2011年2月23日
決算情報 Media-IR 日本インタビュ新聞社

GMOホスティング&セキュリティ:前10年12月期決算説明会を開催


■ホスティングサービス事業は、ワダックス社をグループ会社化したことで、事業規模が拡大

GMOホスティング&セキュリティホームページ GMOホスティング&セキュリティ<3788>(東マ)は、2月14日にグラントウキョウノースタワーで前10年12月期決算説明会を開催した。
 同社の事業は、前期よりその他サービス事業をソリューションサービス事業と変更したことで、ホスティングサービス事業、セキュリティサービス事業、ソリューションサービス事業の3事業に分けられる。
 まず、同社の主力であるホスティングサービス事業は、最も高付加価値のサービスを提供する専用・マネージドホスティングサービスの単価下落が発生したことから、売上高が減少。その為、営業力の強化・組織体制の見直し、売上の回復を図った。
 一方、低価格帯の共用・VPSホスティングサービスについては、今後の成長が見込めることから、クラウド時代の到来を控え、早期に利用者を囲い込むために「ドメインキング」といった新商品を開発し、初期費用・年間利用料無料等の販促キャンペーンを実施し、多くの会員を獲得した。また、ワダックス社をグループ会社化したことで、売上高は2億6700万円、契約件数は2万4000件増加したことにより事業規模が拡大している。
 OEMについては、売上高が減少したものの、利益面での影響は軽微であった。
 その結果、ホスティングサービス事業の売上高は、61億8400万円(09年比0.3%増)、営業利益8億3500万円(同23.0%減)となった。

■セキュリティサービス事業は、米国・英国各拠点の販売代理店が順調に増加

 セキュリティサービス事業は、認証局グローバルサインを所有していることから、独自の商品開発により、事業の拡大を推進している。
 電子認証サービス「グローバルサイン」は、米国・英国各拠点の販売代理店が順調に増加した。更にドイツ、フランス、ベルギー、オランダといった周辺地域へのアプローチが順調に進んでいる。
 また、販路の拡大のために、新たな言語の直販サイトの開設も行い、フランス語に続きドイツ語を追加している。
 更に、ホスティング事業者向けにホスティングサービス用ソフトウェアと「ワンクリックSSL」と連携する仕組みを開発し、販売代理店の利便性を高めるサービスの提供やクラウドサービスの普及に伴い1つのサーバ証明書で複数台利用できる証明書の提供などの商材拡充を行い、販売が好調であった。
 日本においては、米国食品医薬品局の電子申請に必須となるクライアント証明書「電子署名(S/MIME)用証明書」の提供を開始した。また、国内で唯一となるソフトウェア開発者などの個人向けコードサイニング証明書(様々なソフトウェアにデジタル署名を施せる電子署名用の証明書)の提供を開始するなど電子認証サービスの新しい利用提案を行っている。
 課題としては、地理的拡大に伴い使用する言語も増加し、シンガポールもスタートしたことから、24時間365日間止まることのない体勢となっているため、販売枚数の急増に対応できる一層の業務効率化が迫られている。
 そのような状況の中で、地域別の売上高は、英国343万ポンド(同56.0%増)、米国274万ドル(同57.0%増)、日本9億200万円(同17.0%増)と順調に売上を伸ばした。
 また、10年第4四半期(10月〜12月)に発行されたサーバ証明書発行枚数は、日本6955枚、海外1万4455枚、合計2万1410枚(09年同期比32.4%増)となっている。
 販売代理店数は、10年12月期末時点で日本675社、海外2019社、合計2694社(同34.4%増)。
 営業利益率については、09年の4.1%から12.1%と大幅に伸びている。
 その結果、セキュリティ事業の売上高は、16億9700万円(09年比23.3%増)、営業利益は2億400万円(同363.5%増)と大幅増収増益となった。

■ソリューションサービス事業の売上高は5億3100万円(09年比468.4%増)と急増

 ソリューションサービス事業では、2009年11月に取得したコミュニケーションテレコム、シーエムティによる「WEBコンサルティングサービス」と、GMOスピード翻訳によるスピード翻訳サービスの事業展開を行っている。
 コミュニケーションテレコムでは、中小企業向けにホームページの制作サービスを提供している。また、ウェブ店舗の販売支援として、携帯サイト、集客ツールの構築を行っている。一方で、「あきないクレジット」による支払い支援も実施している。
 スピード翻訳サービスについては、英語、中国語、韓国語等の外国語を翻訳するサービスを24時間体制で受け付けている。知名度のあるポータルサイト、や法人向けポータルサイト等と契約し、サイトから翻訳依頼が出来るようになっている。翻訳者はGMOスピード翻訳社のテストに合格したうえで、同社との契約を結んでいる。
 「現在の市場規模は約2000億円といわれています。そのうちの5%のシェアを確保できたらと思っています。今期中に日本だけでなく、海外でもスタートする計画です。」(代表取締役社長青山満氏)と今期の計画を語った。
 10年12月末現在の会員登録数は、個人9222人、法人・大学857件で合計1万79件。08年からスタートし、3年間で順調に伸びている。
 ソリューションサービス事業の前10年3月期の売上高は5億3100万円(09年比468.4%増)、営業利益712千円(同5137千万円増)であった。
 その結果、同社の10年12月期連結業績は、売上高83億3300万円(09年比9.7%増)、営業利益10億6400万円(同6.7%減)、経常利益10億6900万円(同7.8%減)、純利益6億8100万円(同11.1%増)となった。増収であるが、営業・経常利益が減益となったのは、早期に会員囲い込みを実施したことで、販管費が39億9600万円(09年比16.2%増)と増加したことによる。

■2月7日に包括的なクラウドソリューション「GMOクラウド」を発表

 今期の取組みは、ホスティングサービス事業では、2月7日に包括的なクラウドソリューション「GMOクラウド」を発表している。
 クラウド基盤の導入コンサルティングからシステム設計・構築、運用・監視までを行うエンタープライズ向けのサービス。今期は、従来の中小・中堅企業向けに加え、エンタープライズ向けのクラウド市場へ新規参入する計画。
 セキュリティサービス事業では、世界シェアの拡大を行うために、多言語化の推進、地域パートナーとの提携を実施する。また、海外代理店を更に拡充するため、特許を取得したワンクリックSSL等の利便性を活用すると共に、内部統制関連で新サービスの投入を実施する計画。
 ソリューションサービス事業では、携帯電話向けのサービスを充実する。スマートフォンの販売を行なうと共に、携帯サイトの制作を行う。スピード翻訳サービスでは、一層の会員を獲得すると共に、海外での翻訳事業を開始する。
 以上のことを実施することで、今通期連結業績予想は、売上高97億9100万円(前期比17.5%増)、営業利益11億5600万円(同8.6%増)、経常利益11億5000万円(同7.6%増)、純利益6億3600万円(同6.6%減)を見込む。
 セグメント別の業績予想は、ホスティングサービスの売上高72億3000万円(前期比16.9%増)、営業利益8億4400万円(同1.1%増)、セキュリティサービスの売上高20億700万円(同18.3%増)、営業利益2億4300万円(同19.0%増)、ソリューションサービスの売上高6億700万円(同14.2%増)、営業利益4500万円(同6446%増)を見込んでいる。

>>GMOホスティング&セキュリティのMedia−IR企業情報