2010年12月21日


ティー・ワイ・オーは第1四半期連結業績は減収ながら、大幅増益で黒字転換
■原価率、販管比率が改善
CM制作を主事業とするティー・ワイ・オー<4358>(JQS)は、14日に今11年7月期第1四半期連結業績を発表した。売上高47億5100万円(前年同期比22.7%減)、営業利益2億3300万円(同3.3倍)、経常利益1億6400万円(前年同期△1500万円)、純利益7900万円(同△2億6200万円)と減収ながら、大幅増益で黒字転換となった。
減収となった要因は、円谷プロダクションとデジタル・フロンティアを連結対象企業から除外したことによる影響。大幅増益は、原価率、販管比率が改善したことによる。
第1四半期が大幅増益で黒字転換の好決算の発表であったにもかかわらず、翌日15日の株価は、僅か1円高の50円で引けた。
■ピーク時で47社もあった子会社を現在の16社までに削減
同社は、82年スタッフ6名でCM制作会社としてスタート。87年には制作したCMが「カンヌ国際広告映画祭」で金賞を獲得。89年には日本のCM業界で最高の栄誉である「全日本CM大賞」を受賞するなど業界での地位を確立している。90年にはオリバー・ストーンプロデュース、吉田博昭(現代表取締役社長)監督で日本人初監督によるハリウッド映画「アイアン・メイズ」を製作。2000年にグループ企業価値の最大化のために、事業部門を分社化。02年に現アイ・ディ事業部を設立し、WEB制作事業を開始。同年ジャスダック市場に上場を果たしている。その後事業規模の拡大と共に収益も伸びてきたが、08年の最高益更新達成後、翌09年7月期、10年7月期と2期連続の赤字決算となっている。原因は、不採算部門であったゲームソフト事業から撤退したことで、26億円を特別損失として計上したことによる。
会社再建策として、同社では、ピーク時で47社もあった子会社を現在の16社までに削減する一方で、財務基盤を強化するために13億円の第三者割当増資を発表している。
■販管比は9億8000万円と前年同期比で4億2000万円減少
14日の第1四半期連結業績に表れているように、同社の経営の効率化は着実に実現している。
大幅増益となった要因は、原価率、販管費率が改善したことが大きい。中でも販管費率は2.2ポイントと大幅に改善し、9億8000万円と前年同期比で4億2000万円減少している。これほど大幅に削減できた理由は、「取締役会で子会社の各代表者がどれほど経費を削減するかコミットメントし、実行したからです」(同社IR担当者)と販管費削減の背景を紹介した。
また、09年、10年と2期連続赤字決算の最大の原因であったゲーム事業からの撤退による26億円の特損は、前期でほぼ完了しているため、今期の業績には影響を与えない。
■有利子負債は123億円から87億円まで削減
一方、自己資本比率は、3%と低いが、現金及び預金は29億3500万円あることから、「当社の経費は主に人件費ですから、手元資金としては充分といえます」(同社IR担当者)と資金不足の不安は無い。更に、12月30日に増資による資金が入ると、自己資本比率は12%となり、大幅に改善する見通しである。
また、法人税の支払方法もグループでまとめて支払うことになり、法人税の適正化が実現している。前第1四半期は、子会社がそれぞれ単独で法人税を支払っていたことから、税引き前利益が△1億1300万円と赤字であったにもかかわらず、1億3700万円支払っている。ところが今第1四半期は、税引き前利益1億円に対して、法人税3000万円と大幅に下がっている。
有利子負債については、前第1四半期は123億円あったが、今第1四半期には87億円まで削減。それに伴い、支払い金利の負担も減少している。
■第2四半期の利益面での上方修正の可能性は高い
業績については、不採算のゲーム部門から撤退し、リスクを伴う映画部門も縮小している。主力のCM事業は、3ヶ月から4ヶ月サイクルで売上が確保できることから、業績の見通しはより正確となっている。
また、10年に主力事業であるTV−CM、WEBなどの広告会社を合併し、事業部制に移行して、クライアントニーズに応えられる体制をつくりだした。
更に、同社の経営陣は、CMに長年携わっている業界の著名人であることから、営業の面において優位といえる。
第1四半期の業績は、大幅増益で、好スタートを切ったが、第2四半期の業績予想は、売上高105億円(前年同期比22.7%減)、営業利益3億6000万円(同9.3%減)、経常利益1億円(同41.7%減)、純利益500万円(前年同期△5億7600万円)と営業利益、経常利益は前年同期を下回ると見込んでいる。
ところが、第1四半期の進捗率は、売上高45.2%、営業利益64.7%、経常利益164%、純利益15.8倍となっている。
売上高の進捗率が45.2%であるが、「過去の実績を見れば、第2四半期、第4四半期の売上の比重は大きいといえます」(同社IR担当者)とのことで、売上高の達成は期待できる。
また、利益面については、不採算部門は一掃し、利益の出る体質になっていることから、利益面で第2四半期に落ち込む理由は見当たらない。従って、第2四半期の利益面での上方修正の可能性は高い。
20日の株価は、前日比3円安の49円で引けている。企業再建計画は着実に実行に移され、第1四半期に大幅増益という成果を出していることを踏まえれば、絶好の買い場といえる。

