| 注目の農業関連銘柄 | |
| 食糧増産銘柄 | 三井物産<8031>、菱食<7451>、兼松<8020>、伊藤忠商事<8001> |
| 種苗関連銘柄 | サカタのタネ<1377>、カネコ種苗<1376> |
| 農薬・肥料銘柄 | クミアイ化学工業<4996>、日本農薬<4997>、住友化学<4005>、イハラケミカル工業<4989>、北興化学工業<4992>、アグロ カネショウ<4955> |
| 農業機械銘柄 | 井関農機<6310>、クボタ<6326>、共立<6313>、新ダイワ工業<6320>、タカキタ<6325> |
食糧危機が深刻化している。世界規模での人口爆発に伴う需要増、特にBRICsをはじめとした新興国の生活水準向上に伴う食糧需要が急増する一方で、地球温暖化による気候変動や水資源不足に伴う収穫不足が進み、需給バランスが崩れてきていることが主な原因である。しかしそれ以外にも近年の原油価格急騰による輸送価格上昇や、バイオエタノール開発積極化に伴うトウモロコシ価格の急騰、運用難を理由とした投機資金の商品相場への流入といった様々な要因が追い討ちをかけている。日本国内を見渡しても貿易摩擦解消と安価な購入を狙い輸入に依存した結果、今では食糧自給率は4割を切るところまで低下、世界的な食糧価格の上昇は6割以上を輸入に頼る日本の家計も直撃する事態に至っている。また、例え価格上昇に耐えられたとしても中国製毒入り餃子問題といった「安全」にまつわる新たな問題も浮上、「量」だけでなく、「質」の食糧危機も迫っている。
こうした流れの中、世界規模で拡大する食糧需要を満たすために農畜産物を増産しようとする動きが活発化していくものと見込まれる。勿論、食の安全向上も緊急テーマである。これにより発展途上国を含めた地球規模での農業近代化が進むと予想され、農業機械や飼料、農業用薬品などのニーズ増加が期待されている。株式市場においても農業関連銘柄は息の長いテーマとして注目されている。
>>農業関連銘柄一覧
食糧需給の逼迫化を受けて早急に解決を図っていかなければならないのが先ず食糧増産体制の確立である。しかし日本国内はもちろんのこと、世界レベルで見渡しても生産拡大余力のある地域は限られている。その中で耕作面積を増やす余地のある数少ない国の一つとして注目されているのがブラジルだ。
同国における耕作可能面積は、アマゾンの森林を伐採しなくとも約2億5,000万haあるとされているが、現在使用されている農地はわずか約6,000万haに過ぎない。そこで同国での生産拡大体制を目指すべく、広大な農地を保有するブラジル企業に出資、グローバルな食糧需要に対応する農業生産事業参入へ踏み出したのが三井物産<8031>である。2007年11月、ブラジル移民系穀物会社と米国最大級の農協組織との3社共同運営による会社において、約10万haもの広大な農地を対象に大豆からトウモロコシ、綿花に至るまでより安心・安全な食糧を提供すべく、生産、加工から輸出まで一貫管理体制を築く体制を構築した。この投資は単に食糧増産に貢献するだけでなく、インフラ整備、輸送ロジスティックの強化、内陸・港湾サイロの増設など、様々な経済波及効果も期待出来るビジネスであり、バイオエタノールの生産、他国への事業展開の可能性が期待出来る。同様のビジネスを進める企業としてほかに菱食<7451>、兼松<8020>、伊藤忠商事<8001>にも注目したい。またインド現地法人にて種苗の生産・試験栽培事業を進めていくサカタのタネ<1377>も要注目である。
食糧生産の増産体制が進むのに比例して、当然のことながら生産に必要な農薬・殺虫剤や肥料の需要増加が見込まれる。とりわけ中国製毒入り餃子問題に見られるように、単に生産力向上だけでなく、食の安全につながるような農薬・殺虫剤のニーズがますます高まっている。
そうした流れの中、クミアイ化学工業<4996>では殺虫剤や防除剤などの分野において人畜への安全性の高い新製品を相次いで発表しているほか、米国の総合化学品会社と販売提携を結び、同国のトウモロコシ・大豆生産地帯に除草剤の販売を積極的に進めることで市場シェアの拡大を進めている。
また日本農薬<4997>はイタリアの農薬製造会社の豪州子会社と資本提携を結び、年間生産量13,000トン強に及ぶ豪州の小麦生産地帯を対象に、畑作用除草剤・落葉剤をはじめとした農薬全般の販売強化に乗り出している。
そのほか事業のルーツでもある化学肥料に強みを持つ住友化学<4005>は水稲用、畑作用両面において現在でも化学肥料分野に強みを発揮しており、カネコ種苗<1376>と配合肥料で共同開発を進めるなど、食糧増産体制進展に伴う開発積極化と販売増加を視野に入れている。
同様のビジネスを進める企業としてイハラケミカル工業<4989>、北興化学工業<4992>、アグロ カネショウ<4955>なども要注目である。
農薬・肥料分野同様、生産拡大が進むにつれて、需要増が期待されるのが農業機械分野である。特に未だ農業機械化の不完全な発展途上国、その中でもとりわけ新興国の農業機械ニーズは急増している。
そうした市場ニーズを掴むべく、井関農機<6310>は中国向けコンバイン・乗用田植機及び歩行田植機を相次いで販売、中国市場におけるシェア拡大を目指しているほか、国内向けとしては近年のガソリン・軽油価格高騰と環境改善に配慮した小燃費トラクタ、コンバイン及び田植機の製品開発・販売を強化している。
一方、クボタ<6326>は大型トラクタに強みを発揮しているほか、耕作放棄地の再生支援やバイオ燃料用作物支援をはじめとした農業再生プロジェクトも立ち上げ、CSR的側面も含めた農業生産拡大及び農業機械普及に努めた活動を活発化させている。
また丸山製作所<6316>はタイに現地法人を設立し、同国をはじめとした東南アジア地域に対する農業機械販売の強化を進めるほか、また刈払機の製造を手掛ける連結子会社2社の合併を予定しており、グループ全体の業務効率改善を進めることで市場シェアの拡大を進めていく方針である。
同様のビジネスを進める企業として、共立<6313>、その共立と持株会社を設立し2008年12月1日経営統合を予定している新ダイワ工業<6320>、タカキタ<6325>なども今後注目していきたい。
●主な農業関連銘柄一覧
| コード | 銘柄名 | 市場 | 業種 | 内容 |
|---|---|---|---|---|
| 1376 | カネコ種苗 | JQ | 水産・農林業 | 種苗、農薬、肥料 |
| 1377 | サカタのタネ | 東1 | 水産・農林業 | 種苗 |
| 1378 | 雪国まいたけ | 東1 | 水産・農林業 | きのこ栽培 |
| 1379 | ホクト | 東2 | 水産・農林業 | きのこ栽培 |
| 1380 | 秋川牧園 | JQ | 水産・農林業 | 無農薬食肉 |
| 1382 | ホーブ | JQ | 水産・農林業 | スーパー、種苗 |
| 1846 | 鈴縫工業 | 東2 | 建設業 | きのこ栽培 |
| 1895 | 大成ロテック | 東1 | 建設業 | 農業土木 |
| 2055 | 日和産業 | 大証 | 食料品 | 飼料 |
| 2057 | 雪印種苗 | 東2 | 食料品 | 種苗 |
| 2108 | 日本甜菜製糖 | 東1 | 食料品 | 育苗ボット |
| 2262 | 雪印乳業 | 東1 | 食料品 | 種苗 |
| 2700 | 木徳神糧 | JQ | 卸売業 | 米穀 |
| 2747 | 北雄ラッキー | JQ | 小売業 | スーパー |
| 3038 | 神戸物産 | 大証 | 卸売業 | 農園 |
| 3101 | 東洋紡 | 東1 | 繊維製品 | 給水シート |
| 3103 | ユニチカ | 東1 | 繊維製品 | 給水シート |
| 3110 | 日東紡 | 東1 | ガラス・土石製品 | 人工培地 |
| 3382 | セブン&アイ・ホールディングス | 東1 | 小売業 | 農産物生産 |
| 3402 | 東レ | 東1 | 繊維製品 | ビニールハウス |
| 3943 | 大石産業 | 福証 | パルプ・紙 | 育苗ボット |
| 3971 | 東セロ | 東2 | 化学 | 包装材 |
| 4003 | コープケミカル | 東1 | 化学 | 肥料 |
| 4004 | 昭和電工 | 東1 | 化学 | 農薬原体 |
| 4005 | 住友化学 | 東1 | 化学 | 農業化学 |
| 4021 | 日産化学工業 | 東1 | 化学 | 農業化学 |
| 4023 | クレハ | 東1 | 化学 | 農薬原体 |
| 4025 | 多木化学 | 大1 | 化学 | 肥料 |
| 4028 | 石原産業 | 東1 | 化学 | 農薬 |
| 4031 | 片倉チッカリン | 東1 | 化学 | 肥料 |
| 4033 | 日東エフシー | 東2 | 化学 | 肥料 |
| 4041 | 日本曹達 | 東1 | 化学 | 農業化学 |
| 4063 | 信越化学工業 | 東1 | 化学 | 農薬原体 |
| 4092 | 日本化学工業 | 東1 | 化学 | 農薬原体 |
| 4112 | 保土谷化学工業 | 東1 | 化学 | 農薬原体 |
| 4113 | 田岡化学工業 | 大証 | 化学 | 農薬 |
| 4117 | 川崎化成工業 | 東2 | 化学 | 農薬 |
| 4120 | スガイ化学工業 | 大証 | 化学 | 農薬 |
| 4203 | 住友ベークライト | 東1 | 化学 | 包装材 |
| 4204 | 積水化学工業 | 東1 | 化学 | ビニール、フイルム |
| 4218 | ニチバン | 東1 | 化学 | 防虫資材 |
| 4221 | 大倉工業 | 東1 | 化学 | ビニール、フイルム |
| 4234 | サンエー化研 | 東1 | 化学 | 包装材 |
| 4361 | 川口化学工業 | 東2 | 化学 | 農薬 |
| 4955 | アグロ カネショウ | 東2 | 化学 | 農薬 |
| 4989 | イハラケミカル工業 | 東1 | 化学 | 農薬 |
| 4992 | 北興化学工業 | 東1 | 化学 | 農薬 |
| 4995 | サンケイ化学 | 福証 | 化学 | 農薬 |
| 4996 | クミアイ化学工業 | 東1 | 化学 | 農薬 |
| 4997 | 日本農薬 | 東1 | 化学 | 農薬 |
| 5122 | オカモト | 東1 | ゴム製品 | ビニール、フイルム |
| 5142 | アキレス | 東1 | ゴム製品 | ビニール、フイルム |
| 5188 | 帝都ゴム | JQ | ゴム製品 | ホース、ダクト |
| 5201 | 旭硝子 | 東1 | ガラス・土石製品 | ビニール、フイルム |
| 5363 | TYK | 東1 | ガラス・土石製品 | 除菌マット |
| 5390 | 宇部マテリアルズ | 東1 | ガラス・土石製品 | 肥料 |
| 5456 | 朝日工業 | JQ | 鉄鋼 | 肥料、農業資材 |
| 5463 | 丸一鋼管 | 東1 | 鉄鋼 | 農業資材 |
| 5946 | 長府製作所 | 東1 | 鉄鋼 | 温水ボイラー |
| 5962 | 浅香工業 | 大証 | その他製品 | 農業用機器 |
| 5986 | モリテック スチール | 大証 | 金属製品 | 農業機械 |
| 6310 | 井関農機 | 東1 | 機械 | 農業機械 |
| 6313 | 共立 | 東1 | 機械 | 農業用管理機械 |
| 6316 | 丸山製作所 | 東1 | 機械 | 農業機械 |
| 6325 | タカキタ | 東2 | 機械 | 農業機械 |
| 6326 | クボタ | 東1 | 機械 | 農業機械 |
| 6845 | 山武 | 東1 | 電気機器 | 空調制御 |
| 6991 | 松下電工 | 東1 | 電気機器 | 農業資材 |
| 7449 | 太洋興業 | JQ | 卸売業 | 農業資材、人工苗生産 |
| 7732 | トプコン | 東1 | 精密機器 | 農業分野開拓 |
| 7894 | 丸東産業 | 福証 | 化学 | ビニール、フイルム |
| 7909 | シーアイ化成 | 東1 | 化学 | 農業資材 |
| 7970 | 信越ポリマー | 東1 | 化学 | 農業資材 |
| 7985 | ネポン | 東2 | 金属製品 | 園芸暖房、熱機器 |
| 8085 | ナラサキ産業 | 東2 | 卸売業 | 農業資材 |
| 8088 | 岩谷産業 | 東1 | 卸売業 | 温室、ハウス |
| 8095 | イワキ | 東1 | 卸売業 | 食品原料 |
| 8217 | オークワ | 東1 | 小売業 | スーパー、栽培 |
| 8218 | コメリ | 東1 | 小売業 | 農業用品 |
| 8306 | 三菱UFJフィナンシャルG | 東1 | 銀行業 | ファンド |
| 8342 | 青森銀行 | 東1 | 銀行業 | 農業者向けローン |
| 8390 | 鹿児島銀行 | 東1 | 銀行業 | 農業向け金融 |
| 8393 | 宮崎銀行 | 東1 | 銀行業 | 農業向け金融 |
| 8394 | 肥後銀行 | 東1 | 銀行業 | 農業向け金融 |
| 8398 | 筑邦銀行 | 福証 | 銀行業 | 農業向け金融 |
| 8537 | 大光銀行 | 東2 | 銀行業 | 農業向け金融 |
| 8586 | 日立キャピタル | 東1 | その他金融業 | 農業向け金融 |
| 9051 | センコン物流 | JQ | 陸運業 | 農業機械 |
| 9305 | ヤマタネ | 東1 | 陸運業 | 米穀卸 |
| 9307 | 杉村倉庫 | 大証 | 倉庫・運輸関連業 | 倉庫 |
提供 日本インタビュ新聞 Media-IR 2008.06 |特集







