株価の羅針盤はテクニカル(26)
株価の羅針盤はテクニカル
2008年7月23日

石油事業から太陽電池事業に踏み込む昭和シェル石油


中長期線GC接近で中勢上昇基調入り期待の昭和シェル

 昭和シェル石油(5002)は、石油元売り大手。英シェル系で第2位株主はサウジアラムコ。外国人保有株比率は64.1%にのぼり、投信比率は8.6%。浮動株比率は7.3%にとどまる。
 今2008年12月期連結業績は、石油製品の価格転嫁進み、原油価格は1バレル=4〜6月95ドル、下半期93ドルの会社想定を超えており、在庫益拡大により見かけの利益は増額の可能性も。7月3日、最大級の太陽光発電パネルの新工場建設と太陽電池製造装置を手がけるアルバック(6728)との技術提携を発表。脱炭素化社会へ、再生可能な自然エネルギー太陽光を利用する。国内の石油精製事業での利益成長が期待しにくくなるなか、新たな成長戦略を打ち出したことが注目点。
 同社は100%子会社で現在20メガワット級の太陽電池生産設備を稼働中で、第2工場(年産規模60メガワット)も09年の稼動目指し建設中だ。今回発表されたのは2011年稼動で1000メガワットの工場建設。現在供給不足となっているシリコンを使わず、同社が世界に先駆けて確立した独自の「薄膜系太陽電池の中でももっとも将来性のある技術といわれる」(会社側コメント)CIS太陽電池技術とアルバックの真空装置技術の融合により、生産能力の高い製造装置を開発する。
 ただ、太陽光発電パネル事業の収益性は、技術進歩が急ということから、先行しても追いつかれる可能性が大であり、各国の補助金制度や二酸化炭素排出規制の影響を受け、利益面寄与は予想しがたい。しかし、石油から太陽電池へと事業分野拡大の同社に注目余地大とみる。
 ちなみに、同社を8社のアナリストがカバーしており、今期連結経常利益の予想平均は前期比22.6%減の717.88億円(会社側期初予想は600億円)で、アナリスト期初予想比では43%増額されている。

●昭和シェル石油<5002>
5002

 株価は、昨年7月高値1603円から、今年2月の直近安値880円まで下げた後の反発局面にある。直近では、「太陽光発電パネルの新工場建設」報道があった後、人気化。7月7日に1278円の年初来高値を記録。その後、利益確定売りなどに反落したが、17日1121円まで下げたところで75日移動平均線及び日足ベースの一目均衡表で「雲」と呼ばれる抵抗帯の上限にタッチした後、反発に転じている。7月に1200円台後半まで買われた後、一息ついた。
 しかし、06年〜07年の下値支持線が1200円台にあり、戻り待ちの売りに押されたもの。まだ、1241円にある週足ベースの一目「雲」上限は抜け切れていない。が、日足ベースでは4月に「雲」上限を上抜けており、ここまで上限が下値サポートラインとなってきた。そして、来週には、75日線が200日線を上抜くゴールデンクロス(GC)が示現し、中勢上昇基調入りを鮮明化させる方向にある。



■(前回)エレコム<6750>
引き続き上値トライ

 エレコム<6750>(JQ)は、18日の年初来高値1200円に顔合わせしたところから、買い推奨を開始。今週22日には1230円の株式分割落ち後高値をつけ、06年12月の上場来高値1267円に迫った。しかし、22日後場には先物主導でこれまで大きく下げていた東証1部大型株や主力株が自律反発する展開に転じた。
 同社株の中長期強気は不変ながら、同社株が3月安値から大幅上昇してきただけに、いったん、銘柄乗り換えに向けた利益確定売りが予想される。新規買いは、下値調べ後、もしくは、主力株の自律反発終了まで待つべきか。とはいえ、「今年後半相場は、NTT、JR東海など官業型銘柄及び不人気、好業績、割安、好チャート株狙い」の基本姿勢は継続すべきであろう。
>>前回のエレコム<エレコム>

(株式評論家・熱田和雄)


提供 日本インタビュ新聞 Media-IR 2008.07.23 |特集