2011年1月12日
決算情報 Media-IR 日本インタビュ新聞社

巴工業の前10年10月期連結業績は増収大幅増益を達成


■化学事業の売上が順調であったことから、機械事業の減収をカバー

巴工業ホームページ 巴工業<6309>(東1)は、12月15日東京証券会館で、前10年10月期の決算説明会を開催した。
 前10年10月期連結業績は、売上高388億1600万円(09年10月期比6.9%増)、営業利益21億7300万円(同37.1%増)、経常利益21億7900万円(同29.2%増)、純利益13億5400万円(同36.4%増)と増収大幅増益を達成した。
 リーマンショックにより、大幅減収減益であった09年10月期と比較すると増収大幅増益であるが、回復したといってもリーマンショック以前の08年10月期の数値にはまだ届いてはいない。
 増収の要因は、化学事業の売上が順調であったことから、機械事業の減収をカバーしたことによる。
 機械事業の10年度の業績は、売上高115億2200万円(同3.6%減)、売上総利益37億7700万円(同4.9%増)、営業利益9億6000万円(同14.8%増)と減収増益。
 減収要因は、09年度のポーランド向け縦型遠心分離機の売上高12億円がなくなった影響による。しかし、4億円の減収で止めたことで、堅調であったといえる。利益面については、官庁関連で遠心分離機の部品・修理の需要が出たことが増益要因となった。
 一方の化学工業製品販売事業の業績は、売上高272億9400万円(同12.1%増)、売上総利益45億5900万円(同16.5%増)、営業利益12億1200万円(同62.0%増)と増収大幅増益と好調であった。
 売上高の内訳は、合成樹脂関連98億8100万円(同12億6600万円増)、工業材料関連(鉱物類)54億5600万円(同4億8500万円増)、化成品関連(有機原材料)49億3900万円(同5億5200万円増)、機能材料関連27億3700万円(同2億500万円減)、電子材料関連33億4400万円(同9億1100万円増)、輸入洋酒9億3700万円(同6800万円減)。
 合成樹脂関連は12億6600万円の増収となっているが、その要因は、国内外の需要の回復による。
 また、電子材料関連が9億1100万円の増収となっているが、これは半導体市況の急回復によるもの。
 財務面を見ると、流動負債107億2900万円(同25億6100万円増)、固定負債1億9700万円(同1億2700万円減)、純資産合計188億5200万円(同9億3100万円増)となっている。
 キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フロー21億8200万円、投資キャッシュ・フロー△5100万円、財務キャッシュ・フロー△3億9400万円で、現金及び現金同等物の期末残高は61億900万円(同16億6100万円増)。
 前10年度は、リーマンショック以前までには戻っていないものの、増収大幅増益であり、順調に回復したといえる。

■今期の増益の担い手は、前期の化学事業に代わり、海外、国内の大型案件が見込まれる機械事業

 一方、今11年10月期の業績予想については、売上高430億円(前期比10.8%増)、営業利益22億7000万円(同4.5%増)、経常利益23億2000万円(同6.5%増)、純利益13億2000万円(同2.5%減)と最終利益は前期を下回るが、売上高、営業利益、経常利益は前期を上回る見込。
 今期の増益の担い手は、前期の化学事業に代わり、海外、国内の大型案件が見込まれる機械事業。
 機械事業の業績予想は、売上高130億円(同12.8%増)、売上総利益40億7000万円(同7.8%増)、営業利益10億9000万円(同13.5%増)と増収増益を見込む。
 官公庁向けの部品・修理部門の売上高は、前期の特需の影響で減少するが、省エネ型戦略機の売上が伸びるため、5億4000万円の増収を見込んでいる。
 民需の売上高については、機械、装置・工事、部品・修理を合わせると5億7700万円の増収を見込んでいる。砥粒回収装置については、国内需要の回復とともに増収を見込んでいる。
 海外については、機械、部品・修理は増収で、装置・工事は減収と見ているが、全体では3億6600万円の増収を見込む。特に、北米の油田掘削向けの遠心分離機に、50台の引き合いが来ていることから、強含むと見ている。
 売上高、利益に関係のある機械事業の受注残高の推移を見ると、06年度63億5800万円、07年度59億7800万円、08年度66億9200万円、09年度55億1300万円、10年度58億7500万円、11年度(計画)63億7500万円となっている。08年度に次ぐ残高であり、期待できそう。
 化学事業の今期業績予想は、売上高300億円(前期比9.9%増)、売上総利益46億3000万円(同1.6%増)、営業利益11億8000万円(同2.6%減)と増収減益を見込む。
 売上高の内訳は、合成樹脂関連108億3000万円(前期比9億4900万円増)、工業材料関連(鉱物類)60億2000万円(同5億6400万円増)、化成品関連(有機原材料)53億2500万円(同3億8600万円増)、機能材料関連30億9000万円(同3億5300万円増)、電子材料関連36億6500万円(同3億2100万円増)、輸入洋酒10億7000万円(同1億3300万円増)。
 2011年度の機械事業の取組として、海外市場に注力する。中国では化学工業、太陽電池などの既存市場に加え、下水市場の開拓を推進していく。
 米国については、代理店網の活用で部品・メンテナンスの需要の開拓を進めていく。既に、部品については、計画通りではないが下水関係で数千万円の売上が出てきている。
 国内では、将来を担うHED型省エネ型遠心脱水機の販売を強化していく。既に東京都から受注していて、今期の売上に加わる。
 コスト改革については、設計を変えることで、部品在庫の大幅な減少に向けた取組を主体に進めている。
 化学事業に関しては、収益の柱である輸入商材はライフサイクルが短いので、新商材のライナップの拡充を強化。また、合成樹脂関連は、国内外のビジネスの梃入れを行うことで、業績の向上を図る。

■中期経営計画の名称は「巴525」、13年目標売上高500億円、経常利益25億円

 前期、今期業績予想の説明の後、今後3年間の中期経営計画についての説明が引き続き行われた。
 中期経営計画の期間は、11年10月期から13年10月期まで。「今後3年間、国内外の状況は読みきれていませんが、持続的に成長するための足場固めを行います」(代表取締役社長塩野昇氏)と中期経営計画を立案した目的を語った。
 中期経営計画の名称は「巴525」。13年目標売上高500億円、経常利益25億円。目標を実現するための戦略として、機械事業では、海外売上高の割合を高める。国内は低動力省エネ型遠心分離機の拡販に注力する。化学品事業では、内外合成樹脂事業の強化、新商材の開拓、新市場投入を図るとしている。
 3年間の機械事業の予想推移は、11年130億円、13年145億円を見込む。化学事業は、11年300億円、13年355億円。
 営業利益の3年間の予想推移は、機械事業11年10億9000万円、13年12億円、化学事業11年11億8000万円、13年13億円を見込んでいる。
 機械事業の重点施策として、中国事業の強化、北米事業の拡大による海外売上高アップ、国内環境関連の売上高維持、生産体制の強化を掲げている。
 中国事業を強化するために、化学工業、太陽電池、下水処理分野をターゲットとして売上の拡大を図る。また、中国生産子会社の生産拠点としての強化も図っていく方針。2010年は塩ビ関連で27台の遠心分離機を納入済み。今期も同等数を見込んでいる。また、ポリアセタール向けを受注している。化学工業分野は順調である。下水関連では、現在の中国の下水処理の普及率は35%と推定。中小も含め処理施設は更に4000箇所以上が必要とされている。今期は、現地営業拠点と代理店網により受注に注力する。
 北米事業については、2009年7月に開設したシカゴ事務所と6代理店を活用することで、部品販売、新規分野の開拓を通じて事業の拡大を図る方針。既に、部品は数千万円単位で売れている。また、オイルフィールドでも成果を出している。ニーズに合わせた遠心分離機を作ったことにより、油田市場での新規参入に成功。今後は、北米での横展開や、中南米への進出も視野に入れている。
 国内については、低動力省エネ(HED)型遠心分離機投入により、国内下水市場をリードする計画。既に、国内の官需で45億円の売上をあげているが、今後は、コンスタントに売上を出すために、アフターサービスを更に徹底していく。一方、国内の民需分野については、太陽電池、廃プラスチック関係に注力していく。
 生産体制については、コストダウン、加工インフラ整備を実施することで、生産性の効率化を図る。
 このような施策を実施することで、3年後の2013年10月期には、海外比率を6割まで伸ばし、機械事業で145億円の売上を見込む。
 化学事業については、重点施策として、合成樹脂関連の強化、輸入商材グループの業績拡大、第2の中国展開、新規事業の開拓を掲げている。
 合成樹脂関連の強化策として、香港・深?拠点と国内合成樹脂部門と連携を強化することで、全体の売上を伸ばし、利益の拡大につなげる。
 輸入商材グループの業績拡大策として、新規商材に注力する。例えば、工業材料関連は、金属マンガン、ハイタルク、マイカ等、化成品関連では、TEGO、ワッカー、ハンツマン、機能材料関連は、太陽電池、リチウムイオン電池関連、電子材料関連Cuワイヤ等を挙げている。 第2の中国展開としては、従来の華南地区のほか華東地区でのビジネスを検討する。
また、新規事業については新たなビジネスの開拓を進める。いずれも、3年以内を目処としている。
 3年後の化学事業の売上高は、10年10月期比約83億円増の355億円を見込む。

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