2010年11月26日
決算情報 Media-IR 日本インタビュ新聞社

ミロク情報サービスの第2四半期連結業績は減収増益


■原価率は36.3%と前年同期比3.7%改善

ミロク情報サービスのホームページ 会計事務所、企業向けの財務会計システム等の開発・販売を行なうミロク情報サービス<9928>(東2)は、19日に東京証券会館で今11年3月期第2四半期連結業績の決算説明会を行った。
 第2四半期連結業績は、売上高91億9200万円(前年同期比1.6%減)、営業利益4億4000万円(同16.0%増)、経常利益4億3800万円(同20.2%増)、純利益2億2700万円(同62.0%増)と減収ながら増益となった。
 減収ながら増益となった要因は、売上原価が33億3300万円と前年同期比で4億円減少し、原価率は36.3%と前年同期比3.7%改善したことによる。
 売上原価の主な減少要因は、個別システム開発における外注費の圧縮や製品償却負担の軽減による。また、子会社を中心とする受託開発の売上減少に伴い開発原価が減少したことも挙げられる。
 純利益の伸び率が大幅に伸びた要因は、特別利益として有価証券売却益等を3500万円計上したことと前期あった有価証券売却損、評価損が消えた影響による。

■会計事務所向け総合保守サービスのTVSと企業向け「ソフト運用支援サービス」の売上が伸びる

 セグメント別売上高は、契約系(ハードウェア、ソフトウェア、ユースウェア)59億円(同4.3%減)、安定系(サービス収入、サプライ)32億1100万円(同4.8%%増)。

  契約系の売上が減少した要因は、ソフトウェアの売上において、企業向けのシステム販売が前期比大幅増となったものの、会計事務所向けのシステム販売と子会社の受託開発売上が減少したことによる。
 安定系の売上が伸びた理由は、会計事務所向けの総合保守サービスであるTVS(トータル・バリュー・サービス)と企業向けの「ソフト運用支援サービス」の収入増による。
 主要ソフト別の売上高は、ACELINK Naviシリーズ(会計事務所向け)14億4000万円(同18.4%減)、MJSLINKシリーズ(中小企業向けのERPシステム)12億4700万円(同19.4%増)、Galileoptシリーズ(中堅企業向けのERPシステム)1億6500万円(同11.5%増)とACELINK Naviシリーズは、リプレイス売上の減少により減収であったが、MJSLINKシリーズ、GalileoptシリーズはIFRS(国際会計基準)コンバージェンスや改正労働基準法にスピーディーに対応したことから増益となった。
 貸借対照表を見ると、短期借入金の返済等により流動負債は、54億7200万円(同3億6800万円減)、固定負債は社債の償還、借入金の返済等で11億1300万円(同3億2400万円減)、純資産は配当金の支払い、自己株式取得等により73億9500万円(同3億6600万円減)となり、自己資本比率は前期末比1.3ポイント改善し、52.9%となっている。

■今期の教育研修費用予算は前期比で3倍強

 第2四半期の決算説明の後、引き続き10年度の事業方針について説明が行われた。
 同社では、今後の安定成長と高収益体質を確立するために、顧客基盤の拡大、高収益体質への改革、経営基盤の強化と3つの達成目標を掲げている。
 まず、顧客基盤の拡大策として、会計事務所との関係を強化して顧問先企業へのアプローチを進め、廉価版の会計ソフトの拡販を行う。また、コンサルティング営業によるソリューションビジネスの強化も行う。一方で、IFRS対応をはじめとしたERP(統合型業務ソフトウェアのパッケージ製品)製品の機能を強化するとしている。
 高収益体質への改革法としては、製品ラインアップの統廃合、サービス品質の向上、サービス・コンテンツの拡充を推進する。また、保守サービスの高収益化策として、値引きの抑制と外注費削減を挙げている。
 経営基盤を強化する方法として、人材の育成・強化を取り上げている。次に、経営情報インフラの強化、業務改善等による総コスト削減を挙げている。今期の教育研修費用予算は前期比で3倍強となっていていることから、如何に人材の育成に力を入れているかが分かる。
 以上のことを実践することで、今通期連結業績予想は、売上高189億円(前期比0.3%増)、営業利益12億円(同2.6%増)、経常利益11億5000万円(同1.2%増)、純利益5億6000万円(同0.3%増)と増収増益を見込む。

■第2次中期経営計画(11年度〜13年度)の目標は、環境変化に対応するための技術基盤、経営基盤を確立

 今期の業績についての説明の後、同日発表された第2次中期経営計画(2011年度から2013年度)についても説明が行われた。
 中期経営計画のビジョンとして、「顧客基盤と安定収入の拡大に継続的に取り組むと共に、インターネット技術を利用した多様化するビジネスモデルをはじめ、様々な環境変化に柔軟に対応できる経営基盤を確立します」を掲げている。
 第1次中期経営計画(08年度〜10年度)は、安定的な収益基盤の確立、第2次中期経営計画(11年度〜13年度)は、環境変化に対応するための技術基盤、経営基盤の確立、第3次中期経営計画(14年度〜16年度)は、新しい価値創造へのチャレンジと具体的な目標を決めている。
 第1次、第2次、第3次の最終年度の売上高、経常利益、経常利益率は、10年度189億円、11億5000万円、6.1%、13年度205億円、21億5000万円、10.5%、16年度220億円、33億円、15.0%を目標としている。
 第2次中期経営計画の基本方針として、商品ラインアップの強化とサービス品質の向上、開発体制の抜本改革による画期的な新商品の市場投入、新規顧客拡大に向けた販売体制の改革と人材力の強化、新規事業創出のための基盤作り、生産性向上による収益力の強化とCSR活動の充実と5つの目標を掲げている。
 第1次中期計画は、リーマンショックの影響で、当初計画を下回ることになったが、既に、新しい目標を掲げ、具体的な方法を模索しながら、業績拡大を目指している。
 日本経済は停滞していて、新興国である中国、韓国の勢いに押されている状況である。日本が成長路線に戻るためには、中小企業の回復が必至である。ところが、現在中小企業の経営に対するIT投資は新興国に比較して遅れている。そのような状況の中で、同社は、中小企業のIT化を支援し、経営の最適化を促進している。

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