2011年06月03日
決算情報 Media-IR 日本インタビュ新聞社

国際計測器は過去最高の売上を達成しV字回復


■年間配当35円と25円の増配を実施

国際計測器のホームページ バランシングマシンの国際計測器<7722>(JQS)は、5月31日にみずほ証券本社で前11年3月期決算説明会を開催した。
 同社は、08年のリーマン・ショックの影響を受け、09年、10年と2期連続で減収減益となったが、前期は自動車産業の回復もあり、過去最高の売上を達成し、V字回復を果たしている。
 前11年3月期連結業績は、売上高10,758百万円(前年度比95.5%増)、営業利益1,843百万円(同10.98倍)、経常利益1,616百万円(同18.16倍)、純利益1,012百万円(前年度△31百万円)と大幅増収増益で黒字転換。
 好業績であったことから、期末配当の上方修正を発表し、年間配当35円(同10円)と25円の増配を実施。
 同社の事業内容は、バランシンマシン、シャフト歪自動矯正機、電気サーボモータ各種振動試験機、動電型振動試験機、地震計測システム等の製造販売である。
 グループ企業には、KOKUSAI INC.(米国子会社)、KOREA KOKUSAI CO.LTD.(韓国子会社)、高技国際計測器(上海)有限公司(中国子会社)、東伸工業(日本子会社)の4社がある。

■タイヤ関連売上高は5,443百万円(前年度比2.26倍)

 前期の分野別の売上高は、タイヤ関連5,443百万円(前年度比2.26倍)、自動車部品関連775百万円(26.0%増)、IT関連343百万円(同47.2%増)、シャフト歪自動矯正機550百万円(同2.40倍)、電機サーボモータ式試験機1,067百万円(同2.39倍)、その他1,685百万円(同2.68倍)、東伸工業892百万円(同4.5%減)であった。
 地域別売上高は、日本4,046百万円(同69.1%増)、米国460百万円(同49.8%増)、アジア6,006百万円(同2.22倍)、その他246百万円(同2.46倍)と全ての地域で大幅増収となった。
 財務面を見ると、流動資産9,288百万円(同2,748百万円増)、固定資産4,267百万円(同130百万円減)、流動負債5,150百万円(同1,576百万円増)、固定負債2,061百万円(同470百万円増)、純資産6,343百万円(同570百万円増)となっている。
 流動資産は、前第4四半期に売上が集中したことにより、受取手形及び売掛金が増加したことに加え、受注の増加に伴い仕入れ品が増加したことで大幅に増加した。
 固定資産については、長期性預金を流動資産に振替えたことと、のれんの償却により減少した。
 流動負債については、受注回復により仕入れが増加したことで、支払手形、買掛金が増加したことに加え、収益が改善したことで、未払い法人税が増加したため大幅な増加となった。
 固定負債は、長期借入金が増加したことで増えている。
 純資産は、好業績により、大幅最終増益となり、利益剰余金が増加したことで増えている。
 純資産の伸びより、総資産の伸びが大きかったことで、自己資本比率は46.6%と6.0ポイントダウンしたが、V字回復の影響であり、財務体質は健全。

■期末の総受注残高は6,365百万円(同19.6%増)と大幅増

 前期末の分野別受注残高は、バランシングマシン4,835百万円(同22.3%増)、電気サーボモータ式振動試験装置684百万円(同14.6%減)、材料試験機(東伸工業)200百万円(同3.05倍)、シャフト歪自動矯正機537百万円(同39.7%増)、その他107百万円(同8.6%減)で、期末の総受注残高は6,365百万円(同19.6%増)と大幅増。「今期売上高予想は110億円としていますが、リーマン・ショックの影響が残っているのか、少し弱気の数字と思えます。」(代表取締役社長松本繁氏)と期末の受注残が前年より10億円強増えていることから手応えを感じている。
 今通期連結業績予想は、売上高11,000百万円(前期比2.2%増)、営業利益2,000百万円(同8.5%増)、経常利益1,950百万円(同20.6%増)、純利益1,170百万円(同15.5%増)と増収増益を見込む。

■売上拡大の牽引役は、電気サーボモータ式振動試験装置

 また、今期を初年度とする5カ年計画を発表している。売上高の予想は、13年3月11,500百万円、14年3月12,000百万円、15年3月13,000百万円、16年3月14,000百万円としている。
 売上拡大の牽引役は、電気サーボモータ式振動試験装置、10年より本格的に受注を開始している。これまでの受注実績は、10年9億円、11年10億円であるが、今12年15億円、13年20億円、14年30億円と3年で倍増すると見込んでいる。
 決算説明会の後半は、世界初の電気サーボを使った実路走行試験シミュレーションが可能な「フラットベルトシャーシダイナモメータ」、EV用リチウムイオンバッテリー・カーエレクトロニクス用品向け「3軸同時振動試験装置」、「水平衝撃試験装置」、既に自動車メーカが導入している車載型「3軸同時振動試験装置」、縦3m×横6mといった大型エアコンディショナーでも振動試験が可能な「鉄道車両用品向け振動試験装置」、前期に導入された「鉄道車両用軸受耐久試験機」、10tの構造物、事務機を乗せて加振できる「耐震シミュレーション用3軸振動試験装置」、EV用などの車体に採用される高張力鋼板の高精度な材料モデルを作成するために必要な「2軸引張試験機」の説明が行われた。
 いずれの製品も電気サーボを使った今までに無い画期的な試験機であることから、国内はもとより、海外でも注目を浴びている。中には既に大手メーカで採用しているところもあり、今後の売上拡大が予想される。

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