今年のアミューズメント業界は、風営法の厳格化、任天堂Wiiに代表される家庭用ゲーム機の伸長、ガソリンの一時的な爆騰、サブプライムローン問題の表面化による消費不況といった所謂4重苦の影響が益々重くのしかかっている。そのような厳しい環境なので、業界のほとんどの企業が消極策で対処しているが、唯一積極策を推進し、これまでにない多店舗出店(10月までに18店舗)を実施し注目を浴びているのがアドアーズ<4712>(JQ)である。同社の第2四半期決算説明会が12月2日に開催された。11月12日に09年3月期第2四半期業績は発表されているように、売上高127億4700万円(前年同期比10.8%増)、経常利益6億3000万円(同53.6%減)、純利益3億4800万円(同46.2%減)と2ケタ増収ながら大幅減益となっている。
2ケタ増収は新店効果と各種施設開発・設計施工業の業績が順調であったことによるが、利益面で大幅に減益となっているのは、既存店の売上が対前年同期比で減少していることと出店費用が嵩んだことによる影響である。
同社は、不動産市況が冷え込んだことで、好立地の駅前店舗への出店が可能となり、既存店とのドミナント戦略で駅前の好市場を独占できることから、チャンスを逃さずに積極的に駅前に出店すると共に、一方で、機器の大型化、高額化でビジネスモデルを見直す同業者他社の店舗も好条件で譲受するなど、ローリスク・ローコストで中長期の高収益安定マーケットの確保を進めた。その結果、同社を除く業界上位4社の首都圏駅前好立地店舗数の全店舗数に対する比率は20%であるのに比べて、同社は80%と圧倒的に高収益の店舗数が多くなった。ピンチをチャンスと捉えたこの積極策が、今後大きな成果をもたらすものと期待される。
同社の事業は、AM(アミューズメント)施設運営、各種施設開発・設計施工、レンタル、不動産の4事業に分けられる。事業別の売上高と営業利益を見ると、AM施設運営の売上高は102億1800万円(同7.4%増)、営業利益7億5100万円(同53.6%減)、各種施設開発・設計施工の売上高20億9400万円(同66.6%増)、営業利益3億9000万円(同807.0%増)、レンタル事業の売上高1億9400万円(同59.8%減)、営業利益3500万円(同12.5%減)、不動産事業の売上高2億3900万円(同5.9%減)、営業利益100万円(同91.7%減)となっている。
9月までに既に13店舗の新規出店を完了していることから、出店費用が嵩み、9月中間期の有利子負債は195億6400万円(前年同期146億5200万円)と大きく膨らんでいるが、今期末までには、160億円程度に削減する計画。また、既に首都圏の重要拠点を確保したことから、下期以降の出店は控える方針。
上期の同社の総括としては、当初、大手のリストラクチャリングが影響する程度の地方・郊外店舗の弱含みを予測していたが、駅前型の店舗に影響したのは予想外であり、金融機関を取り巻く情勢の変化も想定外であったとしている。
下期以降の環境は、消費・市況不安でマーケット規模は10%シュリンクして、市場規模の縮小と共に金融停滞により中小規模の淘汰が本格化し、勝ち残る企業は、「資本力」・「知名度」・「ビジネスモデルの変化対応力」を備えた企業だけが生き残ると見ている。そこで、重要視されるのは、接客力、提案力といったサービスであり、そのために人材の育成、接客サービスの強化をこれまで以上に徹底する方針。
通期業績予想は、売上高250億円(前期比10.0%増)、経常利益16億2500万円(同15.3%減)、純利益8億3000万円(同0.3%増)を見込む。
同社は1967年に輸入娯楽を中心とした日本初のゲーム機設置業としてスタートしたゲーム業界のパイオニアである。今期、ラジコンサーキット運営およびパーツ販売、児童向け遊具施設を併設したり、カジノゲームラウンジフロアを有する店舗を銀座に出店するなど新たな業態店舗にチャレンジする前向きな姿勢が社風に残されている。チャンスを逃さず、積極的に出店したこともその表れといえる。
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