した老舗中の老舗といわれた企業が上場後わずか9ヶ月で上場廃止になるなど全く想像できない現象が起こっている。海外ファンドの撤退、不動産価格の下落、価格競争の激化、融資の厳格化、融資凍結、貸し剥がしと非常に厳しい環境となっている。
同社も、前期までの主たる販売先である海外ファンドが国内を撤退したため、販売先を個人投資家、ワンルーム販売会社に集中している。しかし、個人投資家に対する銀行融資が更に厳しくなったことで、販売予定価格を下回る価格でワンルーム販売会社に売却する事態になっている。
そのような厳しい環境であるが、同社では今期既に竣工済みの物件は全て販売が完了。現在着工している物件も1棟を除いて全て販売先は決定している。
4月までに販売した物件は、西調布(62戸)、初台(土地販売)、石川台(67戸)、笹塚(48戸)、荻窪(45戸)、用賀U(37戸)、中村橋V(63戸)、蒲田(32戸)、清澄白河(24戸)、西馬込(82戸)、豊洲(34戸)、両国(48戸)などがある。また、5月完成予定の新御徒町(53戸)も既に数社からオファーが来ているため、今期中に契約する方針。
販売価格は予定していた価格ではないが、高コストの時期の物件のため、赤字販売を覚悟して販売できるものは全て販売することから、09年6月期の売上高は96億4000万円(前期比3.1%増)と増収を見込むが、利益面では全ての在庫評価損を売上原価に計上したことに加え、適正価格の販売ができなかったことで、営業利益△14億5000万円、経常利益△16億3000万円、純利益△18億2000万円と大幅減益で赤字転落を見込んでいる。
「今期の評価損は出し尽くしたといえます。もし、今後評価損があったとしても、最大2000万円程度の赤字増で収まると見ています。また、手持ち物件を売却しても資金を確保したため、1年先までの資金繰りは1年先まで見通しが立っています。そこで、現在は来期の黒字化に向けて動いているところです」(IR担当者)と今期の業績はともかく、既に来期に向けて動き出しています。
一方、経費削減策として、同社では昨年10月より代表取締役20%、その他全取締役10%の役員報酬カットを実施しているが、本年9月まで代表取締役40%、その他取締役12〜20%の役員報酬カットとし、追加で部長10%、課長5%の賃金カットを5月より今期末まで実施するほか、全従業員賞与の50%削減についても今期中は継続していくことを表明している。
なお、期末配当については、従来予想どおり1株当たり2000円の配当を実施するほか、既に発表されているように6月30日最終の株主名簿及び実質株主名簿に記載された株主を対象に、1株につき2株の株式分割を行い、流動性を高めることで企業価値の向上を図っている。
来期の売上の中核となる販売予定物件は、清澄白河(48戸)、千鳥町(38戸)、西馬込V(37戸)、武蔵小杉(136戸)の4物件で、未着工の土地が本郷三丁目(地位譲渡予定)、三軒茶屋(未着工)、駒場(未着工)、森下U(未着工)、目黒(未着工)の5物件である。
またしかし、既にワンルームマンションの在庫は今年度で在庫切れとなり終了し、来期は品不足気味と見ていることから、更に売上を伸ばすために、短期的な利益事業としてファミリーマンション、ワンルームマンション買取再販事業(1棟も含む)等を実施する計画。
>>アーバネットコーポレーションのIR企業情報


