2012年11月09日
決算情報メディアアイアール 日本インタビュ新聞社

テクマトリックスの第2四半期決算、次世代ファイアウォールは順調に成長


■受注は、9月単月、第2四半期、上半期で過去最高

 テクマトリックス<3762>(東2)は5日、今期13年3月期第2四半期決算説明会を開催した。同社代表取締役社長由利孝氏は第2四半期を振り返り次のように語った。

 「売上高は78億59百万円、前年同期比4.5%の増収となった。ITサービス、情報サービス業界は、グローバル経済の先行き不透明感に引きずられている面があり、リーマンショック前の状況にはまだ回復しているとは思えないが、当社の上半期は過去最高の売上高になった。前年度末の3月までにかなり受注が積み上がり、そのキャリーオーバーがあったため、この第1四半期の成績はまずまずの結果であったが、計画からはやや遅れ気味であった。しかし、この第2四半期に盛り返し、結果的に受注は、9月単月、第2四半期、上半期で過去最高となった。利益面については、営業利益が前年同期比12.6%増の5億25百万円、経常利益は為替差益等もあり10.7%増の5億49百万円、四半期純利益は29.7%増の2億89百万円ととなった。情報基盤事業は、上半期で過去最高の利益水準になった。アプリケーション・サービス事業は、昨年までは前半戦は水面下で後半戦に盛り返していたが、今期は、若干ではあるが前半から黒字となった。連結子会社は、5社中4社が黒字だった。沖縄クロス・ヘッドは、若干のマイナスになった。戦略的には、クラウドとセキュリティに関する事業を積極的に展開しており、業績も非常に好調である。セキュリティでは、特に、パルアルト・ネットワークス社の次世代ファイアウォール製品が順調に成長している。同社は、今年7月にニューヨーク証券取引所に上場したが、テクノロジー系の上場としては今期最大となると思われ、米国でも非常に注目度が高い。また、昨年の前半を振り返ると、3月に東日本の大震災が発生し、その後、企業のIT系インフラ補強やクラウドサービスの活用など、当社の情報基盤事業に特需的な要素が発生した。従って、今期の上半期はハードルが高いと感じていたが、結果的に去年を上回ることが出来た。地方経済は必ずしも良くないが、当社の地方拠点で行っている情報基盤事業と医療分野(アプリケーション・サービス事業)は、両方とも当社の売上、利益に貢献している。」

■主力の負荷分散装置が複数の大型案件の受注に成功

 情報基盤事業の今期のハイライトとしては、主力の負荷分散装置が複数の大型案件の受注に成功したことが挙げられる。また、サイバー攻撃の脅威の高まりにより、次世代ファイアウォール製品が堅調で、官公庁向けの大型商談の受注に成功している。更に、個人認証システム、統合ログ管理アプライアンス、Webサイト脆弱性監査ツール、ネットワークインテグレーションなどの販売も堅調である。一方、子会社のクロス・ヘッドは保守、運用・監視サービスの引き合いは堅調であるが、技術要員の人手不足が発生している。子会社のNCLCについては、セキュリティ製品販売が堅調で、ネットワーク仮想化技術に対応した次世代ネットワーク機器製品の販売が順調に立ち上がり始めている。

 アプリケーション・サービス事業のハイライトとしては、インターネットサービス分野で、スマートフォン関連のシステム開発案件等、既存顧客を中心に堅調に推進しているが、不採算案件も発生していることから採算面でやや苦戦している。子会社のカサレアルは、教育事業及び既存顧客からの継続的な受託開発があり、好調に推移している。金融分野では、既存プロジェクトの採算が悪化し、新規案件の獲得においても苦戦している。ソフトウェア品質保証分野では、組込みソフトウェアに関する品質向上、機能安全の必要性の浸透による需要の高まりは継続している。しかし、長期化する円高や欧州危機の影響から、製造業などへの販売にやや苦戦。医療分野では、4月に販売開始した新クラウドサービス「NOBORI」の引き合いが好調である。また、堅調な更新需要により売上・採算面共に復調の傾向にある。子会社の医知悟はクラウド需要の高まりもあり、契約施設数などを順調に増やしている。下期以降も受注の拡大を見込んでいる。CRM(顧客管理)分野では、大手システム・インテグレーターとの業務提携やクラウド需要の増加等により大型案件も増加していて、順調に売上を伸ばしている。

■今後の取り組みはクラウド関連事業の戦略的・加速度的な推進と、セキュリティ&セイフティの2つ

 今期通期の連結業績予想は、売上高160億円(前期比4.7%増)、営業利益10億60百万円(同9.1%増)、経常利益10億60百万円(同4.7%増)、当期純利益5億円(同15.9%増)と増収増益を見込んでいる。下半期の業績は、上半期に例年よりも大幅に受注を積み上げたことから第3四半期は期待が持てるものの、第4四半期は、円高、欧州危機、中国や新興国経済の下振れ懸念など、不透明な部分が多いため、通期業績予想の上方修正は行っていない。ただこれはかなり保守的に見ている模様。

 今通期業績予想を達成するための取り組みとして、由利孝社長は以下のように語った。

 「戦略的な取り組みとしては2つある。1つ目は、クラウド関連事業の戦略的・加速度的な推進である。アプリケーション・サービス事業が中心となるが、自社開発したパッケージ製品をクラウド型にして、我々が主体的にクラウド事業を展開する。具体的には、コールセンターの顧客・履歴管理システムである「ファストクラウド」、医用画像等の医療情報をクラウドで保管・活用・共有できる「NOBORI」、ネットショップのバックオフィスを一元管理する「楽楽バックオフィス」等がある。また、子会社のNCLCはNTTデータと業務提携を行い、ネットワークの仮想化技術の普及を推進している。

 2つ目は、セキュリティ&セイフティの追及である。セキュリティについては、最近騒がれているサイバー攻撃や情報漏えいなどの問題に対する対策や技術を提供していく。例えば、遠隔操作によってパソコンを操作され、誤認逮捕された事件があった。これは最近広まっているルートキットという技術で、相手のパソコンに侵入し、相手に気付かれないまま不正行為を行ったり、情報を抜き取ったりした。また、フィッシング事件も注目された。金融機関のネットサービスに似たページを作り、アクセスさせてパスワード入力させ、その情報を抜き取って、正式なネットサービスにおいて情報やお金を取り出した。このような脅威に対して、この上半期にはセキュリティ監視サービスを開始した。24時間365日有人監視を行い、攻撃か正常かの判断が困難なグレーゾーン通信を分析する。

 セイフティとしては、現在、自動車、家電、医療機器、電子機器など全てにソフトウェアが組込まれているが、これらをテストするなど、ソフトウェアの安全性を確保・向上することに注力していく。」

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