特集 先取り勝ち組企業 中長期スタンスで狙うセクター・銘柄
中長期スタンスで狙うセクター・銘柄

企業業績を直撃か! 来期の業績動向に注目

 金融機関への公的資金注入など主要各国の金融安定化策が出揃い、市場の関心は実体経済や企業業績への影響に移った。世界的な景気後退は、輸出依存度の高い日本経済に深刻な影響を与える。特にグローバル展開が進んでいる企業の業績を直撃するだけでなく、その影響は国内消費にも波及するため小売・サービスなど内需型企業にとっても悪影響が避けられない。10月下旬から本格化する7〜9月期決算発表では、多くの企業が通期業績予想を下方修正する可能性が高く、さらに来期の業績動向についても注目が集まる。

下げ渋る主力銘柄が徐々に増加

 9月後半以降に株価が急落した局面で、市場は今期・来期の企業業績悪化懸念を、どの程度織り込んだだろうか。例えばトヨタ自動車の株価を見ると、10月8日付日本経済新聞朝刊で通期4割営業減益の公算という観測記事が報道されたが、その後は下げ渋る展開となっている。その他でも同様に、下げ渋る主力銘柄が増加している。これは、売られすぎの反動、過度な業績悪化懸念が一時的に和らいだ、通期業績の下振れを考慮しても指標面の割安感が意識され始めた、現金化を迫られたヘッジファンドの換金売りがピークアウトした、などの可能性などが考えられる。

波乱相場の中で先行投資できる企業は・・

 景気後退局面の長期化も予想される中で、今期・来期の業績悪化懸念が株価にある程度織り込まれたとするならば、銘柄選択は中長期スタンスで財務基盤が強固な優良銘柄を中心に考えたい。今回の金融危機によって当分の間、証券化市場の縮小やレバレッジの抑制は避けられず、産業界へのマネーの流れが細れば、財務基盤が脆弱な企業にとって影響は深刻だろう。淘汰や業界再編が進む可能性も高い。もちろん、財務基盤が強固で製品競争力が高い優良企業にとっても、一時的な業績悪化は避けられない。しかし、こうした状況下でも、次の上昇期に向けて先行投資できる企業は勝ち組となる可能性が高い。このような中長期的観点で5銘柄を選択した。


●厳選 中長期的観点の優良5銘柄
銘 柄 記 事
・武田薬品工業<4502> 潤沢な資金でM&A活発化
・新日本製鐵<5401> 指標面での割安感が台頭
・パナソニック<6752> 業績好調、社名変更の経営戦略も注目
・ファナック<6954> 圧倒的シェア、高収益、無借金が強み
・トヨタ自動車<7203> 日本を代表する超優良企業

提供 日本インタビュ新聞 Media-IR 2008.10 |特集