2008年8月
近況リポート Media-IR 日本インタビュ新聞社

国際計測器 電気サーボモーター式加振システム採用への流れできつつある


 国際計測器<7722>(JQ)は、上場以来最高益更新を継続していたが、前期は減収減益となった。その要因のひとつは、売上の核である自動車関連のタイヤバランシングマシーンに次ぐ、第2の売上の柱となる電気サーボモーター式の加振システム開発のために、技術者を集中したことで、バランシングマシーンの生産が遅れたことが挙げられている。

 8月12日に09年3月期第1四半期の連結業績を発表しているが、売上高18億8800万円(前年同期比86.9%増)、経常利益3500万円(前年同期は1億7400万円の損失)、最終利益4600万円(同1億8400万円の損失)と大幅増収、経常・最終利益黒字化となった。大幅増収の最大の要因は、前期M&Aを実施した東伸工業の約5億の売上が加わったためである。

 売上の主力であるバランシングマシーンは、計画通りに伸びている。中国は前期がピークで今期は前期ほどの売上を期待することは出来ないが、その代わり東南アジアの売上が伸びている。特にインドのタタ自動車から9000万円のタイヤバランサーと同国のタイヤメーカーから3億6000万円受注している。また、米国もサブプライムローンの影響で前期は自動車関連の設備投資は一切伸びなかったが、今期は順調な受注が確保されているもよう。また、国内では、トップクラスのタイヤメーカーが、研究開発用にタイヤ計測機器を発注するなど、今期の業績は第2四半期以降も順調といえそうである。

 注目の電気サーボモーター式加振システムの第1四半期売上高は4000万円、受注は1億円であったが、今月と来月のうちに受注が確定し、秋の中間決算説明会の場では電気サーボモーターに関する話が詳しく聞けそうである。8月現在で、受注残6億円であることから、当初予想通り今期10億円の売上計画は達成できそう。しかも、その納入対象企業が自動車メーカーだけでなく、家電・事務機・薬品関連メーカー等と当初予想していなかった事業領域までに用途が広がっている。

 中でも、家電メーカーが必要としているのが、家電を梱包輸送する際の振動のデータと地震発生時の家電が引き起こす2次災害のデータである。同社の電気サーボモーター式であれば、油圧式と違い環境面で優れている上に、スペースも騒音も少なくて済む。また、事務機器・薬品メーカーからのニーズも強く、今後電気サーボモーター式の加振システム採用への流れができつつある。

 今期連結業績予想は売上高125億円(前期比20.9%増)、経常利益30億円(同42.9%増)、純利益18億円(同43.7%増)と大幅な増収増益を見込み、最高益更新の再スタートが予想される。

>>国際計測器のIR企業情報

提供 日本インタビュ新聞 Media-IR 2008.08 |特集