2013年05月15日
決算情報メディアアイアール 日本インタビュ新聞社

GMОクラウド:第1四半期で子会社グローバルサイン社の業績が急伸


■5月よりタイでホスティング事業を開始

 GMOクラウド<3788>(東マ)の今期13年12月期第1四半期連結業績は、売上高24億63百万円(前年同期比4.9%増)、営業利益2億65百万円(同3.6%増)、経常利益2億68百万円(同2.0%増)、純利益1億25百万円(同6.8%減)と増収により営業・経常利益共に増益となった。最終利益の減益は、グローバルサイン社の業績が急伸していることから、債務超過解消により少数株主持分利益が急増した影響によるもので一過性のもの。

 代表取締役社長青山満氏は第1四半期の取組から語り始めた。「ホスティング事業では、今年の5月よりタイでホスティング事業を開始します。現在会社設立準備中で、おそらく5月の下旬までには登記が完了する予定です。それから2年前の2011年の6月にスタートしておりますクラウドサービスは、順調に顧客数を伸ばしてきていまして、現在1800社を超えてきている状況であります。セキュリティサービスにつきましては、非常に大きなトピックスとしてネット選挙があります。今年の夏以降のネット上での選挙活動の解禁となるため、これに合わせて私達は、国会議員・政党向けの認証シールの発行を開始しています。それからロシアの営業所を開設しました。ロシアにおいても事業は順調に進んできています。また、ソリューションサービス事業につきましては、コミュニケーションテレコム社の商号をGMОデジタルラボに変更しました。更に、スピード翻訳事業において、指名翻訳サービスを開始しました。」と第1四半期のトピックスを紹介した。

■事業規模の拡大と共に業績も上昇

 セグメント別の第1四半期の業績は、ホスティング事業の売上高16億33百万円(同1.1%減)、営業利益1億13百万円(同27.9%減)、セキュリティ事業の売上高6億52百万円(同26.2%増)、営業利益1億44百万円(同110.6%増)、ソリューション事業の売上高は2億3百万円(同5.6%減)、営業利益7百万円(同74.7%減)であった。セキュリティ事業の利益が倍増しているのが際立っている。

 前期の第4四半期に対する今期第1四半期の業績を比較すると売上高3.6%増、営業利益11.2%増、経常利益17.2%増、純利益5.9%増と順調に伸びている。事業規模の拡大と共に業績も上昇している

 連結貸借対照表に関しては、「現金は32億86百万円と約2億7000万円減少していますが、これは法人税・配当を支払ったことによるものです。有形固定資産は9億3000万円と約1億2000万円増加していますが、これは主にクラウドサービスに対する設備投資でございます。のれんにつきましては5億8300万円と8500万円減少しています。セキュリティ関連ののれんが今年いっぱいで終わる予定です。2年後にはホスティングについても終了する予定です。今後、のれんの償却は急速に進みます。」と語った。

■ゲーム向けのプラットフォームPhotonCloudをスタート

 今期13年12月期連結業績予想は、売上高99億10百万円(前期比5.3%増)、営業利益10億83百万円(同11.4%増)、経常利益10億80百万円(同11.2%増)、純利益6億26百万円(同19.7%増)と増収2ケタ増益を見込んでいる。

 今期の業績を達成するための各事業の取組について、「ホスティング事業では先程申しましたように、この5月でタイでの事業を開始します。サービスの内容は、パブリッククラウドサービス、各種ホスティングサービスを開始してまいります。クラウドの中心はIaaSなのですが、それにさらに付加価値を付けて販売を開始するために、PaaSサービスを立ち上げます。特にこの第1四半期でスタートしましたのは、PhotonCloudといいまして、ゲーム向けのプラットフォームです。オンラインゲームの開発基盤の中で、即開発ができて、この開発を即座にサービスに反映できる非常にシンプルなサービスです。大きなゲームベンダーさんは別として、中小のゲームベンダーさんは1から全てを自社で構築するというのは難しいので、それを簡単に提供できるプラットフォームをオペレートするサービスです。これはドイツの会社と提携して開始しています。日本だけではなく、今後アジアについても展開していく予定です。更にパブリッククラウド、プライベートサービス共にサービスの強化を進めてまいります。また、第1回ビジネスクラウド総合評価調査で最高級のAAAサービスに選定されました。」とホスティング事業の取組とトピックスについて説明した。

■セキュリティサービス事業の通期予想に対する第1四半期の営業利益の進捗率は42.5%

 セキュリティサービス事業については、第1四半期の業績が急激に拡大しているように順調である。海外で大口の案件が取れたことにより、利益率が高くなり、通期予想に対する第1四半期の営業利益の進捗率は42.5%と、当初予想スピードをはるかに上回るペースで推移している。トピックスとしては、「情報セキュリティグローバルエクセレントアワード2013」のSSL部門での金賞を受賞、代理店数の順調な拡大等が挙げられるが、最も注目を集めているのが、ネット選挙解禁に伴う同社のセキュリティサービスである。ネット選挙について、青山満社長は以下のように語った。

 「ネット選挙の中で一番脅威であるのは"なりすまし"であります。"なりすまし"を防ぐ唯一の手段ということで、電子証明書というものが存在します。私共は、この電子証明書を政党の公式サイト、国会議員の公式サイト、そして新しく立候補する候補者のサイトに向けた3種類の認証シールを今回サービスとして提供しています。既に私共の認証シールを貼っていただいている議員さんなどもございます。代表的なところでは、安倍首相が既にホームページに貼っています。その他にも非常に多くの議員さんが貼り始めています。私共のサービスは、基本的には政党向けの証明書については、無料でお配りしています。すべて寄付させていただいております。政党、国会議員、候補者全て無料でございます。一方で電子メールに付けるクライアント証明書については若干のサービス料金をいただくという方針でございます。」と説明した。

 導入を決定している政党は、自民党、民主党、日本維新の会、みんなの党、社民党、他の政党。

 ソリューションサービス事業は、デジタルラボ静岡支店を3月に開設したことで、札幌本社、仙台、新潟と合わせて4拠点となっている。スピード翻訳サービスでは、担当する翻訳者を直接指名できる「指名翻訳サービス」を開始している。会員数は順調に増えていて、第1四半期末の会員数は1万8,304となっている。

 ネット選挙の主力銘柄として注目を浴びていることやグローバル展開の進展から、株価は上昇し、9日には年初来最高値18万7,900円を付けている。7月の参議院選が近づくと共に、益々注目を集めそうである。

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