塩野義製薬<4507>(東1 )は、1日に2529円まで買われ、2001年7月以来約7年ぶり高値となった。世界の証券・商品市場は厳しい反動期、試練の中にある。4日の米国株の暴落は、東京市場でも、3月安値を試す動きを予想させる。同社株など医薬品セクターはディフェンシブストックとして定評があるが、今回は波乱を免れそうにない。しかし、全般売り急ぎから底打ちが早まれば、2005年1月安値1254円を02年7月安値1103円に対する二番底とし、07年9月安値1641円を基点とした中勢上昇第3波動入りしている同社株の出番は近い。ここは買い場探しのチャンスと捉えたい。
長期線である月足ベースでは、来月にも12カ月移動平均線が24カ月線を上抜くゴールデンクロスが示現し、長期上昇基調入りが一段と鮮明化する見通しにある。既に、一目均衡表では「雲」と呼ばれる抵抗帯の上限を06年5月に上抜いた後、「雲」を割り込むことなく上値を探る動きが続いている。
また、週足ベースでは4月第3週に26週線が52週線を上抜くゴールデンクロスを示現し、その後、26週線は5月第4週に、52週線は5月第3週にそれぞれ底打ちし上昇転換したことで、相場の上昇基調を確認。
日足ベースでは、7月25日に発表された4〜6月期(第1四半期)経常利益が前年同期比2%減で、中間期計画に対する進捗率が48%にとどまったとの売りに29日に1971円まで下落。日足一目均衡表「雲」の上限を割り込んだ処を基点に反転。31日に「雲」上限を突破し上昇転換。「英GSKと組み、アメリカで抗HIV(エイズウィルス)薬候補の患者向け治験を開始。13年前後に販売」との報道を受け、8月相場で人気化したもの。需給面では、外国人持ち株比率36.7%、投信は8.9%に対し浮動株比率は9.7%にとどまっているうえ、8月29日現在の信用倍率は0.03倍と1177万株弱の売り長となっており、上値に重しはない。
●塩野義製薬<4507>(東1)

エイズ治療薬への期待感が株価を後押し
医薬品セクターの中でも、「漢方製剤」のツムラ<4540>(東)や「再生治療」の科研製薬<4521>(東)、「鳥インフルエンザ」の中外製薬<4519>(東)など特色ある企業のチャートはいずれも上昇基調にあり、本来「感染症」関連が注目されるべき同社株も上値を追う構えにある。同社は販売力に定評があり、抗生物質依存度が高い。足元業績を牽引するのは高脂血症治療薬。血圧降下剤生産の新棟建設し来春に稼動を予定しており、アトピー性皮膚炎治療剤は米国での開発が進む。
そして、世界で感染者数の増大がとまらないエイズの治療薬開発への期待感が株価を後押しする。7月に発表された08年4〜6月(第1四半期)連結決算で、営業利益は前年同期比1%増の80億8300万円にとどまった。が、これは、研究開発費が7.8%増となり利益を押し下げたもの。09年3月期通期連結営業利益は前期比19%増の480億円予想を据え置いた。予想1株利益は89.5円。PERは28倍台と高めだが、前期から営業利益が2ケタ成長していることもあって割高感は乏しい。
■(前回)科研製薬<4521>(東1)
中期強気を継続
科研製薬<4521>(東1 )は、9月1日に986円の年初来高値を付け、2007年7月以来1年2カ月ぶり高値水準となった後も、全般荒れた展開が続くなか、年初来高値圏でしっかりの展開が続いている。収益改善を背景に長期上昇基調が続いており、7月4日に75日移動平均線が200日線を上抜くゴールデンクロス(GC)を示現し、8月第1週には26週線が52週線を上抜くGCを示現し中期波動が好転した。
今09年3月期連結業績も順調見通しだ。増配や自社株買いなど株主優遇策も継続実施中。全般波乱期には反落場面が予想される。が、891円にある75日移動平均線、最悪820円の200日線を下値のメドとして中期強気を継続する。
>>前回の科研製薬<4521>(東1)
(株式評論家・熱田和雄)
提供 日本インタビュ新聞 Media-IR 2008.09.05 |特集

