2012年02月13日
決算情報 Media-IR 日本インタビュ新聞社

インテリジェントウェイブ:12年6月期第2四半期連結業績の説明会を開催


■システムソリューション好調で第2四半期業績は大幅増収増益の黒字転換

インテリジェント ウェイブ インテリジェント ウェイブ<4847>(JQS)は7日、12年6月期第2四半期連結業績の説明会を開催した。
 第2四半期の決算の概況、通期業績予想、今年度の取組みについて詳しい説明が行われた。
 第2四半期連結業績は、売上高25億28百万円(前年同期比22.1%増)、営業利益29百万円(前年同期△61百万円)、経常利益33百万円(同△61百万円)、純利益1億74百万円(同△67百万円)と大幅増収増益で黒字転換。
 売上については期初計画を1億28百万円上回った。営業利益も19百万円、経常利益も21百万円上回った。特に、最終利益については、繰延税金資産計上と、税額調整により1億69百万円上回る大幅増益となった。
 セグメント別の売上高は、カードビジネスのフロント業務10億64百万円(前年同期比15.8%減)、システムソリューション業務12億90百万円(同98.2%増)、セキュリティシステム業務1億49百万円(同3.9%減)、その他 製品販売(新規事業)24百万円となっている。
 セグメント別営業利益は、カードビジネスのフロント業務3億35百万円(同32.5%減)、システムソリューション業務2億27百万円(同238.8%増)、セキュリティシステム業務△74百万円(前年同期△1億90百万円)、その他 製品販売(新規事業)△74百万円。
 以上の結果、上期は黒字化し、順調な進捗状況となっている。

■通期連結業績予想は増収大幅増益を見込む

 通期連結業績予想は、売上高53億円(前期比11.3%増)、営業利益4億円(同24.6%増)、経常利益4億10百万円(同20.2%増)、純利益3億93百万円(同203.5%増)と増収大幅増益を見込んでいる。
 下半期の売上高は、27億72百万円(前年同期比2.9%増)を見込んでいる。その内訳は、カードビジネスのフロント業務15億11百万円(同0.5%増)、システムソリューション業務7億5百万円(同15.9%減)、セキュリティシステム業務4億31百万円(同22.4%増)、その他 製品販売(新規事業)1億26百万円となっている。
 下半期の営業利益は、3億71百万円(同2.9%減)を見込んでいる。内訳は、カードビジネスのフロント業務6億95百万円(同11.5%増)、システムソリューション業務93百万円(同47.5%減)、セキュリティシステム業務1億24百万円(同153.0%増)、その他 製品販売(新規事業)74百万円。

■代表取締役社長山本祥之氏 今年度の取組みについて語る

 第2四半期の決算の概況、通期業績予想の説明に続き、代表取締役社長山本祥之氏より、今年度の取組みについて詳しい説明が行われた。
 「金融機関の投資の推移ですが、昨年と2010年度を比較しますと、金融機関、証券を含めて、銀行の方が少し投資額としては戻ってきておりますが、中小の金融機関さんの方はまだまだ冷え込んでいるという状況です。証券を含めて金融取引関係につきましても2011年度はマイナスの計画となっています。特に証券につきましては、昨年の9月以降かなり冷え込んできていまして、今年の3月までは予算的にかなり厳しい状況が続くと予想されています。このまま4月以降も証券会社さんの状況を見ておりますとシステム投資にかけるお金というのはかなり新しい物は出にくい状況ですので、当社から見ると、証券関係のシステムはかなり厳しい状況と下期も予想しています。クレジットカードにつきましては、2010年は例えば利息過払い請求の対応などによって、システム投資という面ではマイナスでしたが、そうした状況が一巡してきたことで、2011年から2012年の新しい年度にかけては、新たに積極的な投資といった前向きな話が出てくるだろうと見ています」。

■Linux版のNET+1によって新たな案件を獲得

 「国内IT企業の規模別の前年比成長率予測ですけれども、大企業は2011年は震災関係等があってかなり落ち込みました。中堅企業も同じくかなり落ち込みました。最近ある程度落ち着いてきましたので、2012年に向けては回復基調にあります。しかしその先を見ると順調に伸びる環境とは見ていません。現状維持か、ランニングコストを下げながら効率化を図りながら成長していくだろうと予想しています。しかし、大きな伸びは期待できないと当社としては見ています。この様な状況の中で、当社としては、まずLinux版のNET+1を昨年から開発して、完成しております。これによって新たな案件がかなり獲得できています。今までのNET+1というのは、ハードウェアが二重化された特殊なコンピュータの上で操作するような製品でした。そのために案件が大型化し、金額のボリュームが大きくなるのですけれども案件としては数が少なくなるということがありました。このLinux版のNET+1は通常のサーバの上でも操作できるような状況になっておりまして、このパッケージをリーゾナブルな価格で使えることで、案件が増えているとご理解して下さい」と新たな案件がLinux版のNET+1の完成により獲得できていることを紹介した。

■アクワイアリングにLinux版のNET+1を活用

 「アクワイアリング(クレジットカードの加盟店開拓や管理等を行う加盟店契約会社)は、VISA、MASTER、JCBの発行権を持ち、カードを出していますけれどもアクワイアリングはお店を束ねることによって、そこのお店で利用できたものから、他の発行会社さんの方にスイッチングして処理することによって手数料を取るビジネスです。このビジネスが、昨今のインターネット関係とか、お店の広がりとか、カードの使えるチャネルの広がり等もありまして、新たにアクワイアリングの権利を獲得しつつある方たちが出てきております。初めの投資額が大きいとなかなか黒字化するに時間がかかります。そういうところに当社の低価格であるLinux版のNET+1を活用し、ハードウェアも低価格で小さな規模から始めて、どんどん取扱が増えるにつれてハードウェアを大きくしていけばよいという捉え方で、ある程度スタートを切りやすいため、当社に注文が来ています」。

■プリペイドカードもLinux版のNET+1で処理

 「もう一方はハウスカードを含めてプリペイドの話がかなり日本の中で広がりつつあります。いろんな動きがプリペイドカード関係にもあると思いますけれども、共通のプリペイドカード以外にも地域のプリペイドとか、お店特有のプリペイドのお話もありまして、これらを処理するのもLinux版のNET+1です。金額的にも手軽だということで、現在そうした案件の受託開発を手掛けています。もうひとつが、当社も業務範囲を拡大していかなければならないということで、当社が今まで得意としていたネットワークの接続とか、そこから処理するカードを使ってよいかどうかのリアルタイムでの与信を行っていましたけれども、それ以外に、周辺の業務開発に取組んでいます。一例を申し上げますと、偽造カードを見つけるという当社の製品も取り扱っていただいていますが、見つけた後の後始末がカード会社として必要であります。それはやはり不正で使われたので、相手の加盟店を取りまとめているアクワイアラーの方に対して、その売上を取り消すとか、色んなやり取りが出てきますが、それは個別で行われているわけではなくて、VISAとかMASTERの国際的なルール、組織を通して、色んな事をやりくりしていますけれども、そういうものの管理システムが必要だということで、当社がそこまで踏み込んだ形で、一気通貫で業務処理が出来るようなワークフロー形式のチャージバックという業務になりますけれども、そういうものの新たな掘り起こしとか、また、それに伴う色んな国際ブランドに係る業務系のコンタクトとかを拡げることによって、業務拡大へつなげようとしています」とプリペイドの他にも偽造カードを発見した後の処理業務にまで事業領域が広がることを説明した。

■大日本印刷とのシナジーの話が本格的な動きに

 「システム処理業務につきましては、受託開発ということで一昨年来続けてきました大日本印刷とのシナジーの話が、この新しい期からかなり本格的に動き出してきました。その一例が、この上期の中で数値的に大きく寄与してきました。当社の中ではハイブリッド書店と呼んでいますが、これは大日本印刷のグループということで、CHIグループの丸善、ジュンク堂の書店の方達と、それと一昨年に発表されていますけれども、大日本印刷とNTTドコモとの合弁会社によるトゥデイファクトという会社がありますけれども、その会社が春から電子出版事業を始めるということで、リアル店舗とバーチャルのネットを使った電子出版、それを一緒にして、お客様をトータルに管理していこうということで、ハイブリッドという呼び方をしています。これが今年の春発表されると思います。その様なものに取組んでいたということで、これが大きな成果だと思います」と大日本印刷との事業も順調に進んでいる。

■国内証券については厳しいが、効率化を図ることで営業展開

 「それ以外にも、大日本印刷の中でも新たにエスアイアー案件の獲得であったり、印刷を絡めたビジネスプロセスアウトソーシングがかなりユーザーさんの中で、生産効率を上げたり、業務効率を高めたりするために、フルアウトソーシング的な動きが出てきています。それらをきちんと管理してトータル的に生かすためには、データを動かすためのワークフローなどが必要になりますので、そのようなものに向けた話というのもシナジーの中で推し進めています。証券については先ほど申しましたように厳しい状況になっています。そうはいっても、既存の業務としては、更に効率化していかなければならないというものを証券会社さんの方で持っていますので、より性能の好いもの、より効率化に繋がるものというものに関しては、まだまだ色々要求が強い状況にあります。そういう面で、当社ではONETICKとかDECIDE、SO lace Systemsとか当社の製品ではありませんが、アメリカ製であったり、ヨーロッパ製であったりしますが、これらの製品をベースによりお客様の効率化を図るということで営業展開しています」。

■ACEplusは過半数のカード会社で使用

 「一方、先ほどのACEplusという、偽造カードを見抜く製品ですけれども日本の中ではかなりシェアを押さえてまいりました。もう過半数のカード会社さんでは、当社のACEplusが使われています。海外ではアジア地区でカードの発行枚数が増えてきております。いま中国ではクレジットカードの発行枚数は3億枚に届くような状況になりました。1年間で急激に伸びているので、今後もそのようなペースでいくかどうか分かりませんが、1年間で1億枚増えた状況です。それに伴い、中国のカード会社でも被害が増えつつあります。今後はそのような動向を見据えて、エスアイベンダーさんと当社の営業で、中国の各銀行さんだとか、それを束ねているビジネスセンターである方々に、ACEplusのブランド認知とか、デモンストレーションとかを一緒に営業展開しているところであります。これと同じように東南アジアでも営業の話は進めています」と海外への展開も行っている。

■東南アジアの証券はかなり仕事が出てくると見ている

 証券に関する海外での展開については、「日本国内では厳しい状況であります。しかし、東南アジアを見据えますと証券のお話はかなり仕事が出てくると見ています。インドネシア、シンガポール、タイ等で証券を取り扱っている銀行さんではかなりシステム化が進みつつあります。このシステム化を進めるにあたって、海外提携先との実績交流があります。既に当社は、香港にあるセリシスという会社と業務提携して相互に関連商品を取り扱おうということで、先ほどのヨーロッパ製品、オーストラリア製品がアジアの中では使われています。アジアの案件について、当社から技術者を出すことによって、アジアでの関係を強化しようと努めているところでございます」。

■ソフトウェアの脆弱性を狙った攻撃に対応するCxSuiteが昨年の6月以降引き合いが増える

 セキュリティについては、「今まではCWATということで、人が起こす情報漏えい向けに行ってきました。昨今の新聞紙上で騒がれていますように、内部からの犯罪もさることながら、外部からアタックされ情報がとられる事件がクローズアップしてきています。そこで、ウェブサイト経由の攻撃をなくすために、プログラム上に穴があるかないかチェックする機能を持つ韓国製の製品であるWebSanitizerを使って今はやりのクラウド型でWebサイトをチェックすることで穴を見つけ、攻撃に対処することに取組んでいます。もう一つには、ソフトウェアの脆弱性を狙った攻撃に対処するために、CxSuiteがありますが、これはイスラエル製です。この製品は昨年の6月以降からかなり引き合いが増えてきています。何故6月以降かというと、日本のメーカーの製品がサイバー攻撃を受けてヨーロッパ、アメリカ地区で不正アクセスによる個人情報が漏れた事件が6月に発生したことによります。この事件で、製品のプログラム上に脆弱性があったということがアナウンスされたため、CxSuiteの引き合いが伸びました。もう一つはEUCSecureということで、元々パソコンの中のエクセルであったり、ワードであったり、パワーポイントであったり、その様なファイルそのものを追跡してきちんとアクセス管理しながら見張ろうというような製品があります。ところが、スマートフォンの普及とともにスマートフォンの中にもダウンロードされることで、スマートフォンの中でもきちんと見張ってほしいというような要望がありまして、PC版はAndoroidのスマートフォンに対応したというものがあります。これからは、CxSuite、WebSanitizerの販売に注力してまいります」と現在の取組について詳しい説明が行われた。