2010年06月02日
決算情報 Media-IR 日本インタビュ新聞社

日本ライフラインの前期連結売上高は当初予想下回るも利益面では上回る


■保険償還価格の引下げが行なわれなかったことから、売上数量増が収益増に直結

日本ライフラインのホームページ 心臓循環器関連の医療機器を取り扱う日本ライフライン<7575>(JQ)の前10年3月期決算説明会が27日に開催された。
 同社の前期連結業績は、売上高220億8900万円(予想比3.4%減)、営業利益13億1900万円(同4.6%増)、経常利益14億2300万円(同10.6%増)、純利益5億6200万円(同2.9%増)と売上高は当初予想を下回ったが、利益面では当初予想を上回る結果となった。
 前期の業績は保険償還価格の引下げが行なわれなかったことから、売上数量増が収益増に直結した。とりわけリズムディバイス売上高は09年3月期比18.9%増、EPカテーテル売上高は33.4%増となるなど順調であった。一方で人工血管については取り扱い製品を子会社であるJUNKEN MEDICAL製品に切り替えたが、生産体制が十分でないことから69.2%の減となった。なお、前期より、JUNKEN MEDICALが子会社に加わったため、連結決算となっている。

■売上総利益が09年3月期比12億7500万円増加

 売上の増加要因としては、リズムディバイス(09年3月期比18億4300万円増)、EP/アブレーション(同5億7500万円増)、インターベンション(同3億円増)、その他(JUNKEN MEDICALの販売製品)(15億2900万円)が挙げられる。減収要因としては外科関連(同15億7600万円減)がある。これらにより09年の3月期単体と比較すると26億7000万円の増収となっている。
 営業利益の増加要因は、売上総利益が09年3月期比12億7500万円増加した一方で、販管費は子会社連結により5億1500万円増加した。これにより営業利益は09年3月期単体と比較すると7億6000万円の増益であった。
 財務面を見ると、流動負債は支払手形及び買掛金が4億8100万円減少したものの短期借入金1億7000万円増、未払い金2億9100万円増となったこと等から54億300万円(同1500万円増)、固定負債は80億5000万円(同1億8200万円増)、純資産合計は利益剰余金が2億9200万円増加したこと等から141億9100万円(同3億2200万円増)となった。自己資本比率は、63.8%と変化はない。
 キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フロー6億1100万円、投資キャッシュ・フロー△7億3600万円、財務キャッシュ・フロー△1億1300万円となり現金及び現金同等物の期末残高は、36億4400万円(同2億3800万円減)。

■今11年3月期は、保険償還価格の引き下げによる影響が見込まれる

 今11年3月期は、保険償還価格の引き下げによる影響が見込まれることから、売上高は前期比で3.1%減を予想している。売上総利益は売上総利益率が2.4ポイント悪化することから、7.8%減と見ている。また、子会社の生産設備の資産除却債務2700万円を特別損失として計上する予定。
 以上のことから、今期連結業績予想は、売上高214億1100万円(前期比3.1%減)、営業利益5億1700万円(同60.8%減)、経常利益5億2700万円(同62.9%減)、純利益8900万円(同84.0%減)と減収大幅減益を見込んでいる。

 セグメント別に見ると、前期のリズムディバイスの売上高は116億300万円(09年3月期比18.9%増)と順調であった。特に、ペースメーカ関連売上高は101億7600万円(同21.5%増)と順調に伸びており、2年連続で15%超の成長となった。
 一方で今期のリズムディバイスの売上高は、今年4月に行われた保険償還価格引き下げの影響から、110億9200万円(前期比4.4%減)を見込む。これはペースメーカの主力製品で12.8%の引き下げとなるなど、販売数量の増加を上回る保険償還価格の引下げによるものとしている。

■新にリズムディバイス関連の新ブランド「J−Line」を設立

 このような中、同社では、今年7月に予定しているICDの新製品 「Paradym VR/DR」の発売による売上数量の増加を見込んでいる。また、今期の第4四半期にはCRT−D 「Paradym CRT」が承認される見通しであり、ICD関連の今期売上高は15億6400万円(前期比15.7%増)と予想している。
 「Paradym CRT」は、ソーリングループ製としては国内初のCRT−Dとなる。同社は07年に従来取引先からソーリングループへ取引先を変更し、CRT−Dのラインナップが無い状態が続いていたが、新製品の導入により、今後拡大が予想されるCRT−D市場へ再度参入するとしている。
 また、同社では新にリズムディバイス関連の新ブランド「J−Line」を設立し、その第1弾として心臓ペースメーカリード「Petite(ペティート)」を5月に発売した。「J−Line」は「J・Cath」、「JGraft」に次ぐ第3のブランドであり、同社は自社ブランドの拡充により市場での認知度向上を図るとしている。

■アブレーションカテーテルの新たな販売先として中国市場への参入を計画

 EP/アブレーションの前期は、アブレーションカテーテルで、売上高19億8600万円(09年3月期比7.5%増)と、競合製品による影響が想定を下回ったことにより売上を伸ばした。また、EPカテーテルの売上高は、20億2000万円(同33.4%増)と「EPスター・リベロ」などの既存製品が大きく伸長した。
 EP/アブレーションの今期の見通しについては、アブレーションカテーテルで、競合製品の影響から売上高は14億6400万円(前期比26.3%減)
を見込んでいる。 EPカテーテルの今期予想売上高は20億6500万円(同2.2%増)と見ている。
また、同社では自社製品であるEPカテーテル、アブレーションカテーテルの新たな販売先として中国市場への参入を計画している。まず、12年3月期にEPカテーテルの販売を開始し、15年3月期には売上高10億円を目指す。

■中期計画によると15年3月期には単体売上目標300億円、グループ連結売上高330億円を目指す

 自社製品の売上高は、JUNKEN MEDICALの人工血管を販売したことにより53億4300万円、全売上に対する構成比は前期26.2%となり、09年3月期に比べ5.8ポイントの増加となった。また粗利高でも30億9900万円となり、構成比は29.4%、09年3月期に比べ6.9ポイントの増加となった。
 自社製品の今期予想売上高はアブレーションカテーテルの売上が減少するため49億9100万円(前期比6.5%減)を見込んでいる。同社ではさらに自社製品の比率を高めるため、浮間ファクトリーの拡大移転を計画しており、12年4月の稼動開始を予定している。
 人工血管については、前期売上高7億7300万円(09年3月期比69.2%減)と大幅な減少となったものの、今期売上高は10億6600万円(前期比37.9%増)を見込んでいる。これは今年11月に子会社の新工場稼動により供給能力がアップするためであり、同社では早期に売上規模回復を目指すという。
 インターベンションの前期売上高は、ガイドワイヤーの新製品やフィルとラップが好調に推移したことにより、28億6900万円となった。今期売上高は、オンリーワン製品であるアンプラッツァーが認定施設の増加などにより、堅調に推移する見通しであることから、29億2800万円(前期比2.1%増)を見込む。
 中期計画によると15年3月期には単体売上目標300億円、グループ連結売上高330億円を目指すとしている。リモートモニタリング搭載ペースメーカをはじめとする新製品群が15年3月期までに順次導入される見通しであることや、自社工場の移転や海外展開を通した自社製品の拡充、オンリーワン商品のラインナップ拡充などを通して中期目標を達成するとした。