2011年05月18日
決算情報 Media-IR 日本インタビュ新聞社

GMOクラウドは今11年12月期第1四半期決算説明会を開催


■売上高は予想を少し下回るものの、利益面では上回るペース

GMOクラウド  GMOクラウド<3788>(東マ)は、5月11日に今11年12月期第1四半期決算説明会を開催した。
 5月9日に発表された第1四半期連結業績は、売上高22億4600万円(前年同期比11.1%増)、営業利益2億5800万円(同0.6%減)、経常利益2億6400万円(同0.4%減)、純利益1億3400万円(同1.1%増)であった。
 第2四半期予想数値に対する進捗率を見ると、売上高46.8%、営業利益51.5%、経常利益53.0%、純利益51.3%とほぼ計画通り。売上高は予想を少し下回るものの、利益面では上回るペースといえる。
 同社の事業は、前期よりその他サービス事業をソリューションサービス事業と変更したことで、ホスティングサービス事業、セキュリティサービス事業、ソリューションサービス事業の3事業に分けられる。

■低価格帯ブランドの訴求効果、ワダックスの子会社化で売上・件数とも増加

 決算のポイントを事業別に見ると、ホスティングサービス事業については、共用ホスティングサービスで、昨年立ち上げた低価格帯ブランドの訴求効果、ワダックスのグループ会社化により売上・件数ともに増加している。売上高は前年同期比で20.2%増、契約件数も同55.5%増と大幅に増えている。
 専用・マネージドホスティングサービスも堅調に推移している。売上高は前年同期比14.5%増、契約件数も同16.1%増となっている。
 2月にはプライベートクラウド「GMOクラウド」、4月にはバーチャルプライベートクラウド「IQcloud」、パブリッククラウド「GMOクラウドPublic」の提供を開始した。
 セキュリティサービス事業も売上高、営業利益共に順調に推移している。売上高は前年同期比15.6%増、営業利益は同46.9%増、販売代理店は2984件(同39.6%増)となっている。
 ソリューショ.ンサービス事業は、営業所が仙台にあるため震災の影響を受け販売が減少した。「ピンチをチャンスと捉え、スタッフの半分を新潟、山形に向け、新規顧客の開拓に注力します」(代表取締役社長青山満氏)と突発的な出来事にも柔軟な対応を行っている。売上高は前四半期比5.2%減、営業利益は同約1400万円減となった。一方、スピード翻訳サービスは会員数が順調に増加し、会員数1万2454件(前年同期比79.7%増)と大幅増。更に、スマートフォン向けサービスが順調に推移している。
 セグメント別の売上高、営業利益は、ホスティングサービス16億9400万円(同10.7%増)、2億800万円(同6.0%減)、セキュリティサービス4億5500万円(同15.6%増)、5900万円(同46.9%増)、ソリューションサービス1億2700万円(同9.9%増)、△1400万円。

■パブリック、プライベート共に会員数を増やすように営業力を強化

 今11年12月期連結業績予想は、売上高97億9100万円(前期比17.5%増)、営業利益11億5600万円(同8.6%増)、経常利益11億5000万円(同7.6%増)、純利益6億3600万円(同6.6%減)を見込んでいる。
 通期のセグメント別の売上高、営業利益予想は、ホスティング事業72億3000万円(同16.9%増)、8億4400万円(同1.1%増)、セキュリティ事業20億700万円(同18.3%増)、2億4300万円(同19.0%増)、ソリューション事業6億700万円(同14.2%増)、4500万円(同6346%増)を見込んでいる。ホスティング事業の営業利益の伸びが低いのは、クラウドへの投資で販管費がかかることによる。収益が本格化するのは来期より。
 事業別の概況については、ホスティングサービス事業の共用・ VPSホスティングサービスは、低価格ブランド「ロケットネット」、「DOMAINKING(ドメインキング)」の会員数が増加している。またワダックス社を子会社化したことにより、売上高、利益共に拡大している。
 専用・マネージドホスティングサービス事業は、先述しているようにクラウドの提供を開始し、パブリック、プライベート共に会員数を増やすように営業力を強化し、組織体制の見直しを実施している。「下半期には大きな売上につなげたい」(代表取締役社長青山満氏)と今後の売上拡大に期待。

■特許を取得した第2世代ワンクリックSSLのAWS版を共同開発

 セキュリティサービス事業については、地理的拡大、販路拡大、利便性の高い商材の提供と3つの施策に取り組んでいる。
 地理的拡大のために、既に、英国、米国、シンガポールに拠点を設け、欧米諸国、東南アジアに向けたアプローチが順調に進んでいる。
 また、ワンクリックSSLの導入によりパートナー(販売代理店)が拡大したことで、販路の拡大が進んでいる。今後もパートナーのサポートの拡充に努める。
 更に、日本情報処理開発協会向けの「JCAN認証局」と「JCANビジネス証明書サービス」の提供を開始。特許を取得した第2世代ワンクリックSSLのAWS(アマゾンウェブサービス)版をアイレット社と共同開発し、提供している。クラウドサービスに向けたサービスとしては、1サーバ証明書で複数台利用が可能な証明書を提供している。以上のように、利便性の高い商材を次々と開発している。
 現在の課題としては、毎日24時間ノンストップで活動しているため、販売枚数が急増し、業務の効率化が迫られている。また、多言語が使えるように対応する必要もある。

■今第1四半期末現在のSSLサーバ証明書発行枚数は前年同期比48.0%増と順調

 今第1四半期末現在のSSLサーバ証明書発行枚数は、日本7,462枚、海外18,242枚で前年同期比48.0%増と順調に発行枚数が伸びている。販売代理店数も順調に伸びている。日本685社、海外2,299社と前年同期比39.6%増とこちらも大幅に増えている。
 ソリューションサービス事業は、企業のIT化を支援するコミュニケーションテレコム、シーエムティとスピード翻訳サービスをするGMОスピード翻訳の3社がある。
 コミュニケーションテレコム、シーエムティは、ホームページの製作支援、OA機器、スマートフォンの販売等を行っている。また、スマートフォンに対応した電子ブック配信ソリューション、携帯サイト販売も行っている。
 スピード翻訳サービスは、各ポータルサイトとの連携により、知名度が向上している。そのため、会員数は順調に増えている。第1四半期末の会員数は、個人11,376人、法人・大学1,078件。前年同期比79.7%増と急増している。日本での翻訳の市場規模は2000億円であることから、今後の成長が期待されている。

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