2011年11月16日
決算情報 Media-IR 日本インタビュ新聞社

生化学工業:第2四半期連結業績は微減収ながら大幅増益


■大手町サンケイプラザで決算説明会を開催

生化学工業のHP 生化学工業<4548>(東1)は11日、今12年3月期第2四半期連結決算の説明会を大手町サンケイプラザで開催した。
 代表取締役社長水谷建氏は、第2四半期業績、通期業績予想等について詳しく説明を行った。
 第2四半期連結業績の売上高は、137億95百万円(前年同期比0.6%減)、営業利益32億13百万円(同78.6%増)、経常利益31億83百万円(同85.4%増)、純利益21億9百万円(同79.1%増)、研究開発費24億22百万円(同30.5%減)、1株当たり純利益37円13銭(同16円39銭増)と微減収ながら、大幅増益となった。
 売上高の内訳は、医薬品109億81百万円(同73百万円減)、機能化学品28億14百万円(同13百万円減)であった。

■国内のアルツの市場拡大率は低下したが、市場シェアは増加

 医薬品の国内の売上高は、全般的に震災の影響を受け、前年同期比で93百万円の減収となった。アルツ(ヒアルロン酸を主成分とする関節機能改善剤)は市場拡大率は低下したが、市場シェアは増加した。前期の売上高が高水準であったことから、今期はその反動により横ばいとなった。オペガン(ヒアルロン酸を主成分とする白内障手術の補助剤)は、停電懸念で、手術件数が減少したことに加え、競合激化もあり減収であった。ムコアップ(ヒアルロン酸を主成分とする内視鏡用粘膜下注入材)は、手術器具類の供給不足の影響を受けたが、在庫確保のため増収となった。
 海外は売上高が20百万円増加した。米国は、現地販売は前期並みを確保した。輸出本数は増加したものの、円高の影響で減収となった。その他の国については、中国の現地販売は引き続き好調であった。EU向けが前期からの出荷の時期ずれにより増加した。
 機能化学品については、試薬・診断薬は円高や国内売上の減少により、前年同期比で55百万円の減収であった。医薬品原体は、ヒアルロン酸の増加により前年同期比で41百万円の増収であった。
 全体として、震災による国内医薬品の減少及び円高の影響を海外医薬品、ヒアルロン酸原体の増加でカバーし、前年同期並みであった。

■原価率は35.8%と前年同期比で3.2ポイント低下

 営業利益は大幅増益となった。要因は、売上原価が4億75百万円減少、販管費が10億25百万円減少したことが挙げられる。
 原価が減少した原因は、第4製剤棟の減価償却費の減少と製品構成等の要因である。そのため、原価率は35.8%と前年同期比で3.2ポイント低下した。
 販管費が大幅に減少した要因は、R&D費用がSI−6603関連費用について、国内治験費が減少し、米国治験費が下期に繰り越しになったことにより、10億62百万円減少したことによるもの。
 純利益は、営業利益が大幅増益であったうえに、為替差損が1億39百万円と前年同期に比較して減少し、更に特別損失で震災による損失が71百万円あったものの、前期あった資産除去債務費用がなくなったことから大幅増益となった。

■期首予想と比較すると売上高は震災の影響で2.8%の下振れ

 セグメント別売上高は、医薬品109億81百万円(同0.7%減)となった。内訳は、国内医薬品93億30百万円(同1.0%減)、海外医薬品16億50百万円(同1.3%増)となっている。
 機能化学品の売上高は、28億14百万円(同0.5%減)。試薬・診断薬21億56百万円(同2.5%減)、医薬品原体6億58百万円(同6.8%増)となったことによる。
 売上高の構成比は、国内売上高78.0%(前年同期比0.8%減)、海外売上高22.0%(同0.8%増)と海外の売上が伸びている。
 薬品別の構成比は、医薬品79.6%(国内67.6%、海外12.0%)、機能化学品20.4%(試薬・診断薬15.6%、医薬品原体4.8%)となっている。
 期首予想と比較すると、売上高は震災による国内医薬品の減少やヒアルロン酸原体の出荷時期ずれにより2.8%の下振れとなった。利益はSI−6603の米国治験費用を下期に繰り越したことで、営業利益39.7%、純利益40.6%の上振れとなった。

■通期連結業績予想は期首予想から修正

 通期連結業績予想は、売上高270億円(前期比0.4%減)、営業利益47億円(同33.0%増)、経常利益48億円(同15.4%増)、純利益32億円(同30.5%増)、研究開発費57億円(同15.2%減)、1株当たり純利益56円33銭(同13円17銭)と微減収、2ケタ増益を見込んでいる。
 通期連結業績予想は期首予想から修正している。売上高については、期首予想を10億円下回る。要因は、国内医薬品が震災の影響等により10億円下回るとしている。また円高の影響を海外医薬品(米国・中国)の数量増でほぼカバーすると見ている。
 営業利益も期首より1億円下回るとみている。純利益も同じく1億円下回る見込み。販管費が減少するが、売上総利益の減少をカバーできず期首予想を下回るとみている。
 研究開発費、対売上高比率の過去3年と今期の予想は、09年3月期59億64百万円、21.9%、10年3月期55億17百万円、20.0%、11年3月期67億23百万円、24.8%、12年3月期(予想)57億円、21.1%。今上半期の売上高比率は17.6%と低かったが、下半期にSI−6603の米国第U相治験費用の計上を見込むため、通年では21.1%となる見込み。11年度の研究開発費が大きくなったのはSI−6603の国内治験費を一括費用化したことによる。

■第2四半期のアルツの市場シェアは54.4%(前年同期比0.7%増)

 医療機関納入本数ベースでの国内アルツの市場販売状況は、第2四半期のマーケットは前年同期比で3.2%伸びているが、震災の影響により受診を控える傾向が見られ、伸び率は低下している。その様な状況の中で、同社のアルツは前年同期比で4.6%伸びている。同社では先発品としてのブランド力とプラスチック容器の投入効果と見ている。市場シェアは54.4%(前年同期比0.7%増)となった。
 今通期予想では、マーケットは3.9%伸びると見ている。震災の影響が、下半期には回復してくると想定している。また、引き続き疾患啓発活動による受診率の増加とアルツ処方率の拡大施策を進行することで、同社のアルツは6.0%伸びると見込んでいる。
 マーケットの拡大施策として、疾患啓発活動を行っている。例えば、疾患啓発Webサイト「ひざイキイキ」や、9月には大手新聞の全国版に変形性ひざ関節症の広告を掲載、同じく9月にTVで疾患啓発番組「学べる!健康クイズ あなたのひざは大丈夫?」を再放送している。
 アルツ処方の拡大策はとしては、プラスチック・ガラス容器の併売でニーズに対応している。また、医療機関には、疾患啓発活動のパンフレット等を配布しアプローチしている。更に、整形外科以外の診療科へも販売促進を強化している。

■海外医薬品の売上は前期比6.0%の増収を見込む

 第2四半期の海外医薬品の販売状況は、前年同期比で1.3%の増収であった。米国の現地販売は、一部保険会社の償還非推奨の影響がほぼ一巡し、価格維持への注力により単価も下げ止まったことから、0.3%の微減に留まった。
 米国への輸出額は、販売推移を考慮した販売会社の在庫政策により、輸出本数は増加したが、円高の影響で5.4%の減収となった。
 その他の地域への輸出に関しては、中国の現地販売が25.0%の増収になったことや、EU向けの前期からの出荷時期のズレによる影響もあり、19.5%の増収となった。
 今通期の海外医薬品の売上は、米国の現地販売は、患者啓発Webサイトの活用や、複数回投与製品ニーズの掘り起こしにより前期並みを見込んでいる。米国への輸出は、出荷本数が増加すると見ているが、円高の影響により2.4%の減収を予想している。その他の地域への輸出は、中国向けが引き続き好調であることから29.4%の増収を見込んでいる。その結果、海外医薬品の売上は、前期比6.0%の増収を見込んでいる。

■中国市場は第2四半期で25.0%の増収

 中国市場については、8年連続で2ケタ成長している。当第2四半期でも25.0%の増収となった。市場シェアは20%強で推移している。中国では国産品が推奨される中でも同社の製品は強みを発揮している。アルツ輸出本数に占める割合は36%で、5年間で6.1倍の増加となっている。経済の発展と共に引き続き高い成長率が期待できると見ている。販売会社は、世界初のオリジナル製品であることや、高品質で、FDA承認を取得している製品であることをアピールし、都市部を中心に大病院を開拓している。
 オペガンの販売状況については、若干厳しい状況にある。現状では震災の影響で、白内障の手術件数が減少していたが、第2四半期の後半からは回復基調にある。しかし、新規参入もあり、競合が激化していることもあり、3.9%減少した。
 通期予想では、1.8%の減収と見ている。下期には販売促進活動を強化することで、下期は納入本数の増加を見込んでいる。

■SI−6603(適応症は椎間板ヘルニア)は新たな第3相の実験を行う

 研究開発の基本方針については、従来と変わらず、専門分野である複合糖質科学に焦点を絞り、関節疾患、免疫・アレルギー疾患、眼科領域での治療薬の自社開発に取組んでいる。開発・導入をバランスよく推進し、新製品の早期かつ継続的な上市を目指す計画。
 パイプラインリストについては、SI−6603(適応症は椎間板ヘルニア)が、日本ではPV、米国ではPUである。昨年12月に第2、第3相実験を行い良好な結果を得たので、申請を行いたかったが、当局と協議した結果、承認申請には更なるデータの集積が必要と判断し、新たな第3相の実験を行うことになった。また、新たなテーマとして、アルツの腱・靭帯付着部症の適応症追加のSI−657のPU試験を今年7月に開始し、8月に完了した。そのほかに、前臨床が3つある。
 今期の配当については、25円を予定している。
 主力のアルツの需要は国内外で益々高まっていることから、今後の継続的な業績拡大が期待できる。

>>生化学工業のMedia−IR企業情報