インタースペースの河端伸一郎社長に今後の事業戦略について聞く

マーケット拡大の波に乗り急成長続く
業容拡大一段と顕著なインタースペース

 インターネット(Net)でのアフィリエイト(成果報酬)型広告「アクセストレード」などの運営を主力事業とするインタースペース(東証マザーズ:2122)は、新しい収益事業への取組みを積極化し急成長を続けている。今9月期も好調に伸長する見込だ。アフィリエイトサービス市場の将来展望、今後の事業戦略について河端伸一郎代表取締役社長にインタビューした。

Q: 成長著しい貴社事業の概要を教えてください。

河端社長: 当社グループは子会社1社及び関連会社1社の3社で構成します。今期かグループ全体の連結決算を採用しています。当社事業は、大別して二つの事業分野となります。

主力事業、アフリエイトサービスの提供


 1)アフィリエイトサービスは、「Net上で販売やサービスを提供する企業(マーチャント)が、Net上の広告媒体(パートナー)と提携して販売促進・広告宣伝等を行う広告主となり、成果に応じ広告掲載料を支払う」、これがビジネスの仕組みです。
 当社は、アフィリエイトプログラム「アクセストレード」(PC向け)及び「アクセストレードモバイル」(携帯電話向け)を運営し、マーチャント(広告主)へ、プログラム導入用システムの提供、広告掲載するパートナーサイトの募集、パートナーサイトへの成果報酬の支払代行等を行います。また、マーチャント1社ごと専任担当者を配し、最適パートナー紹介、成果向上策など、コンサルティングを行います。
 当社収入は、マーチャントが負担するプログラム導入費用、システム利用料、成果報酬などです。

「ベストプライス」と「mamastadium」、好評サイト運営のメディア事業


 2)メディア運営事業では、主に「ベストプライス」と「mamastadium」の、二つのジャンルのサイトを運営し、サイトへの広告掲載手数料が当社収入となる事業です。
 「ベストプライス」は、Net上のショッピングサイトで消費者が商品を選択するとき、価格、各種サービスを比較するための情報サイトです。
 また、「mamastadium」は、主婦向けの育児情報中心の情報を提供する携帯サイトで、携帯クチコミサイトとしては日本最大規模です。アフィリエイト事業とメディア事業は、広告配信システムとその配信先という補完関係が成り立ちます。メディアの成否は、サイトのコンテンツの良さが「キー」となります。

中間期決算で、売上高過去最高を記録。今期入社新卒19人の戦力化急ぐ

Q: 中間期での特長などお話ください。

河端社長: 業績としては、半期では最高の売上高を記録(前年同期比33.6%増)し、PCアフィリエイト事業の好調に加え、モバイルアフィリエイト事業、メディア事業が売り上げを伸ばしました。一方、新規事業への投資負担が増え営業利益率は4%にとどまりました。
 単体の従業員数は117人へ33人増加しましたが、一人当たり売上高は1,250万円と上場前に比べ1.3倍に増加しました。また、モバイルやメディアが伸びた結果、売り上げの構成が多様化しました。業容は急拡大していますが、財務的には安定性、安全性とも高水準を維持しています。
 また、今期4月に新卒者19人の入社があったことは非常に明るいニュースです。

年20%の市場成長を背景に、成長を一段と加速

Q: お話の通り、貴社の主力事業アフィリエイトサービスはPC向け、モバイル向けともに著しい成長をしてきました。今後のマーケット展望をどう見ていますか。

河端社長: 矢野経済研究所の調査によりますと、アフィリエイトサービス市場は引き続き年率20%以上の伸び率で成長すると予測し、2007年度(見込み)のマーケット規模69,790百万円が、2010年度には132,540百万円へ成長すると予測しています。特に、現在32.8%のモバイルのウエイトは40%近くまで高まるだろうと見ています。
 当社のアフィリエイトの売上高の伸び率は前年同期比30%前後の伸び率で推移し、モバイルの構成比は現状15%と倍増しました。広告主(1,800)、広告媒体(148,000)ともに急増しモバイルの成長が加速しはじめました。

利益率向上とシェア拡大を両立させて成長路線に挑む

Q: 成長エンジンが大きくなってきました。今後の戦略についてお聞かせください。

河端社長: 広告主の業種ですが、PCはFXを中心とした「株式・投信」の構成比率が50%弱へと大きく伸び、オンラインゲーム、人材・学習、生活関連サービスも増加しましたが、信販・クレジット、物販、会員・ポイントは減少しています。モバイルでは、「信販・クレジット」が全体の1/3を占め、物販、コンテンツが大きく伸びた半面、生活情報、医療・エステは縮小しています。
 矢野経済さんの予測を見ても当社事業の成長ステージは大きい。売り上げのジャンル内訳を見ると、PCとモバイルとはあまりバッティングしていません。従って、広告主の意向を踏まえながら、それぞれ特長を出すことで差別化しながら、特にモバイルで利益率を維持しながら、如何にシェアを獲得していくか営業利益率向上という課題に取組み、成長路線に挑みます。

Q: メディア事業での展開は。

河端社長: ママスタジアムの譲受や懸賞サイト(RPG)の新規立ち上げ、ベストプライスの好調な推移で、売り上げ規模は一気に拡大しています。
 前期中の11月、ベストプライスモバイルβを更新し、掲載商品を30万点以上に増やし、証券・エステなど13種類のカテゴリーでサービス比較コンテンツを充実しましたが、今期はエンドユーザーである消費者が、より快適、Netショッピングが楽しめるよう、コンテンツ充実など、サイトのリニューアルに着手します。

課題を克服し、利益成長を加速

Q: 最後に、今9月期の業績見通しをお聞かせください。

河端社長: 今期は、顧客満足度の向上、顧客1社あたりの取引単位向上、新卒入社19人の早期戦力化を課題として取り組んでいます。
 お話してまいりました各事業の施策を確実に実践し成果に結び付け、結果として、今9月期連結業績は、売上高6,015百万円、営業利益164百万円、経常利益169百万円、当期純利益78百万円の達成を見込んでいます。

どうもありがとうございました。

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