2011年06月08日
決算情報 Media-IR 日本インタビュ新聞社

ニッポ電機の前期連結業績は大幅増収増益で黒字転換


■ストップしていた百貨店の改装、新設が行われたことから市場環境は好転

ニッポ電機のホームページ 店舗照明のニッポ電機<6657>(JQS)は、5月31日に兜町平和ビルで前11年3月期決算説明会を開催した。
 個人消費の低迷で、同社の主要顧客である百貨店の新設、リニューアル工事が延び延びとなっていたが、前期より案件の着工が進んだことで、同社の業績は急回復となった。
 前11年3月期連結業績は、売上高9,523百万円(前年度比23.6%増)、営業利益467百万円(前年9百万円)、経常利益428百万円(同31百万円)、純利益257百万円(同△84百万円)と大幅増収増益で黒字転換となった。
 代表取締役社長金子弘氏は、前期業績の概要、今期業績予想、経営課題と対応について説明を行った。
 前期はそれまでストップしていた百貨店の改装、新設が行われたことから市場環境は好転した。改装が行われたのは銀座三越、難波高島屋等、新設となったのは大阪梅田のJR三越伊勢丹、博多阪急等である。更に、オフィスビル等でも丸の内、大手町地区の全面改装が始まっている。また、省エネとして、消費電力が少ないLED照明が人気化し、急速に普及が始まったことも追風であった。

■LED516百万円(同10.3倍)とLEDの売上高が急拡大

 半期毎の売上高推移を見ると、10年度上半期の売上高4,629百万円、下半期4,462百万円、11年度上半期4,482百万円、下半期5,040百万円。「これまでずっと下げ続けていた売上高が、やっと下げ止まり上昇に転じてきました」(金子弘社長)と売上がやっと回復してきたことを紹介した。
 部門別の売上高は、店舗照明5,787百万円(前年度比19.2%増)、建築化照明2,740百万円(同16.2%増)、海外54百万円(同16.4%減)、紫外線(UVランプ)424百万円(同13.5%増)、LED516百万円(同10.3倍)とLEDの売上高が急拡大しているのが目立つ。
 業績が急回復したことから、現預金1,221百万円(前年度比268百万円増)、受取手形及び売掛金2,950百万円(同652百万円増)となり、流動資産は5,998百万円(同877百万円増)と膨らんだ。固定資産は、新規設備投資も無く、償却費が増加したことで、3,002百万円(同379百万円減)、資産合計は9,001百万円(同497百万円増)となった。
 流動負債は、売上増による支払手形、買掛金の増加により4,126百万円(同348百万円増)、固定負債は借入金の返済により723百万円(同46百万円減)、純資産は好業績であったことから4,151百万円(同195百万円増)と増えた。自己資本比率は、純資産の伸びより、総資産の伸びが大きかったことから、44.0%と0.6ポイント減少。

■大震災による今期業績に与える影響は不透明

 今12年3月期連結業績予想については、売上高9,800百万円(前期比2.9%増)、営業利益530百万円(同13.3%増)、経常利益450百万円(同5.1%増)、純利益260百万円(同0.8%増)と増収増益を見込んでいる。
 しかし、「大震災の発生前に作成したもので、震災による今期業績への影響は一切織り込んでいません」(金子弘社長)と語った。
 部門別の売上予想は、店舗照明5,596百万円(同3.3%減)、建築化照明2,730百万円(同0.4%減)、海外50百万円(同8.0%減)、紫外線(UVランプ)424百万円(同0.2%減)、LED1,000百万円(同93.7%増)と今期もLEDの大幅増収を見込んでいる。
 「大震災による今期業績に与える影響は不透明で、現在予測することは困難です」(金子弘社長)と語った後で、業績に与える影響のプラス面、マイナス面の両方を取り上げた。
 プラス面といえるのは、省電力化のため、LED照明への移行が急速に進行し、LED照明の売上拡大が期待できることである。また、LED照明器具の粗利率はランプより大きいことから、増益要因となる。更に、LED仕様のダウンライト、スポットライト、ベース照明等のこれまで扱わなかった新市場への進出が可能となったことで、売上の拡大が予想されることである。
 一方、マイナス面は、消費マインドの低下により、流通業界の収益が悪化し、計画されていた新設・改装が延期される可能性が出てきたことである。また、節電対策として、ランプの消灯実施により、ランプの取替需要が出てこないことも予想している。

■当面の経営の課題への対応として7つの施策を挙げる

 そのような状況で、当面の経営の課題への対応として、棚下用・シームレスタイプLED照明器具のラインアップの充実、既設置の蛍光灯用器具に使用可能なLEDランプの販売開始、従来扱っていなかったダウンライト・スポットライトのLED仕様ランプの販売による新市場の開拓、シームレスラインランプを長寿命化することでランプ売上の確保、生産体制の更なる見直し、LEDモジュールの内製化による機動性の確保とコスト削減、LED素子メーカーとのタイアップ強化による店舗照明分野でのLED機器の差別化を実現すると7つの施策を挙げている。
 やっと事業環境が好転してきたところに、この大震災、見通しは不透明であるが、照明専門企業としてこれまで蓄積した力を武器に、課題を解決しようとする姿勢が窺えた決算説明会であった。

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