メタンハイドレート関連銘柄特集
膨大な埋蔵量のメタンハイドレート

次世代のエネルギー資源として期待高まるメタンハイドレート(MH)

環境負荷の少ないクリーンエネルギー
日本近海のメタンハイドレートの分布図
1.南海ドラフト(a:四国沖、b:室戸舟状海盆、c:東海沖〜熊野灘)、2.奥尻海嶺、3.千島海溝周辺(十勝・日高沖)、4.オホーツク海(網走沖)、5.西津軽沖(資料:石油公団)

メタンハイドレート(MH) 急激な原油価格高騰や燃料需要の急増でエネルギー不足が心配されているが、夢のような資源「メタンハイドレート(MH)」が海底に眠っているという。このメタンハイドレートという資源は、メタン(CH3)と水(H2O)だけによって構成され、天然ガスの主成分であるメタンが低温高圧下で水に溶け込み結晶化したシャーベット状の固体物質で「燃える氷」とも呼ばれている。燃焼時の二酸化炭素排出量は石油の約半分で環境負荷が極めて少ないクリーンエネルギーでもある。日本近海全体では天然ガス約100年分にあたる推定7.4兆立方メートルと世界最大規模の埋蔵量があるといわれており、次世代のエネルギー資源として大いに期待されている。

開発における問題点は山積

掘削の概念
資料:メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアム(MH21)
 しかし、日本近海のメタンハイドレートは約1000メートルの海底にあり、固体のため自噴することがなく、生産には地層中のメタンハイドレートの分解が必要で、掘削・生産設備が大型化し、コスト高となるのが難点。また、大水深であるがゆえに掘削・生産プラットホームと海底面の間に存在する海水が開発に影響を与えるので高度な技術が必要となり、開発における問題点など解決しなければならない課題は多い。

メタンハイドレートからの
天然ガス連続生産に成功


 政府は、平成20年度から5年間の海洋政策の指針「海洋基本計画」を閣議決定し、排他的経済水域(EEZ)の、メタンハイドレート(MH)や海底熱水鉱床など海底資源の開発・商業化などについて取り組んでいくことを明記。
 また、独立行政法人の石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)は、次世代エネルギーとして期待される「メタンハイドレート」を地中から連続して産出する実験に世界で初めて成功したと報じた。低コストでの大量生産手法が確立すれば商業化することも可能となる。日本は大きな課題である採掘技術の開発では先行しており、10数年後には世界でも有数の「資源大国」へ変貌する可能性を秘めている。

 関連銘柄では、石油資源開発<1662>(東1)が日本で始めてMHの採取に成功しており試掘やコンサルで重要な位置づけとなっている。浮体式の海洋エネルギー生産設備大手の三井海洋開発<6269>(東1)は、MHを洋上で資源化するプラントを手がける。三井造船<7003>(東1)は、海底下に埋蔵するMHを探査し、賦存状態を把握する技術・システムを開発を保持している。三菱マテリアル<5711>(東1)は、MHの基礎試錘・実証実験の請け負い、商業化段階でも重要な役割を担うと有望視されている。このほか、ボーリングマシン大手の鉱研工業<6297>(JQ)やLNGプラント軸に中近東、ロシアで展開している総合エンジニアリング大手の千代田化工建設<6366>(東1)や、海底調査・研究、貯蔵・輸送の関連銘柄も注視されてこよう。

オイルシェールやオイルサンドなどの新資源の量産化もスタート

 このほかに、新資源として油分を含む岩石(オイルシェール)からの原油量産開発では三井物産<8031>(東1)、超重質油を保有する砂の層から生産可能なオイルサンドの開発では石油資源開発<1662>(東1)国際石油開発帝石HD<1605>(東1)が増産計画を進めている。

●メタンハイドレート(MH)関連銘柄一覧
コード 銘柄名 市場 業種 内容
1605 国際石油開発帝石HD 東1 鉱業 天然ガスの開発注力
1662 石油資源開発 東1 鉱業 東海沖から熊野灘海域の鉱業権保有
1801 大成建設 東1 建設業 海底調査研究
1803 清水建設 東1 建設業 調査研究
4673 川崎地質 JQ サービス業 地質調査専業大手
4961 日油技研工業 JQ 化学 海洋調査機器
5711 三菱マテリアル 東1 非鉄金属 基礎試錘・実証実験の請け負
6269 三井海洋開発 東1 機械 洋上で資源化するプラント
6297 鉱研工業 JQ 機械 地下資源開発
6366 千代田化工建設 東1 建設業 LNGプラント軸に中近東、ロシアで展開
7003 三井造船 東1 輸送用機器 測定技術を開発
7011 三菱重工業 東1 機械 探鉱船、輸送船
7013 IHI 東1 機械 掘削技術
9504 中国電力 東1 電気ガス業 三井造船と輸送方法の実証実験
9531 東京ガス 東1 電気ガス業 貯蔵、輸送技術
9532 大阪ガス 東1 電気ガス業 貯蔵、輸送技術
9755 応用地質 東1 サービス業 調査研究

提供 日本インタビュ新聞 Media-IR 2008.04 |特集