2012年11月05日
決算情報メディアアイアール 日本インタビュ新聞社

アルコニックス:今期第2四半期は減収減益、レアアースの取扱大幅減


■自動車業界向け需要は堅調、家電、IT向けの需要は減少

 非鉄金属の専門商社アルコニックス<3036>(東1)は2日、今期13年3月期第2四半期連結業績を発表して、同日本社で決算説明会を開催した。

 今期第2四半期連結業績は、売上高885億29百万円(前年同期比19.8%減)、営業利益17億21百万円(同45.5%減)、経常利益20億15百万円(同42.3%減)、純利益10億15百万円(同48.3%減)と大幅減収減益となった。

 代表取締役社長正木英逸氏は、第2四半期業績を振り返り次のように語った。
「いささか今までと比べて業績が思わしくありませんので、心が重いのが現在の心境でございます。売上が前年同期に比べ19.8%減となります。経常利益は前期の35億円から約20億円に減少しました。自己資本比率は、22.2%と前年同期比の19.8%から若干改善しています。これは資産が減少したという効果が大きかったと思います。ネットの負債倍率は前回の0.9倍から1.0倍と多少数字が悪くなりました。一般に申し上げて、自動車業界向けの需要は堅調でありましたけれど、家電、IT向けの需要の減少及び特にレアメタルとりわけレアアースの取扱の大幅減少ということで、結果として売上、経常利益共に減少しました。トピックスとしましては、中国の金属加工会社への出資を行いまして、持分適用の子会社としました。出資比率は、当社35%で、金額として約3億円です。会社名は、恒基創富(こうきそうふ)金属製造有限公司という会社で、今後、アルミ、銅の金属加工に力を発揮してくれるだろうと期待しています。この合弁を通じて、新たな商流創出を確保していく方針です。今後、M&Aとか新たな事業投資とかを繰り返しまして、中期経営計画を達成していこうという強い気持ちを持っています」と語った。

■レアアースは、市況下落、及び国内主要取引先の在庫調整が続く

 第2四半期のセグメント別業績は、軽金属・銅製品は、売上高317億8百万円(同8.1%減)、セグメント利益4億48百万円(同22.3%減)、電子・機能材は売上高397億89百万円(同31.7%減)、セグメント利益14億16百万円(同49.5%減)、非鉄原料は売上高120億99百万円(同4.4%減)、セグメント利益62百万円(同1.2%減)、建設・産業資材は売上高49億32百万円(同1.9%減)、セグメント利益77百万円(同32.9%増)であった。

 セグメント別の状況については、軽金属・銅製品は、家電・IT向け需要の減少と国内子会社の減収減益により、減収減益となった。特に、利益面では通信機器分野の低調により国内連結子会社の利益減が響いた。

 電子・機能材については、スマートフォン、タブレット端末関連向けの電子材料の取扱が堅調に推移した。また、欧州向けチタン製品の輸出は増加した。前期業績のけん引役であったレアメタル・レアアースの分野では、世界的な景気減速を受けて、家電、IT産業向けの需要が大幅に減少した。特に、レアアースは、市況下落、及び国内主要取引先における在庫調整が続き、取扱減少、売上、利益共に大幅に減少した。

 非鉄原料は、主要取引先である自動車産業が、エコカー補助金政策の恩恵を受け、増産に転じたことから、アルミ再生地金等の輸入販売が堅調に推移した。一方、化学品用金属珪素は、需要家の最終製品の販売低迷に伴う在庫調整が継続されたことで取扱が減少した。

 建設・産業資材は、復興需要の遅れや民間設備投資の低迷等により、配管機材、銅合金素材の取扱は低調に推移したものの、前セグメントで唯一の増益を確保している。増益となった要因の一つには、赤字であった中国ダイカスト事業の合弁事業化による再構築が挙げられる。

■今後の営業収益力強化策として、コア事業である電子材料分野を更に強化

 今期連結業績予想は、第2四半期業績が低迷したことから、10月23日に下方修正を発表している。売上高は前回予想を390億円下回る1660億円(前期比24.8%減)、営業利益は11億円下回る28億円(同40.3%減)、経常利益は7億円下回る30億円(同33.3%減)、純利益は6億円下回る16億円(同34.7%減)を見込んでいる。

 しかし、中期経営計画の2年目である2014年3月期、3年目の2015年3月期の計画数値は当初予想を据え置いている。

 中期経営計画の数値達成を目指し、正木英逸社長は次のように語った。「投資計画は、M&Aを省きまして、事業投資で3年間で30億円から40億円、M&Aについては最近金額も増えていますので、この限りにあらずということでございます。それからROEは13%から15%程度です。まず営業収益力の強化策としは、やはり当社のコアの事業である電子材料分野を更に強化して行きます。レアアースを省いては、今期もどちらかというと利益も更に増えるという形になっています。残念ながらレアアースの取扱量の減少が響いて、全体的に減収となっています。この分野は利益の全体額も大きいし、伸びも期待できる分野だということで、ここに人的・資金的な資源を投入していきたいと思っています。強いところを更に強くしていこうということです。この分野は、特に素材を中心として、日本の技術と共に依然として世界に冠たる業界である分野であります。一方で、残念ながら海外移転が進んで、需要減が今のところ見られます。また、海外の資源の供給元から資源ナショナリズムが出てきています。また、これは悪いことではありませんが、省資源とか、代替品とかの動きが出ています。多少我々にはアゲインストの風が吹きますが、レアアース、レアメタル、また、それらを使った結晶材、金属粉末、液晶や電池の材料、半導体の周辺の材料、それからチタンやニッケルの最終製品であります機能材等について更に強化していきます。今期のこの分野での売上の見通しが690億円、経常利益が19億4000万円ということで、当社にとっては大きなコアの事業でありますので、この分野をケアしていきます。ちなみに、レアアースは去年の実績に比べて、今年は成績が50%ぐらいまで落ちることになります。今後もこの状態が続き、更に厳しい状態が予想されますが、この分野に力を入れる一方で、この分野の落ち込みを他の分野でカバーしていく方針です。そして中期経営計画を達成するという策を講じていきます」と説明した。

 更に、環境対応関連分野に注力し、主に太陽電池、燃料電池、電気自動車、ハイブリッドカー、環境対応ディーゼル等に向けた各種素材、及び省エネに繋がるLED用素材の取扱を拡大する一方、非鉄原料にとどまらないリサイクル事業を日本及び海外において積極的に展開する。

 また、海外事業展開にも注力し、地場取引の拡大、三国間ビジネスの拡大、海外拠点の拡大を挙げている。現在国内取引額は30%弱と減少していることから、海外での取引を拡大することで、国内の落ち込みをカバーする方針。

 この他には、短期間の業容拡大に有効であるM&Aも積極的に行う方針。更に、新たな商流を創出するために金属加工・販売事業への投資を重点施策として推進していく計画。

 今期第2四半期の業績は、レアアースの需要が減少し、価格も低下したことから大幅な減収減益となったため、株価も下げているが、株価指標は、PER3.34倍、PBR0.6倍、配当利回り4.65%と割安歴然。現在レアアースの代替品は出てきているが、採算面で合わない。そのため、レアアースの在庫調整終了と共に、価格の上昇も予想される。現在の株価は、投資のチャンスといえる。

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