ツムラ(4540)は、漢方薬の最大手。7月、高シェアの入浴剤事業などを手がける子会社の売却(譲渡実行予定日は8月29日)を発表、堅調な需要に対応するため医療用漢方製剤に経営資源を集中させることとした。株価は、6日に3060円の年初来高値をつけた後、一服しているが、2800円台からの押し目場面でまず打診買いしたい。
米国のサブプライム住宅ローン問題からバブル崩壊、景気後退と金融不安懸念を背景に、世界の株式市場は一段と調整色を強めている。東京市場も、日経平均株価が6月に1万4601円の戻り高値をつけた後は、景気後退、企業業績悪化懸念を背景に再軟化している。なかで、一部右肩上がりの好チャート銘柄を持つのがディフェンシブストックとして存在感がある医薬品関連株。
ツムラが8月5日に発表した2009年3月期第1四半期(4〜6月・1Q)連結決算は、前年同期比3.7%増収、7.2%営業増益、12.1%最終増益となった。医薬品事業は7.1%増だ。主力の医療用漢方製剤が「漢方医学セミナー」などの開催や情報提供活動により種々の領域の疾患に漢方治療が取り入れられており前年同期を上回ったものだ。また、「育薬の推進」で各種臨床研究や基礎研究が進展、育薬処方の「ツムラ君子湯」、「ツムラ抑肝散」、「ツムラ大建中湯」3処方で前年同期比17%増となったという。
なお、同時に発表した通期連結業績予想の修正では、入浴剤など家庭用品事業を売却することから、売上高から経常利益までを減額。売上高は前期比6.8%減の884億円(従来予想は976億円)、営業利益は1.1%増の160億円(同170億円)に修正された。予想1株利益141.3円で予想PERは19.9倍と割高感はない。医師間での漢方薬普及が後押しし販売が増加、薬価下げを抑え、営業増益を確保する。
●ツムラ(4540)

月足一目均衡表の「雲」上限が長期相場を下支え
同社株は、不祥事を売られ2001年1月に290円の上場来安値を記録した後、長期上昇相場入り。06年5月には3560円の上場来高値をつけた。そこから昨年8月の直近安値1776円まで5割下げとなったところで底入れ、ここまで反騰してきたもの。
「移動平均線」を見ると、日足ベースでは、2月20日に75日線が200日線を上抜き、週足では4月第2週に26週線が52週線を上抜くゴールデン・クロス(GC)をそれぞれ示現しており、相場の先高を示唆している。そして、「最終GOサイン」へ残るは、長期相場をみる月足ベースでのGCだが、9月には12カ月線が24カ月線を上抜くGCが示現する見通しにあり、長期上昇基調入りへの転換が鮮明化する。
また、「一目均衡表」では、日足ベースでは07年10月以来、「雲」と呼ばれる抵抗帯の上限を上抜いており、「上限」が日々線を下支えしつつ上値を追っている。また、週足ベースでは今年3月第3週に「上限」を上抜いた。そして、何よりも、力強いのは、月足ベースの「一目均衡表」だ。昨年の下落場面でも「雲」の下限を割り込むことなく、「雲」が下値を支えてきた。今年6月には「雲」上限を上抜き、その後は、「雲の上限」が下値サポートラインとなっているのだ。
■(前回)東武ストア(8274)
豊富な材料、押し目買い
東武ストア(8274)は、12日に415円の年初来高値を付けた後、全般安のなか、利益確定売りに400円割れとなっている。しかし、長期相場を見る「月足」ベースでは04年秋以降、24カ月移動平均線がきれいな下値サポートラインを描き上昇基調を下支えしている。
01年以来、毎年、前年の高値を更新するパターンが続いているうえ、「東京スカイツリー」関連株の割安銘柄として、上昇ピッチが急となってもよい良い時間帯が近づきつつある。週足ベースの一目均衡表で「雲」の上限380円を下値のメドとし「押し目買い」したい。
>>前回の東武ストア(8274)
(株式評論家・熱田和雄)
提供 日本インタビュ新聞 Media-IR 2008.08.15 |特集

