2010年06月18日
決算情報 Media-IR 日本インタビュ新聞社

セントラルスポーツの前期連結業績は減収ながら大幅増益を達成


■対前年比で既存店フィットネス会員数は94.9%、スクール会員数101.4%

セントラルスポーツ フィットネスクラブを全国規模で展開しているセントラルスポーツ<4801>(東1)の前10年3月期連結業績は、売上高466億800万円(09年3月期比1.2%減)、営業利益19億4400万円(同65.2%増)、経常利益13億7200万円(同56.1%増)、純利益6億3200万円(同185.7%増)と減収ながら大幅増益を達成した。
 既存店会員数は対09年3月期比96.9%、既存店の売上高は同95.8%であった。スクール事業については、景気に左右されにくいことから既存店の会員数は同101.4%と順調に伸びた。しかし、全体ではフィットネスの落ち込みをカバーできず減収となった。
 利益面については、水道・光熱費、広告宣伝費、賃料、労務費等の見直しを行なったことで、コストを約14億円削減し、大幅増益となっている。

■前期より10社多い、280社と契約するなどコーポレイト部門は順調

 単体のセグメント別売上高は、フィットネス部門260億4100万円(同2.8%減)、スクール部門79億8600万円(同2.8%増)、コーポレイト部門20億8000万円(同0.6%減)、業務受託部門33億3800万円(同4.9%減)、商品販売部門38億9100万円(同4.9%増)、その他の部門25億6200万円(同0.9%減)となっている。
 コーポレイト部門の売上高は、09年3月期と比較して1300万円の減収であったが、2店舗閉鎖して7000万円の売上が消えたことを考慮すると、実質は増収といえる。昨年は100年に1度の大不況といわれたが、社員の健康に関する福利厚生費を削減する企業は少なかったことから、法人会員社数、法人会員利用者は増えている。前期は約75万人がチケットを利用している。今期は既に、前期より10社多い、280社と契約するなどコーポレイト部門は順調である。

■有利子負債は13億3500万円減少

 貸借対照表では、流動負債は前受金が4億3400万円増加したこと等から142億7500万円(同9億4100万円増)、固定負債は長期借入金を14億300万円返済したこと等から157億円(同6億3200万円減)、純資産合計は利益剰余金が4億8800万円増加したこと等から131億6500万円(同5億900万円増)となり、自己資本比率は30.5%と0.6ポイント改善した。
 キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フロー36億1400万円、投資キャッシュ・フロー△9億2400万円、財務キャッシュ・フロー△16億5900万円となり、現金及び現金同等物の期末残高は47億1800万円(同10億3300万円増)となっている。
 有利子負債は13億3500万円減少し、186億1900万円となり、財務体質の健全化が進んでいる。

■10年3月末の総店舗数は154店舗

 前期は09年5月にセントラルウェルネスクラブ我孫子をオープン。会員の募集は順調であったことから、既に単月で黒字となっていて、今期の業績に貢献すると期待されている。
 10月にはセントラルウェルネスクラブココエあまがさきをオープンした。既に会員は4000名を超えてきたことから、単月での黒字が見えてきている。
 前期の退店は、直営店2店舗。セントラルフィットネスクラブ横浜北を昨年7月末で閉店。セントラルフィットネスクラブ330旭川を昨年9月末で終了した。
 10年3月末の総店舗数は、直営店111店、受託43店をあわせた154店舗。

■価格政策は行なっていないことから価格低下は無い

 既存店会員数の対前年比率の06年から10年までの推移を見ると、フィットネスは、100%、98.7%、93.3%、94.5%、94.9%と07年から減少している。
 スクール会員数は、101.6%、101.0%、101.1%、101.3%、101.4%と順調に増えている。
 既存店合計は、100.4%、99.3%、95.5%、96.5%、96.9%と07年から減少している。
 全店会員数は、102.1%、102.7%、99.5%、102.1%、100.1%と新店効果もあり、ほぼ横ばいで推移している。
 前期末の会員数は、フィットネス会員27万人、スクール会員12万人である。
 月会費単価対前年比率の06年から10年までの推移は、フィットネス102.1%、101.8%、100.6%、102.7%、1002.2%。
 スクール101%、100.6%、100.7%、102.2%、100%となっている。
 会員数を増やすために、90分会員や月4回会員など価格を下げる価格政策は行なっていないことから価格低下は無い。前期末の月会費はフィットネス会員8500円、スクール会員6800円。
 会員の年齢別構成比は、10代1.3%(09年3月期1.5%)、20代12.6%(同13.5%)、30代19.2%(同20.5%)、40代19.8%(同19.9%)、50代18.1%(同18.3%)、60代18.7%(同17.3%)、70代10.1%(同8.8%)となっている。10代から50代は年々減少しているが、60代、70代は逆に増えている。

■利用者の要望に応え、セルフチェックインシステムに切り替える

 今期の基本方針は、既存店の充実と活性化を1番に挙げている。具体的には人材教育を行い、サービスのレベルを更にアップする。一方で、プログラムの開発を進め、より効果的なトレーニングを行なう。また、入館の際に、これまでメンバーズカードをフロント担当者が一旦預かり、入館の手続きを済ませていたが、利用者の要望に応え、スピードアップするように、セルフチェックインシステムに切り替えることにしている。
 次に、キッズスクールの推進となっている。キッズスクールの会員数は順調に伸びていることから、更に需要を取り込むように積極的に活動する。
 3番目が法人会員の取り込み。先述しているように、今期既に法人契約が10社増えていることから分かるように、企業の社員の健康に関する関心は高いことから、法人会員、エリア会員向けの営業を強化する計画。

■介護予防のための健康づくりに積極的に取り組む

 4番目が受託事業の拡大である。同社では、フィットネスクラブでは他社に先駆けてインストラクターの派遣を実施している。既に、全国の160箇所の老人ホームにインストラクターを派遣し、健康イス体操など高齢者用プログラムを提供している。また、地域支援事業を市区町村60ヶ所からオファーを受けている。
 以上4つの施策を実施することで、今11年3月期連結業績予想は売上高477億3000万円(前期比2.4%増)、営業利益21億3000万円(同9.6%増)、経常利益15億3000万円(同11.5%増)、純利益2億5000万円(同60.5%減)と増収、営業・経常増益を見込んでいる。純利益の減益は会計制度の変更にともなう資産除去債務として特別損失を計上するため。
提供 日本インタビュ新聞 Media-IR 2010.06 |特集