鳥インフルエンザ関連銘柄特集
鳥インフルエンザ関連銘柄特集

国策として関連企業が予防や治療・開発に着手

中長期的なテーマとして関連銘柄を物色する動き

笑顔で暮らせる社会 韓国紙のソウル新聞は22日付早版で、病原性の強い鳥インフルエンザ(H5N1型)のウイルスに人間が感染した疑いがあると報じるなど、鳥インフルエンザの人間への感染が懸念され、まん延を防ぐための方策が急務となってきた。

 鳥インフルエンザのアジアにおけるまん延を防ぐため、各国の政策担当者が対策を話し合う国際会議が始まった。約20の国や地域から首席獣医官らが出席。22日まで会合を続け、成果を公表する。会合は「アジアにおける鳥インフルエンザ防疫体制強化プログラム準備会合」で、日本の農林水産省と国際獣疫事務局(OIE)の共催。鳥インフルエンザの人への感染が続く東南アジア諸国や、韓国、中国などからも担当者が参加し、インフルエンザの発生動向を把握する疫学調査体制や、出現が懸念される新型インフルエンザに備えた各国の準備状況、鳥インフルエンザの人間への感染状況などが報告される。

 これを機に、鳥インフルエンザに対する予防や治療などの方策が国を挙げて講じられることが予想され、株式市場では中長期的なテーマとして「鳥インフルエンザ関連」を物色する動きが強まろう。

■WHOに報告されたヒトの高病原性鳥インフルエンザA(H5N1)感染確定症例数
  2003 2004 2005 2006 2007 2008 合 計
 例数 確定症 死亡 確定症 死亡 確定症 死亡 確定症 死亡 確定症 死亡 確定症 死亡 確定症 死亡
アゼルバイジャン 0 0 0 0 0 0 8 5 0 0 0 0 8 5
カンボジア 0 0 0 0 4 4 2 2 1 1 0 0 7 7
中 国 1 1 0 0 8 5 13 8 5 3 3 3 30 20
ジブチ 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 1 0
エジプト 0 0 0 0 0 0 18 10 25 9 7 3 50 22
インドネシア 0 0 0 0 20 13 55 45 42 37 15 12 132 107
イラク 0 0 0 0 0 0 3 2 0 0 0 0 3 2
ラオス 0 0 0 0 0 0 0 0 2 2 0 0 2 2
ミャンマー 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 1 0
ナイジェリア 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 1 1
パキスタン 0 0 0 0 0 0 0 0 3 1 0 0 3 1
タ イ 0 0 17 12 5 2 3 3 0 0 0 0 25 17
トルコ 0 0 0 0 0 0 12 4 0 0 0 0 12 4
ベトナム 3 3 29 20 61 19 0 0 8 5 5 5 106 52
合  計 4 4 46 32 98 43 115 79 88 59 30 23 381 240
注:確定症例総数は死亡例数も含む。WHOは検査により確定された確定例だけを報告する。(IDSC)

関連銘柄 鳥インフルエンザ関連銘柄一覧



■鳥インフルエンザ関連銘柄 (順不同)

ダイワボウ 鳥インフルエンザウイルス対策の強力な素材に注目

●ダイワボウ<3107>(東1)
 ダイワボウは用瀬電機、鳥取大学との連携で、鳥インフルエンザウイルスの数を1分間で99.99%減少させる効果がある、画期的な「抗ウイルス不織布」を2005年12月に開発したことが注目材料。人から人に感染する新型インフルエンザウイルスはH5N1が予想されるため、H5型の鳥インフルエンザウイルスで試験を行った。持続性も従来技術では7日だったものが30日に向上したことで、感染防止にかかわるさまざまな分野での応用が可能となり、鳥インフルエンザウイルス対策の強力な素材として期待されている。
 足元の業績、2008年3月期業績予想は、売上高が前期比0.7%増の680億円、経常利益が同15.3%増の23億円、純利益が同69.3%増の16億円と増益が見込み。

提供 日本インタビュ新聞 Media-IR 2008.04 |特集

電気化学工業 ワクチン製造大手のデンカ生研を子会社化で注目

●電気化学工業<4061>(東1)
電気化学工業ホームページ 電気化学工業は、ワクチン製造大手のデンカ生研を08年3月末で完全子会社化している。子会社デンカ生研は、国立感染症研究所、北里研究所、阪大微生物病研究会、化学及血清療法研究所と共同でベトナムで人に感染したH5N1型のウイルスを弱毒化させてワクチンを開発。鳥インフルエンザの感染状況によっては、ワクチン摂取の義務付けも今後の情勢によっては十分視野に入ってこよう。
 足元の業績、2008年3月期業績予想は、売上高が前期比10.2%増の3630億円、経常利益が同5.7%減の245億円、純利益が同58.6%減を見込む。09年3月期はデンカ生研のれん償却など吸収し増益が期待される。

提供 日本インタビュ新聞 Media-IR 2008.04 |特集

中外製薬 ノイラミニダーゼ阻害薬タミフルの備蓄急務で注目度は増す

●中外製薬<4519>(東1)
中外製薬ホームページ 中外製薬は、スイスのロシュ社のノイラミニダーゼ阻害薬タミフルを販売している。H5N1型の鳥インフルエンザは高病原性トリインフルエンザと称され、ヒトからヒトへの感染がおこるようになると、世界的な大流行(パンデミック)を起こす可能性があるとされている。
 これに対応するために、各国でノイラミニダーゼ阻害薬の備蓄が行われている。我国や一部の自治体でも、備蓄が急務となっており注目度は増そう。
 足元の業績、2008年3月期業績予想は、売上高が前回予想を80億円上回る3350億円(前期比2.8%減)、経常利益が同110億円上回る422億円(同37.6%減)、純利益が同120億円上回る290億円(同27.6%減)と減益幅を縮小し上方修正している。

 提供 日本インタビュ新聞 Media-IR 2008.04 |特集

富士フイルムHD 抗インフルエンザウイルス剤を開発中の富山化学工業を買収

●富士フイルムホールディングス<4901>(東1)
富士フイルムホールディングス 富士フイルムホールディングスは、抗インフルエンザウイルス剤を開発中の富山化学工業を買収したことが注目される。富山化学が開発中の抗ウイルス剤は、ウイルスのRNAポリメラーゼに作用し、ウイルスの複製を阻害することから、鳥インフルエンザA(H5N1)型に有用性が期待されている。
 足元の業績、2008年3月期業績予想は、売上高が前期比2.4%増の2兆8500億円、税引前利益が同2.0倍の2100億円、純利益が同3.4倍の1200億円と大幅増益を見込み。

提供 日本インタビュ新聞 Media-IR 2008.04 |特集