レジャー施設関連銘柄
レジャー施設関連銘柄

ガソリン価格高騰によりアクセスの良さが鍵握る


航空運賃上昇による海外旅行減少が追い風
●主なレジャー施設関連銘柄
2大テーマパーク ユー・エス・ジェイ<2142>、オリエンタルランド<4661>
その他レジャー施設 サンリオ<8136>、バンダイナムコホールディングス<7832>、東京ドーム<9681>、東京都競馬<9672>、京阪電気鉄道<9045>、富士急行<9010>、よみうりランド<9671>
温浴・温泉施設 藤田観光<9722>、常磐興産<9675>、東京ドーム<9681>
設計施工及び検査 三精輸送機<6357>、サノヤス・ヒシノ明昌<7020>、サンセイ<6307>、乃村工藝社<9716>、日本工業検査<9784>
 夏休みといえば、遊園地やテーマパーク。バブル崩壊後来客数が激減、倒産・閉鎖する施設が相次ぎ、今後も少子化傾向が続くなど、遊園地やテーマパークなどを取り巻く環境は、決して楽観視は出来ない。
 しかし、今年は原油高の影響による航空運賃の実質上昇などで、海外旅行者数は前年に比べて大きく減る予想となっており、国内のレジャー施設に思わぬ追い風が吹き始めた。特に公共交通機関を利用して行けるレジャー施設は、ガソリン価格の高騰、景気不透明感の増大に伴う個人所得の低迷から、手頃なレジャースポットとして再評価され始めており、訪問者数の増加が期待される。
 施設側も大きなチャンスと捉えて、新しい施設や魅力あるイベントなど、様々な創意工夫を積極化させており、ここではそうした大都市圏の好アクセスなレジャー施設を運営する企業に注目してみたい。

遊園地・テーマパークの両横綱

 子供達の長い夏休み、また、社会人にとっても盆休みなど、まとまった休みを取得出来る8月は、格好のレジャー季節である。その中でも主役スポットは、やはり遊園地・テーマパークであろう。特に今夏は、燃料サーチャージ導入などで、航空運賃が実質的に上昇する煽りを受けて、海外旅行者数は大幅に減少することが予想されており、その代わりとして、アクセスの良い遊園地やテーマパークの来場者数が増加することが期待されている。国内ガソリン価格の高騰が続いていることから、特に公共交通機関を利用して訪問出来る施設が、より有利であると思われる。

ユニバーサル・スタジオ・ジャパンTM ユー・エス・ジェイ<2142>は、夏季限定イベントとしてユニバーサル・ウォーター・パレードを昨年から実施。今年は昨年より大幅にゲストの参加を増やすことで、集客力をアップするほか、夏休み期間中の、日帰り圏からのリピート促進のため、期間中に何度でも入場出来る「サマー・スペシャル・パス」、午後3時から入場可能で割安な「サマー・トワイライト・パス」などを実施し、集客増を図る。こうした限定企画は夏休み期間終了後もハロウィーンや冬休み期間にも行う予定である。
 また、平成21年3月には大型アトラクション導入を予定しており、ハード・ソフト両面から施設全体の魅力アップを図っていくことで、さらなる来場者数増加、収益力向上を目指す。

オリエンタルランド ユー・エス・ジェイが西の横綱なら、一方の東の横綱であるオリエンタルランド<4661>。言わずと知れた「東京ディズニーランド及び東京ディズニーシー」を運営する企業である。今年7月には、日本で3番目のディズニーホテル「東京ディズニーランドホテル」が誕生。200ヘクタールに及ぶ一台リゾートエリアがいっそう充実した。また同月から夏休み期間イベント及び開園25周年記念イベントとして「ボンファイアーダンス」、「ディズニーキッズ・サマーアドベンチャー」、「ウォータープログラム」、「スターライト・ドリームス」と、イベントが目白押しで、集客増に結びつくことが見込まれる。
 また、10月にはエンターテイメント集団「シルク・ドゥ・ソレイユ」専用の常設劇場「シルク・ドゥ・ソレイユ シアター東京」がオープンし、新たな顧客層の来場にも繋がることが期待される。将来的にも2010年には成田、羽田の両空港で1本ずつ追加の滑走路が完成予定で、2011年3月期以降は、外国人来園者が国内の人口減少を補完して、余りある成長ドライバーになりうるものと考えられ、今後も注目していきたい。

それぞれの特徴・強みを生かした遊園地

 規模は前述2社ほどではないが、それぞれの強み・特徴を生かした遊園地・テーマパークがある。そのうちサンリオ<8136>が運営する「サンリオピューロランド」は、不動の人気を誇る「ハローキティ」をはじめとしたサンリオキャラクターが満載で、特に女児を持つファミリーに安定した人気を確保しているほか、夏休みイベント企画として「おいでよ!体験ワールド」を開催。近年流行の子供の職業体験型イベントとして、集客数の増加に寄与するものと見込まれる。屋内型テーマパークのため、傘が一切不要で天候・気候に左右されにくい点と、最寄り駅から徒歩5分というアクセスの良さも魅力である。

 バンダイナムコホールディングス<7832>の連結子会社が運営する「浅草花やしき」も安定した人気を誇っている。東京都心部に位置し、最寄り駅から徒歩5分という好アクセスで、入園料金も大人で900円と、料金も手頃であることから、長い夏休みを取りづらい社会人にとっては、使い勝手の良い遊園地とも言える存在である。

 都心型遊園地と言えば、東京ドーム<9681>が運営する東京ドームシティ「ラクーア」内のアトラクション施設も魅力である。何といっても入園無料で、JRや東京メトロなど5つの駅と直結しており、アクセスの良さでは、右に出るものはいないと言っても過言ではない遊園地である。

 一方、アクセスは車に頼らざるを得ない部分もあるが、東京都競馬<9672>が運営する「東京サマーランド」は、2007年7月にオープンした日本最大級のプール施設「グレートジャーニー」が人気を博し、猛暑の続く中、堅調な入場者数の増加に貢献している。

 関西圏では、京阪電気鉄道<9045>の連結子会社が運営する「ひらかたパーク」が好調。同じ関西圏のライバル遊園地であった「エキスポランド」がアトラクションの事故で休園していることもあり、来場者数が大幅に増加。吉本興業<9665>の人気お笑い芸人達の「お化け屋敷」や「ステージショー」も集客効果を発揮している。またプール施設「ザ・ブーン」は関西圏では知名度も高く、毎年安定した人気を誇っている。最寄り駅から徒歩3分という好立地も魅力である。

 その他、絶叫系アトラクションやホラー施設に強みを持つ富士急ハイランドが運営する富士急行<9010>、「夏のプールWAI」が好調な老舗のよみうりランド<9671>も遊園地を運営する銘柄として要注目である。

温泉・温浴施設も手堅い人気

温泉 日本人に不動な人気を誇る温泉。その温泉施設や温浴施設を運営する企業も安定した需要の下、さらなる工夫・新メニューを増やすことで入場者数増加に尽力している。

 藤田観光<9722>が運営する「箱根小湧園ユネッサン」は、足の角質除去や皮膚病治療に良いとされるドクターフィッシュ風呂が大好評を得ており、その他温浴施設もバリエーション豊富で人気が上がっている。最寄り駅から徒歩15分で到着可能であり、JR小田原駅や箱根湯本駅からバスも出ていることから、アクセスは必ずしも悪くはない。

 また常磐興産<9675>の運営する「スパリゾートハワイアンズ」が、映画「フラガール」の話題性に乗り来場者数が増加。従来からの温泉施設だけでなく、子供用プール「ワイワイ・オハナ」のオープンやショッピングモールの開設など、家族全員が楽しめる施設となっているうえ、全施設がドームに覆われ、天候に左右されない点も、安定した来場者数確保に繋がっている。最寄り駅から無料送迎バスが定時運行されており、東京からの所要時間も約2時間と、充分日帰り圏である。一方では地元客の利用率も高く、経営の安定要因となっている点も見逃せない。

 都心型としては東京ドーム<9681>の「スパラクーア」も天然温泉を売り物としており、人気が高い。既に述べたがアクセスは抜群で、身近なスポットとして、リピート率も高く、要注目である。

施設の魅力・安全を支える企業も不可欠な存在

 より魅力的な遊園地・テーマパークその他レジャー施設を維持・運営してく中で、その魅力をアップする遊戯機械や各舞台装置の存在が不可欠となってくる。三精輸送機<6357>は、遊戯機器製造開発として、業界最大手であり、各舞台装置も手掛ける。具体例としては、スカイタワー、ダークライド(大量搬送システム)、ジェットコースター、急流すべり、観覧車、ジャングルマウスなどの設計・製作・施工から、修理・保守まで手掛けるのが強みである。サノヤス・ヒシノ明昌<7020>も遊戯機械を手掛けており、特に観覧車に強みを発揮している。また、サンセイ<6307>は、舞台吊物設備に強みを発揮、遊戯施設においても同社の設備が活躍している。

 遊戯施設建物の設計・施工に関しては、乃村工藝社<9716>が積極的に事業を進めており、富士急行<9010>が運営する富士急ハイランドの子供向けテーマ施設などで実績を上げている。

 その一方で、ジェットコースターの脱輪や遊戯機器設備の磨耗に伴う不具合など、一例を挙げれば、大阪のエキスポランドのような人命が失われるような事故も発生し、今まで以上にアトラクションをはじめとした施設の安全性が重要視されるようになっている。日本工業検査<9784>は、施設その他構造物の非破壊検査に定評があり、各レジャー施設の新アトラクション導入が積極化するのに比例して、安全確認検査受注が増加することが期待される。

 遊園地・テーマパークその他レジャー施設とも競争が激化し、今後も少子化傾向が避けられず、経営を取り巻く環境は、決して楽観視出来るものではない。一種の「水モノ」業種でもあり、如何に人気を持続させることが出来るかが、大きな課題である。しかし、航空運賃の上昇やガソリン価格の高騰などで、国内の、それも交通機関を利用して行ける身近なレジャー施設の来場者数は回復傾向にあり、これを絶好の追い風と捉え、市況が変わっても、人気を持続させることが出来るレジャー施設は、大きな発展の可能性を秘めていると言えるであろう。

JAL 日本航空

提供 日本インタビュ新聞 Media-IR 2008.08 |特集