2009年11月05日

株式会社ウッドサークル:江頭修作社長に『免疫住宅』を聞く


 住宅不況の中で、『免疫住宅』が熱い注目を浴びている。手がけているのは、福岡県大川市に本社を置く、『株式会社ウッドサークル』(非上場・江頭修作社長)だ。最近、注目の鉄イオンを含む水、『FFC』(赤塚グループが開発)を、木材に磁気マイクロ製法によって注入、免疫性に優れた木材に仕上げ、住宅の内装材として使用する。既に、東京築地の癌センターでも使われている。今年は前年比20%増の2000棟への施工となる見通し。大学講師であり、地元市長を断って免疫住宅ビジネスに賭けた江頭修作社長に聞いた。

土壌などを活性化する技術『FFC』を木材に加え、その木材を使った住宅

――『免疫住宅』は、聞き慣れない言葉ですが、どのような住宅ですか。

【江頭社長】 「赤塚グループ」(本社三重県津市・赤塚充良社長)が開発した水、土壌などを活性化する技術『FFC』(フェラス・フェリック・クロライド)を木材に加え、その木材を使った住宅です。FFCで加工した内装材、家具等を使うことで、部屋におけるカビの発生を抑え、アレルギーにも効果があります。商標登録によって、免疫住宅を使うことができるのは当社だけです。

――最近、『FFC』はいろいろなところで目にしますし、話題になっていますね。飲用が多いと聞きましたが。

【江頭社長】 FFCは鉄イオンを含む水で制菌用、植物生育作用などがあることで、清涼飲料水、化粧品、水質改良、土壌改良などに広く用いられています。赤塚グループとアメリカ・ハーバード大学で共同研究が進められ、9月には東京国際フォーラムで大々的に学術研究発表が行われています。これまでは、飲用、植物向けなどが中心でしたが、工業用への応用は、当社の木材への利用が初めてです。

――免疫住宅の実績はどの程度ですか。

【江頭社長】 住宅の基礎、外壁など住宅を丸ごと手がけるわけではありません。4年くらい前から、最初は医療施設の床、壁、トイレなどを中心に手がけてきました。東京築地の癌センターにも実績があります。院内感染予防等に効果があります。最近では高速道路のサービスエリアでの内装、凛冽、キッチン、水回りに採用され、「空気がおいしい」と言われています。公共施設関係から民間のマンションリフォーム等などにも広がっています。今年は2000棟、前年比20%増の見通しです。

――FFCとの出会いは、どのようなことでしたか。

【江頭社長】 家内の病気見舞いに、飲用のFFC『パイロゲン』をもらったのが出会いです。5年間、健康を悪くしていましたので、ともかく1年間、飲んでみようと続けたら体調がかなり回復しました。また、説明書に植物の成育に効果ある、と記してありましたので、パイロゲンの空箱を水で漱いで花にやったところきれいな花が咲いた。不思議な気持ちで、当時、私は福岡大学の非常勤講師をやっていましたので、医学部のドクターに渡して調べてもらいました。4,5ヶ月後、産婦人科のドクターから胎盤を通過して羊水をきれいにする働きがある、飲んでも心配ないと言われました。植物に効果があるなら木材にも利用できるのではとの思いから九州芸術工科大学へ研究を依頼しました。

奈良の法隆寺に使われている材木からヒントを受けて

――なぜ、木材だったのですか。

【江頭社長】 当社は福岡県大川市で95年間、材木商を営んでいます。仏閣、仏像向けなどを中心に九州で販売しています。以前から疑問に思っていたことがありました。奈良の法隆寺に使われている材木は1400年前のもので、現在では、これほど長持ちする木材はありません。どこが違うのかと疑問に思っていました。結論としては、昔にはなかった、酸性雨が木材をだめにしているということです。木材の中に含まれている水分が酸性雨によって本来の働きを失っているのです。

――FFCをどのように木材に注入し処理されるのですか。

【江頭社長】 FFCをミスト(霧)状態として、加工室で85時間かけて、磁気マイクロ製法によって加工します。FFCには「酢」のほかに、酸化を抑える「ビタンミン」が含まれています。一方、樹液にも釘を錆びさせない「ミネラル」を含んでいます。このため、一旦、酢とビタミンを分離させて、そこへミネラルを加えます。飲用には酢は有用ですが、木材にはじゃまな存在です。昔は、鉄の釜でお湯を沸かして、鉄分を吸収していましたが、今はアルミ製品が中心で鉄分が不足しています。しかし、鉄分の錠剤を呑んでも体に吸収は難しいのです。鉄分をイオン化しないと吸収できません。赤塚のFFC『パイロゲン』は鉄イオンを含む健康水として注目を集めています。

――大学への依頼はいかがでしたか。

【江頭社長】 大学の敷地内に住宅を3棟建てるように言われました。2棟は同じ材料の住宅で、そのうち1棟にFFCを使ったもの。残りの1棟は建築基準法を満たした住宅という希望です。しかし、私どもの会社の規模では負担が大きすぎるため、大学の研究棟の中にそれぞれ3つの部屋を作りました。そこへ4人1チームで計12名の学生を1週間ずつ6ヶ月生活してもらいました。白血球などいろいろな検査の結果、FFC加工の生活者には、明らかに免疫力が安定することが分かり、『免疫住宅』として手がけることを決めました。空気を変える技術はすばらしいものです。

■当社の使命は『地方の木材文化は地方の工務店で担う』

――今後の展開はどのようにお考えですか。

【江頭社長】 『地方の木材文化は地方の工務店で担う』、これが当社の使命です。このため、加盟店の工務店グループの結束を強め、デザインから経営面に至るまで総合的な力をつけ信頼と安心感を得られるよう頑張って参ります。

――御社自体の展開はいかがでしょうか。たとえば、株式上場を目指されるとか。

【江頭社長】 現在、九州工場でFFC加工を行っています。将来の需要拡大を考えると九州を充実させる一方で関西、関東、北海道に拠点を置きたいと思っています。2,3年後には需要の大きい関東に工場を持つことになると思います。上場したい気持ちは持っています。実は、以前大川市の市長になることが決まりかけていましたが、断って、FFCでのビジネスを選びました。ビジネスで地方に貢献するという思いを達成するためにも、できれば、私の代で上場したい気持ちはあります。