2010年02月01日
決算情報 Media-IR 日本インタビュ新聞社

クレスコ:公共サービス分野は宅配便関連が順調に推移


【来期に向け、開発案件の引き合いは回復基調】

■子会社の不振が利益の圧迫要因

クレスコのホームページ クレスコ<4674>(東1)は、29日引け後に2010年3月期、第3四半期連結業績を発表した。
 売上高は94億300万円(前年同期比8.5%減)、営業利益△9000万円(前年同期4億5500万円)、経常利益7400万円(前年同期比86.6%減)、純利益△1億300万円(前年同期△1400万円)と減収減益。
 セグメント別に見ると、公共サービス分野は、宅配便関連が順調に推移し、案件獲得も回復基調にある。売上高は26億8400万円と前年同期を300万円上回った。
 金融、流通、その他の分野は、案件の規模縮小や延期、価格低減要請など、IT投資の抑制が影響し、46億3900万円と前年同期を6億8600万円下回った。
 組込事業では、カーエレクトロニクス分野が、車載関連案件で伸張したものの通信システム及び情報家電その他の分野が、案件の規模縮小や延期、価格低減要請等の影響で20億1500万円と前年同期で1億9100万円下回った。
 子会社4社の業績は、売上高10億9600万円、営業利益△1億3600万円となり、子会社の不振が連結業績の圧迫要因となった。
 また、子会社各社の今期業績見通しについては、クレスコ・イー・ソリューション、クレスコ・アイディー・システムズの業績は厳しいが、ワイヤレステクノロジー、クレスコ・コミュニケーションズは年度末で赤字解消を見込んでいる。

■アイオスに資本参加

 現在のビジネスの状況は、金融系関連の案件引き合いが以前より増加しており、来期にかけて、受注に結びついてくると見ている。金融系のシステム開発はクレスコの強みであるが、企業のIT投資全体に占める金融系企業(銀行、証券、生保、損保、クレジット等)のシステム需要(潜在需要を含む)は依然高く、当該分野への対応力を更に強化する目的で、アイオスへの資本参加を表明(1月5日付リリース)している。アイオスは、従業員200名程度、メインフレーム系開発およびオープン系開発を得意としており、子会社1社を有する。09年3月期の連結売上高は35億3500万円。主要取引先は日本IBM、富士通、日本ヒューレット・パッカード等のITベンダー。同社との協業体制で、企業グループとしてのサービスは一段と強化されるであろう。
 2010年3月期の通期連結業績予想は、売上高130億3000万円(前期比6.9%減)、営業利益1億6000万円(同75.8%減)、経常利益3億3000万円(同57.6%減)、純利益3000万円(同43.6%減)を見込む。
 2010年度以降のビジョンと戦略について、ソリューション営業の強化、事業組織の大構造改革、コスト構造の見直し、M&Aによるグループ経営基盤の強化と再構築を掲げている。
 今期は、リーマンショックの影響を拭いきれずに、減収減益となる見込みであるが、徐々にビジネス環境は良くなっていることから、同社の積極的な経営戦略により、今後の業績回復が期待される。

提供 日本インタビュ新聞 Media-IR 2010.02 |特集