2013年07月29日
決算情報メディアアイアール 日本インタビュ新聞社

山下医科器械:前13年5月期連結業績は増収大幅増益を達成


■売上高に関しては、上場来7期連続増収

 山下医科器械<3022>(東1)は、19日に前13年5月期決算説明会を開催した。

 前期の連結業績は、売上高471億80百万円(前年同期比6.3%増)、営業利益5億65百万円(同27.5%増)、経常利益6億53百万円(同24.3%増)、純利益4億2百万円(同98.9%増)と増収大幅増益を達成。

 売上高に関しては、上場来7期連続増収となった。この背景には、急性期施設への深耕が進み、手術用機器・低侵襲治療機器などの販売が順調に拡大していることが挙げられる。また、建替えに伴う設備工事・設備機器の受注が増加していることもある。更には、SPD(院内物流)契約の大規模急性期施設の通期貢献と、医療モールの賃料収入増などの要因もある。

 利益は大幅増益となっているが、売上総利益率はSPD比率の増加で若干下回った。しかし、従業員当たり生産性の効率化により、販管費の増加は抑制された。また、子会社はコスト削減により単体で営業利益を計上した。

 事業別の売上高は、医療機器販売事業469億7百万円(同6.4%増)、医療モール事業41百万円(同8.5%増)で両事業共に増収となった。医療機器販売事業では、医療機関に対する医療機器、医療材料の販売及び付帯するメンテナンス、施工管理、物品管理サービスなどを行っている。医療モール事業では、広島県福山市にある「東手城ヘルスモール」の運営と管理を行っている。

■一般消耗品は、構成比48%と最も売上高が多く、年々拡大

 医療機器販売事業を事業別に分けると、一般消耗品(人工関節類、手術用医療材料、輸液・輸血関連、医療用消耗品等)、一般機器(治療用機器、検査機器等)、低侵襲治療(内視鏡本体、消化器用・血管内治療用カテーテル(細管)・ステント(拡張機器)等)、メディカルサービス(設備工事、画像診断機器、医療機器メンテナンス、医療廃棄物収集等)、医療情報(医事会計用コンピューター・電子カルテル・医療機関内各種ICT機器)となっている。

 一般消耗品は、構成比48%と最も売上高が多く、226億50百万円(同7.8%増)と年々拡大している。

 一般機器分野は、構成比19%。急性期施設の深耕を進め、検査用・手術用機器の販売が拡大し、89億32百万円(同1.5%増)と増収。

 低侵襲治療分野の構成比は22.0%。売上高105億86百万円(同10.1%増)と順調に伸びている。

 メディカルサービス分野の構成比は8%。売上高35億86百万円(同20.9%増)と建て替え案件の増加に伴い、設備工事・画像診断機器の受注が拡大したことから大幅な増収であった。

 医療情報分野は構成比2%。得意とするレセプトコンピュータ・CR画像ファイリングシステムの競争が激化したことから11億52百万円(同32.0%減)となった。

 九州各県での売上高に関しては、福岡県134億4百万円、長崎県131億66百万円、佐賀県73億86百万円、熊本県51億2百万円、大分県41億37百万円、鹿児島県21億84百万円、宮崎県12億24百万円の順になっている。いずれの県においても売上高は拡大しているが、特に前期は売上高で創業の地である長崎県を九州最大の市場である福岡県が追い抜いており、福岡県におけるシェア拡大を経営の中核課題としてきた同社の戦略が成果を収めつつあるている。

 また、12年4月に実施された診療報酬改定の影響に関しては、顧客に対して付加価値の高い高機能製品への切り替えを提案する一方、償還価格の下落分を補填すべくメーカーとの仕入価格交渉を厳密に行ったことから、償還材料ベースでも増収・増益となった。

 今期の業績については、「福岡SPDセンター」の設立費用等で投資が嵩むことから連結業績は、売上高473億29百万円(前期比0.3%増)、営業利益4億22百万円(同25.3%減)、経常利益4億97百万円(同23.9%減)、純利益2億79百万円(同30.5%減)と増収減益を見込んでいる。

 しかし、12年5月期、13年5月期と2期連続で当初予想を大幅に上回る好業績で着地していることから、今期も当初予想を上回る可能性もある。

 配当に関しては、前期比15円減配の33円を見込んでいる。

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