禁煙関連銘柄特集
禁煙関連銘柄特集

禁煙環境の拡大と健康意識の高まりから禁煙補助製品への関心高まる


価格の上昇が禁煙の動きを後押し
●主な禁煙関連銘柄
ガム・飴関連銘柄 森永製菓<2201>、明治製菓<2202>、江崎グリコ<2206>、ブルボン<2208>、カンロ<2216>、マルマン<7834>
禁煙補助製品銘柄 武田薬品工業<4502>、大正製薬<4535>、マルマン<7834>
 現在1箱20本入り300円程度のたばこ価格を1000円にするという増税論が近年、永田町で焦点の一つになってきている。値上げによる大幅な税収効果が見込まれること、また値上げに伴うたばこの買い控えで禁煙者の増加が見込まれ、結果として健康被害が減り、医療費の削減にも繋がるという考えがその理由となっている。表向きは禁煙推進であるが、その裏側には消費税率引き上げを牽制(けんせい)する狙いも透けて見える。

 実は現在1箱300円のたばこの値段の中にはたばこ税約175円、消費税14円と合計で200円近い税金が含まれている。しかし代表的な銘柄が1箱約1300円の英国、約780円のフランスなど欧米諸国と比較すればたばこ価格・税額とも依然低水準であり、言い方を変えれば、禁煙意識の高まりに乗じて今後値上げされる方向性に向かう可能性は高い。

 値上げ懸念以外でも、タクシーの車内全面禁煙(すでに関東や北信越の都県は全て全面禁煙)の進展や公共の場を始めとした禁煙スペースの増大、健康意識の高まり、またTaspo(タスポ)発行による実質的な購入環境への制限から、禁煙を試みる人は確実に増加していくものと見込まれる。そうした意味で禁煙補助製品を提供、また貢献する企業に注目していきたい。

まずは食品から禁煙促進

 前述の如く、「1箱1000円」にまで値上げが進んだ場合、喫煙者の約8割の人が禁煙に踏み切るとの予測調査もあり、禁煙スペースの拡大と健康意識の高まりと合わせて補助剤需要の急増は確実。今までなかなか止められなかった喫煙者も大幅な値上げを契機に禁煙を始める可能性もあり、禁煙補助製品にとって販売環境は絶好の追い風と入っている。

 初歩的な段階としてはタバコに変わる代替商品としてガムや飴の需要が伸びるのではないかと見込まれる。特に禁煙対応というわけではないが、森永製菓<2201>明治製菓<2202>江崎グリコ<2206>ブルボン<2208>カンロ<2216>等、飴やガムを取り扱う食品メーカーは派生的な販売増が期待される。

 さらに一歩踏み込んで禁煙対応・補助を目的に作られた飴を取り扱うのがマルマン<7834>。その名も「禁煙飴」という松葉エキス・松脂末を配合した、タバコがまずくなる飴であり、競合製品が少ないことと手頃な価格から、一つの禁煙補助食品ということで需要増加が期待される。

禁煙補助製品の必要性も増加

 武田薬品工業<4502>は「ニコレット」という一応ガムではあるが、医薬品扱いとなっている禁煙補助製品の販売を手掛けており、CM効果から同製品の知名度が高いこともあり、今後の販売増加が見込まれる

 しかしガムや飴だけでは、たばこの代替商品にはなり得ない、我慢できないという喫煙者が禁煙に踏み切ろうと考えた場合には、もっと本格的な補助製品が必要になる。前述マルマン<7834>が手掛ける「パイポ」はその代表的製品である。「私はこれで・・・・」のCMで一躍有名になった同商品はデビューから約20年経ち、今ではスペアミントやフルーツ味やらバリエーションも豊富になり、女性喫煙者にまでそのターゲットを広げている。既にロングセラー商品となっているが、今後さらに禁煙が促進される市場環境の中で、改めて注目度が高まるものと見込まれる。

 また大正製薬<4535>は「パッチ」と呼ばれる皮膚に貼り、その皮膚から少量のニコチンを吸収させることで禁断症状を緩和しながら禁煙へと導く禁煙補助剤(シガノンCQ)を発売開始。起床時に貼り、就寝前にはがすだけという手軽さに加え、既にこの「シガノンCQ」というパッチは世界19カ国で販売されており、パッチの40%を占めるトップブランドでもあることから、処方箋なしで買えることもあり、今後の売上増加が期待される。

大手コンビニエンスストアは思わぬ恩恵も

 大手コンビニエンスストアのローソン<2651>(東1)セブン&アイ・ホールディングス <3382>(東1)ファミリーマート<8028>(東1)サークルKサンクス<3337>(東1)等では、禁煙者のガム・飴・禁煙補助製品の購入が見込まれるほかに、タスポの導入では、めんどうな登録や手続きを嫌う喫煙者が店頭で購入することも見込まれている。さらに、こうした顧客が、他の商品も「ついで買い」することが考えられる。各社とも収益に織り込むのはわずかだが、思わぬ恩恵も期待される。

 今後、禁煙の拡がりがさらに進むことはあっても、縮小することはまず考えにくい。ましてたばこ価格の大幅な値上げが実現すれば、日常の家計に直結する問題なだけに禁煙の動きが加速化する可能性が高い。現状、禁煙補助製品を取り扱っている上場企業は少なく、今後の市場動向次第では集中的に投資が集中することも期待出来ることから、動きを注視していきたい銘柄群である。
提供 日本インタビュ新聞 Media-IR 2008.07 |特集