株価の羅針盤はテクニカル(27)
株価の羅針盤はテクニカル
2008年7月25日

不人気も業績V字型回復の割安銘柄


 「世界の株式市場は、米金融不安後退を背景に、同時反騰相場が続いている」との認識は、今年3月17日を基点とした反騰相場とそっくり。米政府が救済策に乗り出した分、状況は厳しくなっていることを表している。3月安値からの「過度の金融不安からのゆり戻し相場」は、米国株では5月中まで、東京市場は6月6日まで続いたが、今回はどうか。前回、ドルは3月17日に1ドル=95円台まで売られた。今回はNY原油先物価格(8月限)が7月11日に1バレル=147.27ドルの史上最高値をつけた後、24日(9月限)には一時123.50ドルまで急落、下落率が16.14%となったことから、個人消費の一段の悪化は回避できるとの安心感も後押ししている。
 しかし、24日の東京1部市場は値上がり銘柄が9割超と、安心感が過ぎる感もある。売り叩かれた銘柄の買い戻しは3月時よりも時間的な余裕はないと見る。引き続き、「不人気ながら、業績順調で、割安感が強い、チャート好転銘柄」をピックアップしていきたい。

荏原ユージライト(4975) 「雲」上限が下支え、8月には中勢波動でもGC示現

 荏原ユージライト(4975)を注目する。同社は表面処理用薬品関連株資材及び表面処理装置を、自動車、住宅、エレクトロニクス産業などに提供する。2003年9月にそれまで55%を保有していた親会社荏原製作所(6361)からMBOにより独立。現在、荏原との資本関係はない。前08年3月期連結決算では、メッキ薬品が好調も、原材料価格高騰による採算悪化が響き、前の期比6%増収も33%営業減益となった。今期は、大幅増収、V字型利益回復が見込まれる。薬品の海外自動車向けが順調見通しにあり、プリント配線板や新事業のドライ装置も寄与。拠点整備も一巡し高利益率が予想される。インド子会社は来期からの寄与が期待される。PERは12倍台、配当利回りは2.49%と割安感は強い。
 また、5月に発表した2011年度を最終年度とする「中期経営計画」では、最終年度の数値目標を、連結売上高163.45億円(前期実績比60%増)、営業利益は17.34億円(同2.5倍)、純利益10.45億円(同3.6倍)とし、自動車、エレクトロニクス業界を成長分野と位置づけ、新規開発品の投入や世界展開により市場シェアの拡大を図る。そのため、海外子会社、ネットワークの拡充、営業強化を図る。従来の湿式(ウェット)表面処理技術に加え、乾式(ドライ)技術との融合により一段の高密度化、高付加価値化する市場ニーズに対応するとしている。

●荏原ユージライト(4975)
4975

 株式の新規上場は05年12月。翌1月に1万2300円(株式分割落ち換算6150円)の上場来高値をつけた後、06年3月の分割落ち後は業績悪化から、ほとんどいいところはなく、今年1月22日の上場来安値1750円まで転げ落ちた。それでも、2月中旬以降は日足ベースの一目均衡表で「雲」と呼ばれる抵抗帯の上限を下支えに、さらには、75日移動平均線が下支えし、4月中旬まで2000円をはさむモミ合いが続いた後、上昇基調入り。今期業績のV字型回復予想が判明したあと、25日線沿いに上値を追う展開となっている。6月27日には75日線が200日線を上抜くゴールデンクロス(GC)が示現。8月第3週までには26週線が52週線を上抜く中勢波動でのGCが示現する見通しにあり、先行相場への期待感が膨らむ。



■(前回)昭和シェル石油<5002>
引き続き上値トライ

 昭和シェル石油(5002)は、1100円台後半でモミ合う展開となっている。が、NY原油先物価格が調整色を強める中では頑強といえる。石油事業に続く戦場として、太陽電池事業への踏み込みを発表。ひそかには中東をはじめとした海外政府系ファンドの株式取得候補の有力メンバーのひとつと想定している銘柄であり、前々週からの週足ベース一目均衡表で「雲」と呼ばれる抵抗帯の「上限」回復は果たしてはいないものの、「下限」は割り込まない底堅さを見せている。
 また、日足ベースでは「上限」や200日線を下値サポートラインとしており、来週末もしくは再来週前半には75日線が200日線を上抜くGCを示現、相場の上昇展開へのカジ取りが期待される。
>>前回の昭和シェル石油<5002>

(株式評論家・熱田和雄)


提供 日本インタビュ新聞 Media-IR 2008.07.25 |特集