2010年11月16日
決算情報 Media-IR 日本インタビュ新聞社

エフティコミュ:第2四半期累計は増収ながら営業・経常減益だが最終は大幅増益


■販管費が52億4百万円と前年同期比で12億13百万円増加

エフティコミュニケーションズのHP 企業のトータルファシリティを提供するエフティコミュニケーションズ<2763>(JQS)の今11年3月期第2四半期連結累計業績は、売上高194億57百万円(前年同期比11.9%増)、営業利益2億15百万円(同20.7%減)、経常利益2億26百万円(同19.3%減)、純利益1億36百万円(同30.5%増)と増収ながら営業利益、経常利益は減益。しかし、最終利益は大幅増益となった。
 2ケタ増収でありながら営業利益が20%超も減益となった要因は、販売費及び一般管理費が52億4百万円と前年同期比で12億13百万円増加したことによる。最終利益が大幅増益となった要因は、貸倒引当金戻入額37百万円を特別利益として計上し、前期あった投資有価証券評価損が激減したため。

■今期よりセグメントの変更により、法人・コンシューマ・マーキングサプライの3事業に

 今期よりセグメントの変更があり、法人事業、コンシューマ事業、マーキングサプライ事業の3に分けられている。
 法人事業は、ソリューション事業(ビジネスホン、複合機、回線ネットワーク等の販売)、法人NW事業(ソフトバンク法人携帯、回線ネットワーク等の販売)、インターネットサービス事業(ISP、Webサイト制作等)、パートナー事業(法人事業取り扱い商材の代理店展開、卸販売)の4事業からなる。
 コンシューマ事業は、ブロードバンド事業(固定ブロードバンド回線取次販売)、モバイル事業(ドコモショップの運営及び法人営業)の2事業。
 マーキングサプライ事業は、マーキングサプライ事業(プリンタ印字廻りの消耗品を中心としたOAサプライ品の販売)、その他事業(環境関連商品、ファニチャー、ファシリティ総合サービス)の2つからなっている。

■ブロードバンド事業の販売回線は3万795回線(前年同期比2.64倍)、ISPも2万8609件(同3.3倍)

 まず、法人事業のビジネスホンの販売台数は、前年同期比0.9%と微増であったが、売上高は7.9%増となった。複合機の販売台数はシャープ製複合機を中心に大幅に台数を伸ばし、販売台数1971台(前年同期比12.5%増)、Webサイト制作数は280サイト(前年同期比35.5%増)、法人携帯電話販売台数1万451台(同89.6%増)と人員の増員と販売拠点の拡大に伴い好調。
 コンシューマ事業は、ブロードバンド事業の販売回線は大幅に伸び、3万795回線(前年同期比2.64倍)、ISPも2万8609件(同3.3倍)と組織規模の拡大により大幅に伸びている。一方のモバイル事業のドコモ携帯電話販売台数は8217台(同1.3%増)であった。

■3事業の業績を見ると、多くの部門で急成長

 マーキングサプライ事業は、安定した販売数量は確保したものの、市場価格の下落により売上金額ベースでは伸び悩む。売上高は83億27百万円(同7.6%減)。その他の事業では、環境関連のLED照明は卸売の商談件数では堅調に推移するもののユーザーへの本格導入までに時間を要している。また、太陽光発電システムの販売も開始している。一方、中国で製造するオーダーメイド家具の受注は好調である。その結果、その他の売上高は15億6900万円(同70.54%増)と大幅増収となっている。
 3事業の業績を見ると、前年同期と比較し、減収、横ばい、微増のところもあるが、多くの部門で急成長している。その背景には、今年2月に5コールセンター(花巻、盛岡、山形、仙台、大宮)を取得したことに加え、法人事業の新卒採用強化により社員数が前年度末比187名増となっていることが挙げられる。新卒社員を増やすと共に、社員教育を徹底して行うことで、営業力がアップし、売上規模の拡大につながっている。
 今後の取組としては、ストック商材の開発・販売すると共に粗利拡大に向けた取組を実施し、一方で、既存事業におけるマーケットシェアを拡大していく。また、事業の拡大のために欠かせない、人材の定着、幹部社員の育成を行っていくとしている。

■第2四半期業績(7月〜9月)は利益面で大幅に回復

 今通期連結業績予想は、売上高4百億円(前期比6.0%増)、営業利益10億円(同37.1%増)、経常利益9億50百万円(同24.7%増)、純利益5億20百万円(同33.6%増)と増収大幅増益を見込んでいる。
 進捗率を見ると、売上高48.6%、営業利益21.5%、経常利益23.8%、純利益26.3%となっている。売上高はともかく、利益面で進捗率が低水準である。今通期業績予想の未達の可能性が高いように見える。
 ところが、第1四半期(4月〜6月)の業績は、売上高96億59百万円、営業利益△31百万円、経常利益△19百万円、純利益△51百万円と赤字であるのに対し、第2四半期(7月〜9月)は、売上高97億97百万円、営業利益2億46百万円、経常利益2億46百万円、純利益1億88百万円と黒字化していて、利益面で大幅に回復している。
 通期連結業績の純利益予想は、5億20百万円だが、第2四半期の純利益を3倍すると5億64百万円であることから、今通期連結業績予想の数値を超える。第2四半期の進捗率は低水準であるが、第2四半期業績が改善したことから今通期連結業績予想数値の達成が予想される。

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