2008年8月
決算情報 Media-IR 日本インタビュ新聞社

やすらぎ 事業再建は成功し、財務内容も健全化


 やすらぎ<8919>(名セ)は、11日に09年1月期中間連結業績を発表している。売上高202億4100万円(前年同期比33.8%減)、経常利益4億3600万円(同69.3%減)、純利益4億5700万円(前年同期は14億4200万円の損失)と大幅減収でありながらも最終黒字転換となった。

 同社は全国の戸建競売物件を買い取りリニューアルし、販売しているが、前期は高価格帯の長期在庫が増えたため、価格を下げて販売した結果、大幅減益となり、最終16億3600万円の損失となった。しかし、今期は前期までに長期在庫の処分がほぼ完了していたことで、利益率を下げて販売することは無くなったため、黒字転換した。

 総資産経常利益率を見ると、前年中間期の2.12%から今期は大幅に改善し10.9%となっている。また、自己資本比率も前年中間期の19.9%から33.6%へと13.7ポイント改善している。事業再建は成功し、財務内容も健全化したといえる。

 06年1月末で500億円弱、07年1月末で400億円強あった単体の在庫が、08年1月末には約130億円と大幅削減となっている。また、06年1月末600億円、07年1月末600億円強あった連結有利子負債が、08年1月末には300億円弱まで縮小している。

 仕入れてから販売するまでの在庫回転率は前期11.4ヶ月であったが、今期は5.1ヶ月と大幅に短縮化している。したがって、これからは、仕入が重要となってきている。しかし、前々期、前期の業績不振は不良在庫を抱えたことであるので、仕入に関しては、各地の営業店で判断するのではなく、最終決断は本社で行っている。

 上期で1457棟を販売しているが、下期では1350棟の販売を計画している。また、上期の粗利は、21.0%であったが、下期では23.7%と長期在庫が少なくなっているので、利益率がアップすると見込んでいる。

 ゼファー、アーバンコーポレーションなど上場企業の民事再生法申請に象徴されるように不動産業界は不振に喘いでいるが、14日の決算説明会に出席した根岸宏之代表取締役社長は「一般の不動産会社と違い、我々は在庫処分を完了している。逆に仕入を増やして、適正在庫に戻し、売上、利益につながるところまで持って行きたい。」と語っている。先述しているように事業再建が成功し、事業拡大に意欲的に取組もうとしている姿勢が窺える。

 通期連結業績予想は、売上高411億8000万円(前期比23.3%減)、経常利益6億3000万円(同30.1%減)、純利益5億5000万円(前期は16億3600万円の損失)と減収ながら最終黒字転換を見込む。
 株価は15日に16円高と反発したもののまだ底値圏。

提供 日本インタビュ新聞 Media-IR 2008.08 |特集