2011年05月23日
決算情報 Media-IR 日本インタビュ新聞社

ぱど:東京証券会館のJQプラザで前11年3月期決説明会を開催


■東日本大震災の影響により、キャンセル、失注が発生

ぱどホームページ 無料情報誌のぱど<4833>(JQG)は、5月20日に東京証券会館のJQプラザで前11年3月期決説明会を開催した。
 11年3月期連結業績は、売上高8,245百万円(10年3月期比5.6%減)、営業利益△184百万円(10年3月期112百万円)、経常利益△172百万円(同124百万円)、純利益△267百万円(同9500百万円)と減収減益で赤字転落となった。
 主力の情報誌事業では、顧客の広告予算縮小による単価の減少が影響した。また、3月11日に発生した東日本大震災の影響で、大口顧客の失注も響いた。
 四半期毎の売上高、経常利益の推移を見ると、第1四半期2,089百万円、△20百万円、第2四半期2,033百万円、△24百万円、第3四半期2,098百万円、△67百万円、第4四半期2,024百万円、△60百万円であった。
 第4四半期は黒字確保できると見ていた。事実かなり受注が入っていたが、東日本大震災の影響により、キャンセル、失注が発生し、営業活動に大きな打撃を受けた。
 セグメント別の売上高は、情報誌関連5,761百万円(10年3月期比4.5%減)、配布関連955百万円(同17.1%減)、FC関連274百万円(同9.6%減)、営業支援関連717百万円(同9.2%増)、メディア事業のその他事業259百万円(同9.8%減)、その他事業276百万円(同8.3%減)と営業支援関連を除き全セグメントが減収となった。
 情報誌関連は、発行媒体のキャンセルが発生し、減収となった。配布関連は、ぱどめーるが落ち込んだ。特に保険等の大口が落ちたのが響いた。
 唯一増収となった営業支援関連は、IT、Web関連を利用したメディアミックスによる集客提案が評価された。

■「ぱどポ」サービス会員約13万人、加盟店1700店と順調に拡大

 前期のトピックスは、1月に、読者モニターの意見も取り入れながら、「ぱど」誌面のリニューアルを行った。特に主婦にアピールする誌面づくりを行ったことから反響はアップしてきている。
 同じく1月に「立川ECCO!!」を創刊。ターゲットは、立川駅周辺で働く20代女性。即時性、鮮度に優位性をもつWebメディアとの役割分担を明確にし、情報誌ならではの内容充実を図っている。
 3月には横浜市全域、埼玉県一部、大阪府泉州地域において、「ぱどポ」サービスの試験運用を開始した。7月に東京、仙台、福岡で本格稼動して以降、既存のぱど事業展開地域において、順次拡大を進めている。11年3月期末現在の会員約13万人、加盟店1700店と順調に拡大している。
 8月にはクーポン共同購入サイト「CooPa(クーパ)」をオープンし、東京エリアよりサービスを開始。12月には220サイトもあるフラッシュマーケティングで勝ち残るために、合弁会社CooPaを設立し、クーポン共同購入サイトの中でも、ぱど事業のインフラと営業力を活かし、主婦に喜ばれる米や野菜などの食品や、ご当地の優良品を提供している。

■仙台ぱどでWeb臨時開店情報のページを立上げる 震災後いち早く活動を開始

 前期は、第3四半期まで、赤字であった。第4四半期で利益を確保し、黒字化を計画していたが、大震災の影響で第4四半期も赤字となった。「仙台ぱどでは、震災発生後の3月18日に58ページを発行する予定で、千葉の成田工場で印刷しようとしていましたが、電気が来なくなり、工場の印刷はストップしました。交通インフラも遮断された状態であったので発行を取り止めました」(代表取締役社長倉橋 泰氏)とそのころを振り返った。
 その様な状況の中で、「震災の復興は、まず経済の復興からだと信じ、仙台ぱどでWeb臨時開店情報のページを立上げ、顧客の中で、営業をしているところを探し、『今すぐ使える営業情報』として650店舗の情報を無料でネットに掲載しました。また、4月1日には、A4サイズ1枚の臨時号を20万枚刷って配布しました。さらに、仙台版「ぱど」を4月15日号から再開しました。他の媒体が出していないときに、情報を欲しがっている人達に積極的に情報を届けたことで、好意的に受け取られました。赤字覚悟で発行しましたが、11百万円の売上高を確保する等意外な好結果となりました」(代表取締役社長倉橋 泰氏)と震災後いち早く活動を開始したことを紹介した。
 一方で、人員の3分の2を残し、関東に異動させ、損益分岐点を下げる等利益確保に向けた動きも開始している。

■今期は、発行原価管理や掲載割り付けの管理を徹底し、収益率のアップを目指す

 今期の取組は、計画停電の可能性もあることから、メール配信機能を使って顧客に随時情報発信できる「ぱど商売名人プラス」を積極的に販売する方針。
 更に、より収益を確保するために、ローコストな経営体質を確立する計画。そのために、隔週刊から月刊への発行サイクルを見直し、エリア再編を進める。また、よりターゲットを絞り、紙ならではの情報を提供する。更に、発行原価管理や掲載割り付けの管理を徹底し、収益率のアップを実現する。一方で、固定費等コスト削減を積極的に進める。
 販売方法としては、誌面とITのセット販売を推進していく。
 その結果、今12年3月期連結業績は、売上高8,600百万円(前期比4.3%増)、営業利益30百万円、経常利益30百万円、純利益20百万円と増収増益で黒字転換を見込む。

>>ぱどのMedia−IR企業情報