2010年10月21日
決算情報 Media-IR 日本インタビュ新聞社

パシフィックネットは第1四半期連結業績を発表


■仕入れ商品の多くが再リースで、販売価格が低下し、原価率がアップ

パシフィックネット 中古パソコンの買取・販売を行なうパシフィックネット<3021>(東マ)は、10月15日に今11年5月期第1四半期連結業績を発表した。
 今期より初めての連結業績となるため、前期の単体と比較すると、売上高8億4800万円(前単体同期比3.6%増)、営業利益△3000万円(前単体同期4700万円)、経常利益△2700万円(同4600万円)、純利益△3900万円(同2200万円)と増収ながら大幅減益で赤字となった。
 増収ながら大幅減益となった要因は、原価率が52.2%と7.9ポイント上昇したことによる。仕入れた商品の多くが再リースであり、年代の古いものが増えたため、販売価格が低下し、原価率がアップした。更に、販管費も、東京テクニカルセンターの移転、大阪日本橋3号店のオープンにより、移転費用、店舗費用、人件費が嵩み対前年同期比で約2800万円増の4億3500万円となり、営業利益段階で赤字となった。

■折からの円高の影響を受け、中古業者への売上は伸び悩む

 また、同社の売上のおよそ50%が海外に販売する中古業者向けであることから、折からの円高の影響を受け、中古業者への売上も伸び悩んだ。一方、直営店、ネットショップの売上は順調。人気の商材を集めきれなかったが、対前年同期比で売上高は8〜9%伸びた。その結果、引取回収・販売事業の売上高は6億9700万円、営業利益△5800万円であった。
 レンタル事業は、景気後退にもかかわらず一般法人向けレンタルが好調で、売上高1億5000万円、営業利益2800万円となった。

■毎年第2四半期(9月〜11月)は売上が拡大傾向

 仕入れ商品の陳腐化により、第1四半期は増収ながら赤字という結果であったが、対抗策として、法人向けの仕入れ強化に努め、現在は新品の出荷が増えている。また、新品パソコンへのWindowsXPバンドルサービスが終了し、同OSが搭載されたパソコンの購入手段は中古市場のみとなる。一方、中古PCに搭載できるWindowsXPのサポート期限は2014年まであるため、XPユーザーによる中古需要が高まってくると思われる。更に、企業も新年度予算を実行する時期にあることから同社にとっては、毎年第2四半期(9月〜11月)は売上が拡大する傾向にある。

■子会社のアールモバイルは、初年度で中古携帯1万5000本の販売を目標

 7月30日に光通信<9435>(東1)と事業提携し、中古携帯、中古パソコンの買取・再生・販売を行なう目的で、合弁会社アールモバイルを設立している。出資比率は、同社51%、光通信49%。アールモバイルは同社の連結対象となる。
 光通信は、全国の販売網を通じて携帯電話、OA機器等を販売しているが、同社と業務提携したことで、中古携帯電話、OA機器等のデータ消去、再生が可能となることから、中古市場に進出し、同社とのシナジー効果によりビジネスの拡大を目指している。
 9月よりアールモバイルは中古携帯の販売を開始している。初年度の販売目標は、中古携帯1万5000本。現在の売れ筋価格は1本7000円〜8000円であるが、今後アイフォン、スマートフォンが出てくると1万円以上が見込める。
 今通期連結業績予想は、売上高37億8100万円、営業利益1億5700万円、経常利益1億6000万円、純利益6400万円を見込むとしている。
 同社では、アールモバイルを立ち上げたばかりで、事業動向判断するには時期尚早と思われることからか、今期連結業績にアールモバイルの業績を見込んでいない。しかし、9月より売上が出てきていることから、今期9ヶ月間の業績が加わるため今期連結業績予想の売上の上方修正は確実と思われる。

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提供 日本インタビュ新聞 Media-IR 2010.10 |特集