科研製薬<4521>(東1 )の押し目を拾い4ケタ相場に期待したい。内外景気後退懸念、ロシアの新たな脅威など地政学リスクを背景に世界株式市場は同時株安の厳しい展開が続いている。東京市場もまた厳しい日本経済・政治状況を背景にこの流れから脱れきれないでいる。そんななかでは、ディフェンシブストックとして下値抵抗感が強い薬品株を取捨選択すべきか。なかでも、1日に986円まで買われ8月6日の年初来高値983円を更新し、昨年7月高値990円以来の高値をつけた後、2日は全般波乱もあって反落となった医家向け医薬品中堅の科研薬の軟調局面は拾い場とみる。
同社株は、長期的には、1997年12月安値230円を大底とした上昇第2波動にある。かつ、02年12月安値411円を基点とした中勢上昇基調が継続している。そして、06年1月高値1054円を突破となれば、今年4月安値720円をボトムとした中勢上昇第2波動入りが確認されることになる。
チャートを確認してみよう、まず、日足ベースでは、5月12日の急騰で、一目均衡表で「雲」と呼ばれる抵抗帯の上限を一気に突破。その後は、「雲」上限が日々の相場を下支えして上値を追う格好となっている。長期線の200日移動平均線は6月30日に上向きに転じ、7月4日には75日線が200日線を上抜く中長期線のゴールデン・クロス(GC)が示現、相場の先高を示唆した。また、週足ペースでは、6月第4週に13週線が26週線を上抜くGCが示現し、8月第1週には26週線が52週線を上抜く中長期線のGCを示現。直近高値へと誘導した。世界市場の思わぬ下げがあれば、4月の年初来安値720円から今月1日高値986円までの上げ幅の3分の1押し=897円、あるいは、半値押し=853円水準も想定される。が、今年4月にやや変形ではあるがW底を打った後の上昇基調入りと相場はまだ若く、上昇エネルギーは豊富に残っている。8月22日現在の信用倍率は0.23倍と大幅な売り長だ。取り組みが薄いとはいえ、信用面のシコリはない。
●科研製薬<4521>(東1)

収益改善で中期的成長期入り
業績は順調だ。前08年3月期連結業績で、経常利益は前の期比22%増の93億5100万円と大幅に伸び、過去最高だった95年3月期経常利益を大きく更新した。続く、今09年3月期も、8月に発表した第1第1四半期(4〜6月)連結決算で、経常利益は前年同期比4%増の29億3900万円となり、中間期計画に対し進捗率59%と高水準で着地した。今年4月には薬価改定が行われた厳しい環境のなか、主力品で導入品の関節機能改善剤「アルツ」が引き続き好調に売上を伸ばし、医療機器の癒着防止吸収性バリア「セプラフィルム」も順調だった。創傷治癒促進剤「フィバラストスプレー」や後発医薬品も売上を伸ばした。注目の歯周病薬「KCB−1D(トラフェルミン)」の開発はフェーズ3の段階まで進んでいる。
通期連結業績も順調見通しにある。経常利益は前期比3.7%増、予想1株利益48.8円に対しPERは19倍台と割高感は乏しい。収益改善で中期的成長期に突入したとみてよい。株主優遇策も積極化している。配当については前期に3円増配の20円配当とし6期連続増配したが、今期も23円配と増配を予定している。また、8月27日には300万株の自社株式買いを発表したが、一方で、取得した株式の消却も順調に進めている。8月29日現在で、1300万株を消却済み(消却前株式総数の11.32%にあたる)となっており、1株あたり指標を好転させ、株価を下支えしている。
■(前回)ザッパラス<3770>(東マ)
波乱局面を突っ込み買い
ザッパラス<3770>(東マ)は、1日に33万3000円まで買われ、8月20日の直近高値に顔合わせしたものの、2日には、全般波乱のなか、一時30万円割れ場面があった。引き続き、全般厳しい展開が予想されるものの、同社株は上昇基調にあり、30万円固め相場のなかで上昇エネルギーの充填はほぼ終了したと見ており、波乱局面を「突っ込み買い」で対応したい。
>>前回のザッパラス<3770>(東マ)
(株式評論家・熱田和雄)
提供 日本インタビュ新聞 Media-IR 2008.09.03 |特集

