伊藤園の本庄社長にインタビュー

「カテキン茶」が厚労省のコレステローロ低下効果認められ「特定保険飲料」へ指定

 伊藤園<2593>(東1)は、前期は単独ベースで16期ぶりの減益に見舞われた。天候変調、中国農薬野菜門再、原油高騰による輸送費アップなどによるためだが、基本のところはまったく心配ない。日本だけでなく世界的に健康志向が高まり、主力茶系飲料の展開には今後も期待がもてるし、野菜、果実、ミネラルウオーターなどを加え「総合健康飲料メーカー」として地位を固めている。本庄八郎社長に今後の展望を聞いた。

――2008年4月期は連結営業利益が192億3600万円と15.6%の減益となりましが、理由はどのあたりにありますか。

本庄社長 天候の影響と野菜飲料の影響、それに資材等の値上がりによるものです。昨年は8月が猛暑で好調でしたが、7月が長雨にたたられて大変な不振だったため、夏場は全体としては低調でした。冬場も寒さが非常に厳しく外出を控えることが多かったことも売上に響きました。厳しい季節要因に見舞われた年でした。野菜飲料は中国の農薬問題が影響して7.8%減少しました。原油価格高騰等による影響で資材や輸送費が増加し、とくに運送費が13.3%増え、収益を圧迫しました。営業減益は単体としては18期ぶり、連結ではアメリカに進出したときに減益でしたから、それ以来6期ぶりです。

――2012年に売上高5000億円という計画には変更はございませんか。

本庄社長 まったくありません。昨年発表しました2012年4月期に売上高5000億円(前期は3280億7100万)、ROA10%、配当性向40%、1株利益を普通株で160円、優先株で175円という目標数字にはまったく変更はありません。特に、ブランドの育成、具体的には年間1000万ケース超のブランドを5ブランドにするという計画です。

――現在のブランドの状況をお願いします。

本庄社長 今期見通しについて申し上げますと、おーいお茶の「緑茶飲料」は8500万ケース(前期8300万ケース)、「野菜飲料」は紙容器製品の強化をはかり2170万ケース(同2150万ケース)、「麦茶飲料」で1000万超ケース、「果実飲料」はビタミンフルーツのブランド化を進め870万ケース(同820万ケース)、「コーヒー飲料」はW(ダブリュー)の強化とチルドカップコーヒーへの挑戦で820万ケース(同770万ケース)、買収しましたエビアンの強化で「ミネラルウオーター」は770万ケース(同350万ケース)と倍増見通しで、緑茶由来成分の機能性を追及した「機能性飲料」は310万ケース(同300万ケース)という状況です。1000万ケース、5ブランドの目標に向かって着々と進んでいます。

子会社群はそろって黒字化、期待の「タリーズコーヒー」は今期の利益は7億5000万円に拡大

――連結と単独のところをお願いします。とくに、子会社の利益が上向いているようですが。

本庄社長 2012年の5000億円の売上計画時点で単独分売上が4600億円、子会社分が400億円という見通しです。子会社の収支について現状では、「ノース・アメリカINC」は収支トントンを予想していましたが2008年4月期は5億4400万円の赤字でした。今期は5500万円と黒字になります。買収しました「タリーズコーヒー」は昨年までは赤字でしたが、前期は5億2800万円の黒字となり、今期は利益7億5000万円と利益が拡大します。このほか「国内関連子会社」は7億2400万円の利益でしたが、今期はさらに11億4800万円と増益を見込んでいます。

――子会社が収益に貢献してきますと、ホールディングへ移行することや、注目のタリーズは株式上場はお考えになっていませんか。

本庄社長 ホールディングは考えていません。タリーズの上場については、絶対にないとは言い切れませんが、今の段階ではやらないと社内に対して言っています。今は、タリーズについては先のことより足腰を強くすることが大切だからです。

――2009年4月期の連結見通しについてお願いします。

本庄社長 ブランド別の見通しは今、申しあげたとおりですが、全製品の拡大を見込んでいます。このため売上高で7.3%増の3520億円の見通しです。子会社がすべて黒字となるため、営業利益は11.5%増の214億5000万円、経常利益16.0%増の211億3000万円、配当は年38円(中間は19円)を予定しています。

【編集後記】

 営業減益で同社の成長性に陰りが出たのではないかとの見方もあるが、本庄社長の発言からは、そんな雰囲気は少しも感じられない。急スピードで伸びてきた「茶系」飲料だけに、他社の参入があるのも当然だ、むしろ、競争の激しくなるのはチャンスという受け止め方である。その背景には、国内での茶農園からの買い上げの強さがある。お茶は。春の芽が柔らかい高級な1番茶から、夏の太陽に照らされた2、3番茶、そして秋冬番茶の刈り取りがある。これらをシーズンを通して農家から購入できるのは長年の努力と品揃えによる。農家にとっては安心して同社と取引ができる。今後、産地表示など原料面の目が厳しくなるだけに原料調達面での同社の優位性が発揮される。
 また、お茶が健康に良いことは周知のことで、アメリカでの需要が急速に増えている。国内では「カテキン茶」が厚労省からコレステロールを低下させる緑茶飲料として「特定保険飲料」に指定され、今年4月末から本格販売を始め今期はいきなり120万ケースの販売を計画している。成人が1日に採る水分は平均で2〜2.5リットル、夏場は5リットルともいわれる。胃袋は1つだが、ここに、どのような水分を取り入れるかによって、その人の健康状態は変わってくる。茶、野菜、果実、ミネラルウオーターなど「総合健康飲料」を展開する同社にとってフォローの風である。

印刷用表示 |テキストサイズ 小 |中 |大 |

日本インタビュ新聞社:提供 

伊藤園のホームページ伊藤園のHP

 「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
このブログは運営のすべてを日本インタビュ新聞社が行っております。