2010年06月02日
決算情報 Media-IR 日本インタビュ新聞社

サンコーテクノの最終利益は特別損失減少で大幅増益、黒字転換


【取締役副社長洞下英人氏:前期業績と今期の取組を語る】

■前期は、後半にかけて耐震工事が増えてきたことから黒字を達成


サンコーテクノのHP アンカー業界でトップのサンコーテクノ<3435>(JQ)は、28日に兜町平和ビルで、前10年3月期決算説明会を開催した。
 前期連結業績は、売上高131億4300万円(09年3月期比11.6%減)、営業利益1億7500万円(同33.8%減)、経常利益1億7500万円(同44.4%減)、純利益1億500万円(09年3月期△3100万円)と売上高、営業利益、経常利益は減少した。最終利益は特別損失が減少したことから大幅増益となり、黒字転換となった。
 「前期は工事が少なくて上半期は低迷しましたが、後半にかけて耐震工事が増えてきたことから黒字を達成することが出来ました。当社もリーマンショックの影響で、業績が落ち込んだことから、苦境を乗り切るには改革が必要と判断し、これまでの組織を変更して事業部制を導入しました」と取締役副社長洞下英人氏は前期を振り返った。
 ファスニング事業、D&D事業、リニューアル事業の3事業に分けて、事業毎に権限を委譲。ビジネスチャンスを拡大するために決断のスピード化を図り、成長性と収益の回復に努めた。
 また、エンドユーザーの声をくみ取るために、マーケティング部を創設し、2400件の顧客のリサーチを実施。ユーザーの声を反映した新製品の開発に努めた。
 更にホームページの見直しを行い、製品情報・技術資料を充実させ、会員・顧客へのサービスを向上させるなど、Webの強化に努めた。その結果1年間で登録会員は5700名まで増えている。
 売上を伸ばしたリニューアル事業部も更に強化するために、南流山事業所を開設し、関東地区の営業を強化した。西日本地区は広島事業所の開設と大阪支店の移転により営業の強化を図った。

■新製品は、前期1億円の売上を達成

 前期発売された新製品は、アンカー打込機、テクノスターAT−200、サイズミックコアドリル、集塵ドリルの4機種。
 アンカー打込機は、打撃音が出ないうえに、これまでアンカーが打込にくい場所でも簡単に打込めるのが特徴。打撃音が出ないことから、サイレント工法で使用されている。
 テクノテスターAT−200は、引張試験機。これまでの試験機(AT−30)は2人から3人の人手が必要であったが、同社の新製品は軽量であることから1人でも計測出来るため人気がある。
 サイズミックコアドリルは、低騒音・低振動であることからサイレント工法で使用されている。居ながら施工が可能であり、学校や病院の耐震工事現場等でも重宝されている。
 集塵ドリルは、粉塵が周りに出ないことから、現場労働者の健康面での安全・安心に応えている。
 これらの新製品は、新設されたマーケティング部が現場の声をくみ取り、エンドユーザーの要望を反映していることから好評で、前期1億円の売上を達成している。

■自己資本比率は47.4%と0.9ポイント改善

 事業部毎の売上高、粗利は、ファスニング事業80億4400万円(同13.0%減)、24億4800万円(同10.5%減)、D&D事業20億2600万円(同24.7%減)、5億8300万円(同28.8%減)、リニューアル事業28億7900万円(同11.4%増)、6億4600万円(同4.0%増)、新事業(基板事業等)3億5400万円(同25.7%減)、5300万円(同43.6%減)。
 また、経営資源の有効活用の観点から販管費の削減を実施し、35億4100万円(同11.6%減)となった。その内訳は、運賃3億700万円(同17.5%減)、貸倒引当金繰入額8600万円(同152.9%増)、人件費21億1300万円(同10.4%減)、減価償却費8700万円(同1.1%減)、その他9億4600万円(同18.0%減)。
 「特に人件費は賞与等の見直しを行いましたが、リストラは一斉行いませんでした。企業は人ですから、人財育成に努めました」(洞下英人副社長)と語っている。
 貸借対照表を見ると、流動負債は短期借入金が1億8300万円増加したこと等から55億3900万(同2億9700万円増)。固定負債は長期借入金を2億7500万円返済したこと等から13億6800万円(同4億300万円減)となっている。純資産合計は64億9000万円(同800万円減)。従って、自己資本比率は47.4%と0.9ポイント改善している。

■センサー事業部を立上げ、アルコール測定器を全国の運送会社、タクシー会社などに販売していく方針

 同日に新・中期経営ビジョン(10年から14年)である「安全・安心・環境をキーワードに事業領域を拡大し200億円企業となる」と3カ年計画を発表している。
 説明会の最後に、今期の新製品である業務用アルコール測定器、あと基礎アンカーについて説明があった。
 11年4月より事業用自動車(緑ナンバー)のドライバーはアルコール測定が義務化される。同社では、今期より新たにセンサー事業部を立上げ、アルコール測定器を全国の運送会社、タクシー会社などに販売していく方針。また、ガス会社にはCO測定器を販売していく。
 あと基礎アンカーは、太陽光発電の架台用取り付けアンカーである。3月に東京ビッグサイトで開催された第1回太陽光発電システム施工展に出展したところ、思わぬ反響の大きさに、驚いている。「5月後半から販売を開始しています。これまで2000個以上の受注が決まっています。このアンカーはアンカー屋が作ったアンカーで、品質には自信を持っています。今期期待できる製品です」と洞下英人副社長は語った。
 今期11年3月期連結業績予想は、売上高143億円(前期比8.8%増)、営業利益3億300万円(同73.1%増)、経常利益2億3800万円(同35.6%増)で、増収増益となる見込みだ。