2012年10月30日
決算情報メディアアイアール 日本インタビュ新聞社

JFEシステムズ:第2四半期連結業績は増収大幅増益


■一般顧客向けのSIが増加

JFEシステムズ JFEシステムズ<4832>(東2)は25日、今3月期第2四半期連結業績を発表し、同日決算説明会を開催した。

 第2四半期連結業績は、売上高160億76百万円(前年同期比4.6%増)、営業利益2億11百万円(同18.0%増)、経常利益2億23百万円(同67.9%増)、純利益1億14百万円(同84.0%増)と増収大幅増益であった。

 代表取締役社長菊川裕幸氏は、上半期の概況、今期の見通し、中期重点施策の進捗状況と今後の取り組みについて語った。

 主力である鉄鋼事業の売上高は、JFEスチール向けの案件が横這いであったが、JFEグループ向け案件が上期集中したことで増加した。一方、外販事業では、一般顧客向けのSI(システム・インテグレーション)が増加した。そのため、鉄鋼事業の要員を外販事業へシフトし、外販拡大の戦力として人材育成策を実行中である。

 事業別の売上高は、鉄鋼事業87億円(前年同期比3.6%増)、一般顧客向けSI事業40億円(同11.5%増)、プロダクト・ソリューション事業15億円(同1.9%減)、連結子会社寄与分19億円(同1.2%増)。

 連結経常利益については、鉄鋼案件の構成変化で利益率が低下した。しかし、JFEグループ向けの売上増で収益は向上した。外販事業の収益も向上した。一方、鉄鋼の要員を外販事業へシフトしたことで稼働率低下によるコスト発生を吸収している。その結果、当初計画の1億80百万円を43百万円上回る2億23百万円となった。

■通期業績の売上高は、一般顧客向け拡販戦略で外販事業の増加を見込む

 今期の通期業績見通しとしては、売上高は、一般顧客向け提案による拡販戦略で外販事業の増加を見込む。利益については、経営環境の不透明さを考慮し、微増と見ている。その結果、13年3月期連結業績は、売上高342億円(前期比4.4%増)、営業利益8億60百万円(同2.1%減)、経常利益8億60百万円(同2.2%増)、純利益4億60百万円(同30.7%増)を見込んでいる。

 事業別の売上高は、鉄鋼事業179億円(同0.0%増)、一般顧客向けSI事業83億円(同10.0%増)、プロダクト・ソリューション事業37億円(同9.7%増)、連結子会社寄与分42億円(同9.4%増)を予想している。

 連結経常利益については、鉄鋼案件の構成変化で利益率が低下すると見ているが、これを外販事業の収益向上でカバーする計画。

■鉄鋼事業を梃子にした体質の強化

 中期重点施策の推進状況と今後の取り組みについての説明が行われた。中期重点課題として、鉄鋼事業を梃子にした体質の強化、SI事業基盤の強化・拡大、プロダクト事業の更なる成長、施策推進の核となる上流人材の育成と4つの課題を掲げている。また、以上の課題に取り組むことで、中期目標として、2014年度売上高380億円、経常利益率5%の達成を目指している。

 鉄鋼事業を梃子にした体質の強化の狙いは、組織、地域を越えて、システムの共通化への課題を研究することである。このシステムの共通化を通じて、技術の集約、他地区への技術のトランスファーの実現、全社最適な要員編成、知識・ノウハウの集約による業務の効率化、統一開発標準の浸透を実現し、企業体質の強化を図る。

 現在の具体的な検討テーマとしては、ベトナムの高炉一貫製鉄所システム構築、JSGT(タイ)の自動車用溶融亜鉛めっきラインのシステム構築、生産管理システムの共通化、顧客とのSCM(サプライ・チェーン・マネジメント)連携、出荷納入の一元化等が挙げられる。中でも、JSGTのシステム構築では、「Dynamics AX(ダイナミクスエーエックス、グローバルERP)」や「J−CCOREs(ジェー・シー・コアーズ、原価採算管理)」など同社が一般顧客向けに展開しているソリューションを中心に、工場の生産ラインを管理する新MES(マニファクチャリング・エギュゼクション・システム)をリンクさせた現地システムと、JFEスチール本社の製品情報DB(データベース)や一貫品質管理DBを連携させたグローバル対応システムを構築。このシステムをコアとして今後のJFEスチールの海外プロジェクトに適用していくとともに、外販の製造業向けにも展開していく予定である。

■SI事業では、自動車顧客の領域で売上を拡大すると共に、新規領域に参入

 SI事業基盤の強化・拡大に関しては、重点顧客における領域拡大と新規SI開拓の2点を挙げている。重点顧客における領域拡大では、鉄鋼より要員を8名シフトして、自動車顧客の担当領域で売上を拡大すると共に、高評価、信頼感をベースにして新規領域に参入する取組みを行っている。今後は、電機、通信顧客向けの売上が減少しているため、自動車顧客へより重点を置いた戦略を強化し、保守・維持の獲得による安定収益基盤の構築を目指す。また、今後の拡大分野への積極的な体制の提案活動も行っていく方針。

 新規SI開拓についても、鉄鋼より14名をシフトして、複合ソリューションの提案と巡回営業を強化することで新規顧客の開拓に努めている。今期は、ERP(統合基幹業務システム)、BI(ビジネス・インテリジェンス)のビジネス基盤を強化したことで、収益が向上している。また、ローコストERPと実績のある自社ソリューションを組み合わせた複合ソリューションを提案している。更に営業面では、巡回営業によるアプローチで、上流フェーズからの参画で新規案件を獲得している。今後も、これらの取組を強化し、プロセス型製造業(金属、化学製品、医薬品、飲食品など原材料の混合、分離、形成、化学反応などにより製品を製造)顧客などの引き合い案件を着実に受注することを計画している。

■プロダクト事業では食品業界に対して、ソリューション強化と拡大を目指す

 プロダクト事業の更なる成長に関しては、食品ソリューション事業において、原材料の配合、表示に関する法規制へのきめ細かい対応ニーズの拡大を背景に、ソリューションの強化と拡大に取り組んでいる。中でも品質管理システム「Mercrius(メルクリウス)」と配合管理システム「Quebel(キューベル)」を統合し、品質管理トータルソリューション「MerQurius(メルクリウス)」として提案を推進している。さらに食品業界のフードチェーンの情報連携促進に向けて「MerQuriusネットサービス」を立ち上げている。今後は、引き続き食品業界のニーズに対応したソリューションを提案しながら、「MerQurius」ブランドの浸透を図る計画。今期の売上高は、9億円(前期7億円)を見込んでいる。

 更に、電子帳簿保存法対応の要件の明確化に伴い、企業の電子帳簿データ活用ニーズが高まっており、帳簿データ保存ソリューション「DataDelivery(データデリバリー)」の販売を本格化させている。今後も帳簿データ保存ソリューションの展開を拡大していくと共に、商品の進化、競争力強化のために商品改良を継続するとしている。今期の売上高は10億円(同9億円)を見込む。

■それぞれの事業を連携・融合させ、JFEシステムズの強みを活かした事業戦略を推進

 これまで述べてきたJFEシステムズの事業の三本柱である「鉄鋼システム事業」、「一般顧客向けSI事業」、「プロダクト・ソリューション事業」はそれぞれ特徴ある事業として強化していくと同時に、互いに連携・融合させてJFEシステムズならではの強みとし、中期事業戦略の実現につなげていきたいと考えている。

 鉄鋼システム事業で進めている開発標準の統一、レベルアップの活動成果や新統合システム「J−Smile」のJAVAバージョンアップの技術・ノウハウは「一般顧客向けSI事業」に横展開し、重点顧客における領域拡大などに活かしている。また、プロダクト・ソリューションに関しても、鉄鋼と外販での相互活用を進めることにより、双方で適用した知見を集約し、商品の競争力向上につなげている。そして「SI」と「プロダクト・ソリューション」を組み合わせてJFEシステムズならではの「ERPを核としたトータルソリューション」として提案することで、顧客の経営課題解決をサポートし、新規案件の獲得につなげていくことを目指している。



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