2009年08月01日
創製から400年:『未病』効果で存在感高める養命酒

■養命酒の北園芳種取締役マーケティング部長に聞く

 テレビ・コマーシャル『未病』で、存在感を高めている養命酒。名前はよく知られていても、口にする人は意外と少なかった。女優原田美枝子さん演じる「未病効果」で40歳代の女性を中心に急速に関心が高まっている。今年秋には、アルコールフリーの生薬ドリンク剤の発売も予定している。北園芳種取締役マーケティング部長に『未病』戦略を聞いた。


■創製から400年、新たな展開期迎える

――テレビコマーシャルの『未病』は、多くの皆さんの目を引いていると思います。反応はいかがですか。

 【北園取締役】 年1回、「ブランド・パフォーマンス調査」を行っていますが、認知度は年々、着実にアップしています。『養命酒』の名前は、以前より、多くの皆さんに、よく知っていただいています。しかし、多くの皆さんにとって、養命酒が「身近であるか」といえば、必ずしもそうではなくギャップがありました。このギャップを埋めたい、という目標の中で『未病』という言葉を代理店さんとのタイアップでCMとしてプロモーションすることにしました。

――以前は、藤田まことさんだったと思いますが、『未病』はいつ頃からですか。

 【北園取締役】 藤田まことさんには17年くらいお願いしていました。女優の原田美枝子さんに『未病』でお願いして3年くらいになります。

――どの年齢の方が増えていますか。

 【北園取締役】 お飲みいただいている方々の中心は男女とも50歳代、60歳代が中心ですが、『未病』が認知されてきたことで40歳代の女性の方が増えています。毎月2000通程度のお便りをいただいています。その中で、「冷え症」に関する悩みやご意見もたくさんいただいています。

――独特の味ですね。

 【北園取締役】 配合されている生薬の独特のものです。皆さんが耳にされる芍薬(シャクヤク)、人参、杜仲(トチュウ)など14種類の生薬が配合されています。これらの組み合わせによって、単独で用いたときには見られない効能が現れます。これを、「生薬の協力作用」といいます。独特の匂い、味ですが、ビールを飲み始めた頃の苦い味と同じです。慣れてくると苦いビールの味が旨いものになります。実際、養命酒を久しぶりに飲んだ方が、「こんな味だったのか。意外と飲みやすい」とおっしゃることもあります。

――改めて、『未病』についてお願いします。

 【北園取締役】 病気というほどではないけれど、健康でもない状態を言います。健康診断などを受けても検査では異常はないけれど、なんとなく体がだるい、手足がしびれる、体が冷えてよく眠れない、寝起きが悪い、胃腸が弱り気味で食欲がない、顔色が悪い、といった状態です。ストレスの多い社会の中で体のバランスを崩すことが原因です。もともと、われわれの体は生理活動のバランスを保ち、常に健康でいようとする働きがあります。未病の改善には血流を改善し、体本来の力を高めることが大切です。薬用養命酒には効いていく仕組みがあります。「血行・血流を促進」、「生薬成分が体を巡る」、「新陳代謝を活発化」、「さまざまな症状を改善」する、という4つのステップがあります。われわれは、この効いていく仕組みをもっと広く知っていただくよう努めて参ります。

――養命酒の歴史はどのくらいですか。

 【北園取締役】 慶長7年(1602年)に現在の長野県上伊那郡の塩沢家当主によって創製されたと伝わります。『世の人々の健康長寿に尽くそう』との願いから「養命酒」と名付けられました。誕生して400年以上になります。これだけの長い期間、多くのお客様に「有効性」と「安全性」が試され続けている商品であるともいえます。社会が「安全・安心・自然」を求めるようになっている時代にもマッチしていける商品だと思います。

■今秋にはノンアルコールのドリンク剤を発売予定

――アルコールが入っているのは、どのような理由ですか。

 【北園取締役】 2つの理由があります。ひとつは、アルコールによって生薬の成分を抽出しやすいことがあります。もうひとつは飲んだときに体への吸収のスピードが速いことです。アルコール含有ですから一度に多く飲むのではなく、滋養強壮剤として毎日、少しずつ飲んでいただくことで効果があります。

――養命酒は飲みたいけど、アルコールはだめだという方もいらっしゃるのでは。

 【北園取締役】 そうですね。そのニーズには応えたいと思っています。生薬を配合して、しかもアルコールの入っていない滋養強壮のドリンク剤を今年秋に発売を予定しています。

――ありがとうございました。