2008年9月
決算情報 Media-IR 日本インタビュ新聞社

綜合臨床ホールディングス 4年間攻めの経営で事業拡大に成功


綜合臨床ホールディングスのホームページ 綜合臨床ホールディングス<2399>(東マ)の08年7月期連結業績は9月11日に発表されている。売上高41億1000万円(前々期比31.5%増)、経常利益3億7100万円(同42.3%増)、純利益2900万円(同70.6%減)と大幅増収であったものの最終利益は分社化による税負担増の影響で大幅減益。
 同社は治験施設支援機関(SMO)業務の大手で、04年上場以来、提携医療機関1600のネットワーク作りを行うために積極的にM&Aを行い、日本臨床(現あすも臨床)、ベルテール、ハイクリップス、トライアルサポート4社を子会社化している。綜合臨床薬理研究所とエビデンスセンターを加えると6社になり、事業の運営を効率的に実施するために07年より持株会社体制に移行している。

 これまでの売上高推移を見ると04年22億2200万円、05年22億5000万円、06年29億5800万円、07年31億2600万円、08年41億1000万円と4年間で約85%増の売上高を実現。一方、事業拡大のための設備投資費用も嵩んだため自己資本比率は57.7%(07年7月期)から47.0%(08年7月期)となったものの、ROAは4.13%(07年7月期)から4.79%(08年7月期)と改善している。受注残も06年41億9200万円、07年61億1000万円、08年75億6400万円と順調に伸びている。営業キャッシュフローも06年3億4000万円、07年4億9000万円、08年7億3000万円と急増している。

 今期のグループ経営方針として、CRC(治験の支援)業務の効率化推進のため、拠点を見直し統合できるところは統合してCRCの適正な配置を行う。また、現在3名体制で行っている共同受注の組織、人員体制を強化するとともに施設の共同運用を進め、グループ力を結集して攻めの活動を実施する。更にホールディング主導によるグループ管理体制の強化とSOGOアカデミーを中心とした人材の育成に努めるなど現在の事業をより効率的に推進していく一方で、新規事業として、大規模臨床研究事業、エビデンス(臨床的・学術的証拠)食品事業に注力していく方針。
 先述しているように上場以来事業規模の拡大を目指し、積極的なM&Aを実施し、しかも業績が順調に伸びていることで、事業基盤は磐石となっているが、これまで陣頭で指揮を振るってきた代表取締役社長庄司孝氏は取締役相談役となり、10月23日より立川憲之氏が新社長に就任する予定。4年間攻めの経営で事業規模の拡大に成功しているが、更にステップアップするためには社内管理体制を再度、磐石にする必要があるとの判断からJALにおいて管理部門経験のある立川氏が昇格することになった。

 今09年7月期連結業績予想は、売上高50億円(前期比21.6%増)、経常利益5億8000万円(同56.3%増)、純利益2億5000万円(同762.1%増)、1株利益2320円40銭(前期は275円90銭)と売上高、経常利益、純利益、1株利益ともに過去最高を更新する見込み。受注残高が大きく伸びていることからこの数字は堅いものと思われる。
 しかし、株価は市場全体の影響を受け、最安値圏にある。9月12日には自社株買いも発表。今後業績を反映し、反騰することが予想される。

提供 日本インタビュ新聞 Media-IR 2008.10 |特集