2012年02月28日
決算情報 Media-IR 日本インタビュ新聞社

アールシーコア:目黒区の直営展示場で中期経営計画に関する説明会開催


■受注高も回復し、今期は過去最高の96億40百万円を見込む

アールシーコア BESSブランドを掲げ、国内ログハウスシェア58%と断トツのトップであるアールシーコア<7837>(JQS)は23日、同社の目黒区青葉台の直営展示場(本店)で、中期経営計画に関する説明会を開催した。

 同社は、1985年に5人のメンバーにより設立され、<「住む」より「楽しむ」>をスローガンに、ログハウス等自然材をふんだんに使った個性的な家の提供を通じて「ユーザー・ハピネス」の実現を目指すBESS事業を展開している。会社設立以来順調に事業規模を拡大してきたが、08年9月15日に発生したリーマン・ショックの影響により、翌09年3月期の業績は、前年に達成した過去最高の売上高102億29百万円から一転79億30百万円と大幅な減収となった。しかし、その後、原因究明により、当時、当社の地区販社(FC)各社で経費削減の対象となっていた広告宣伝活動を再活性化させる策により、展示場来場者数が戻り、受注高も回復し、今期は過去最高の96億40百万円を見込んでいる。

 1月31日に発表されている第3四半期連結業績を見ると、売上高70億1百万円(前年同期比2.6%増)、営業利益5億2百万円(同11.0%増)、経常利益4億87百万円(同5.7%増)、純利益2億10百万円(同39.5%減)となっている。

 最終利益が大幅減益となったのは、米国販社のCNWののれんの減損損失を計上したことと、法人税法の改正による繰り延べ税金資産の減少に伴い税金費用が増加したことの影響に加えて、前期には遊休資産売却による税金費用の大幅な減少があったことにより利益額がプラスとなったことも要因である。しかし、売上、営業・経常利益が前年同期を上回っていることから業績は順調に回復しているといえる。

■BESS事業は『感性マーケティングによる住宅ブランドビジネス』

 そこで、今後の成長を更に加速させるため、『「異端でメジャー」ステージアップ5カ年計画』を発表した。同社代表取締役社長二木浩三氏は、BESS事業、5カ年計画について詳しく語った。

 「BESS事業は一言でいうと、『感性マーケティングによる住宅ブランドビジネス』という捉え方をしています。本日これだけは、皆様にご理解してもらいたいと思っています。一般の住宅ビジネスとは、ビジネスモデルが違うということです。私達は、住宅事業を行っていますが、業態が違いますと、いろんなところで話しています。実は私達が7年前に上場する際に、上場の業種分類がありまして、通常は住宅とか建設業に分類されるのですが、扱っているものは確かに住宅だけれども、対象とするマーケットもターゲットも違うし、商品も従来の住宅とは違い、当然ながら売り方も違いますので、住宅・建設業の分類に入れないで下さいと強くお願いして、なんとか【その他製品】の分類に入れてもらいました」と同社の異端さを語った。

■ターゲットとして、潜在マーケットを対象としている

 「一般住宅と中身がどのように違うのかということを説明します。簡単に言うと弊社のBESS事業はターゲットとして、潜在マーケットを対象としていることです。こんな生活やあんな生活が出来たらいいなあと思う人の潜在意識を何とか喚起して、そんなライフスタイルを具体化するための道具としての家をご提案して、更に何回も納得いくまで展示場に足を運んでもらい、現実化するときに私たちがお手伝いすることで、お客様は成約に至ります。この間の長い道のりを我々は『農耕型営業』と称しています。それに対して、一般住宅というのは、顕在マーケット、つまり家を建てようと思っている方達をターゲットにしています。我々は建てようとまだ認識していない方達をターゲットにしています。成約したお客様の6割以上は、我々と出会ったときは、家を建てる予定や計画の無かった方達です。これは業界の中では突出していると思います。何回も展示場に足をお運びいただき、弊社の考え方やBESS住宅の特徴に触れていただく過程で、結果、お客様の意志が自ら芽生えてきて、顕在化して、弊社商品を選択していただきます。その結果、BESS事業には競合が少ないという特長があり、生産性も高くなってきます」と潜在マーケットをターゲットとしていることを説明した。

■販売方法は、種を蒔いて、水をやって育てていくという『農耕型営業』

 マーケット創造の仕組みについては、「多分あるだろうけれどもまだ顕在化していない潜在マーケットに色々仕掛けて、反応させていく方法です。具体的には、全国にあるBESS展示場に来ていただけるようにします。関心を持っている方は多く、今期予想の新規来場者数は1万9,000組みを予想しています。成約数は950棟を見込んでいます。ざっくりいえば成約率5%です。1万9,000組のうち商談される方が大体25%です。そのうちの20%の方が成約されます。商談が25%ある中で、成約がそのうちの20%となる理由は、商談の7割が土地や資金の手当てが不十分であるとかで、少し早かったかなあと思われる方です。残った3割の方のうち、1割は他社で成約されるか、または計画を断念される方がいまして、残りの2割の方は、弊社との成約となます。つまり、実質的には、2/3が弊社(又は地区販社)と成約となる計算です。我々の販売方法の特徴は、種を蒔いて、水をやって育てていくという『農耕型営業』であり、売込むのではなく、選択していただくという方法です」と他の住宅会社とは全く異なった販売方法となっている。

■住む方の感性に合った住宅を提供するビジネスを展開

 今後の住宅の市場動向の中でのBESS商品の位置づけについて、「世間では、住宅は今後、スマートハウスとローコストに2極化するであろうといわれています。その一極は、太陽光、省エネ、創エネといった環境に優しいスマートハウスです。もう一極は、パワービルダーが土地とセットで大量供給する低価格の住宅です。今後のトレンドとしてはこの2極化がありますけれども、やがて太陽光発電なども一般化してローコスト住宅に搭載されるなどして、この2極が融合されることもあるかも知れませんが、これはあくまでハードであることには変わりはありません。我々は、この2極化とは異なり、<「住む」より、「楽しむ」>ということを提案しているように、住む方の感性に合った住宅を提供するビジネスを展開しています。何のために家を建てるのか、どんな暮らしをするのか、の方がもっと大きな目的であるのではないでしょうか、というのが我々からの発信です」と2極化と違う第3極の位置づけを紹介した。

■現在の情報時代の次に来るのは、意識の時代

 時代の価値観については、「最近の生活者のマインドは変化してきている、特に震災以降、生活者マインドは明らかに変化してきています。何が変化してきたかというと、本質という言葉があちらこちらでよく出てくるようになっています。私は本質とは変わらないものと定義づけています。変わるのならそれはまだ本質とはいえません。そもそも、我々の考える家の本質とは、「住む=ハード(=家)」はもちろん大事ですが、それを前提とした上で「楽しむ=ソフト(=生活)」ということです。この大震災により、世の中が目覚め始めたというか、本質の大事さが再認識されてきたのかなあという捉え方をしています。我々自身は、これがどのように時代の変化となっていくのか、想像した結果、現在の情報時代の次に来るのは、意識の時代と勝手に定義しました。情報が沢山あふれていたら何を選ぶか、どうしたらいいのか迷います。つまるところ、本人の気持ち(意思による選択)次第になる。そんな時代に向けて何か考えていきましょうというのが会社の発足当時からの目標だったのです。我々は本当に意識の時代が到来しつつあると実感しています。技術の時代には技術が大衆化して陳腐化し、情報の時代には、情報そのものの価値が、PCで誰でも入手可能となるという意味で同様に小さくなってゆきます。情報の時代のピークは過ぎ去ったと感じています。この意識の時代で、我々は、大事にしなくてはいけない本質は、お客様の心の中にあるものです。お客様の心の中にある本質を如何に感知して、それを形にすることこそが、我々の生きる道であるという捉え方をしています」と価値観についての紹介を行った。

■中期経営計画『「異端でメジャー」ステージアップ5カ年計画』を発表

 これまでの住宅着工戸数、木造戸建て着工戸数、BESS事業の実績を02年3月期、12年3月期で振り返ると、住宅着工戸数は、117万戸、85万戸、木造戸建て着工戸数41万戸、35万戸、BESS事業671棟、950棟となっている。住宅着工戸数、木造戸建て着工戸数は減少している一方で、BESS事業は拡大している。生活者のマインドを重視した営業法が成果を出したといえる。

 この様な状況を踏まえ、中期経営計画『「異端でメジャー」ステージアップ5カ年計画』を発表した。

 方針としては、ユーザー目線の本質・常識を貫き続けること(=業界の非常識にチャレンジし続けること=結果としての"異端")で、BESSブランドを確立し、時代の変化を捉え、"メジャー"のフィールドで事業規模の拡大を実現することを挙げている。具体的な目標数値は、5カ年計画の最終年度である2017年3月期までに、売上高180億円、営業利益率8.0%、ROE18%を掲げている。今通期業績予想と比較すると、売上高は1.8倍増、営業利益率は2.0ポイントアップ、ROEは7.0ポイントアップを見込んでいる。

 実現するための具体策としては、売上高に関しては、営業拠点を現在の37拠点から50拠点に拡大する。また、営業員を140名から280名体制に早期に実現する。更に、将来に備えて、リノベーション事業を立ち上げる一方で、北米事業を改善する。これらのことを実施することで、180億円の売上を達成する計画。

 営業利益率のアップについては、売上高の増加が利益率の向上に繋がるFC方式を推進すると共に、社員一人当たりの営業利益高を3.5百万円から6.1百万円へ伸ばすことで、営業利益率8%を目指す。

 ROEについては、最小の設備投資、最小の在庫で成長時でもフリーキャッシュフローが増加するビジネスモデルを追求し、ROE18%を達成する計画。また、財務安全性を損なわない範囲で積極的、継続的かつ安定的なDOE重視の株主還元を実施する方針。

■現在の商品6シリーズの個性と強みを最大化、北米事業の改善が重点施策

 更に、重点方策として、商品施策に関しては、現在の商品6シリーズの個性と強みを最大化する方針。具体的には、商品シリーズを6シリーズから増やさないで、6シリーズの個性を追求し、独自のスローライフデザインを深耕する。一方、6シリーズのコスト圧縮を行い、圧縮した分を性能アップに投下するとしている。また、リノベーション商品「NEWIT(ニュイット)」も導入する方針。将来の新築減に対する布石として、2012年より導入・確立を図る計画。

 更に、北米事業の改善も挙げている。カナダの連結子会社BMF社は、売上高6,388千カナダドル、営業損失224千カナダドルと赤字経営となっている。基本的な設備投資は完了しており、製造会社としては整備済みであるため、代理店制度を再構築するため、本社より現地へ経営幹部を派遣し、北米販売を改善すると共に強化して自立化を目指す。

 今期12年連結業績予想は、売上高98億20百万円(前期比10.4%増)、営業利益5億95百万円(同3.8%増)、経常利益5億85百万円(同1.4%増)、純利益2億95百万円(同24.3%減)を見込む。最終利益が減益となるのは先述した要因であり、売上、営業・経常利益は前期を上回る見込みであることから順調といえる。

 配当は、年間2000円と500円の増配を予定している。

 リーマン・ショック、大震災の影響も乗り越え、再度成長路線に戻っていることから、今後の事業拡大が期待できる。