2012年05月22日
決算情報メディアアイアール 日本インタビュ新聞社

ぱど:大震災の影響を跳ね返し、黒字転換を果たす


■第4四半期は過去3年間で最高の利益を達成

ぱど 無料情報誌ののぱど<4833>(JQG)は18日、12年3月期決算説明会を開催した。

 12年3月期連結業績の売上高は78億67百万円(前年同期4.6%減)、営業利益23百万円(前年同期△1億84百万円)、経常利益50百万円(同△1億72百万円)、純利益27百万円(同△2億67百万円)と大震災の影響を跳ね返し、減収ながら黒字転換を果たした。

 12年3月期の四半期毎の経常利益の推移は、第1四半期△94百万円、第2四半期21百万円、第3四半期20百万円、第4四半期1億4百万円であった。第1四半期は大震災の直後であり、その影響から大幅な赤字となっていたが、その後は黒字転換しているように、震災の影響を克服している。特に第4四半期は過去3年間で最高の利益を達成した。

 セグメント別の売上高は、情報誌関連54億68百万円(前年同期比5.1%減)、配布関連8億76百万円(同8.2%減)、FC関連2億42百万円(11.9%減)、Webメディアへの広告掲載等を行う営業支援関連7億38百万円(同3.0%増)、その他(広告制作物<チラシ・ポスター・行政広報・パンフレット等>のデザイン・制作・印刷の受注等)5億41百万円(同1.1%増)であった。

 情報誌関連、配布関連は、隔週刊から月刊への発行サイクル変更地域があったこと等から減収となった。また、FCによる情報誌発行地域でも同様に発行サイクルが長くなった影響で減収となっている。

 総資産33億83百万円(同1.2%増)、純資産6億37百万円(同4.6%増)となり、自己資本比率は17.8%と0.7ポイント改善している。

■代表取締役社長倉橋泰氏 震災当時を振り返る

 11年3月期は、3月11日に大震災が発生したことから、収穫期として期待していた第4四半期も赤字となり減収大幅減益の赤字転落となったが、今期は大震災の影響があったものの黒字転換を果たした。代表取締役社長倉橋泰氏は当時を振り返り次のように語った。

 「大震災の影響で、当社は壊滅的なダメージを受けてしまいました。仙台ぱどでは、3月18日号があり、仙台ぱど始まって以来の売上だったのですが、11日の震災で発行できなくなったため、売上がゼロになってしまいました。4月に入りまして、何とか4月15日で発行はしましたが、1カ月分の売上が全部吹っ飛んでしまいました。首都圏におきましても、広告はキャンセル、イベントの自粛続きで全く先が見えない状況でありました。それに加えて、計画停電のうわさが流れて何時電気が止まるか分からないとう状況で、広告を出しても店が開けられないということからキャンセルのラッシュを喰らってしまいました。その前の11年3月期は決していい数字ではありませんでしたが、第1四半期、第2四半期、第3四半期はコンピューターに対する投資を結構行っていましたので、第4四半期でドーンと取り返す計画で、3月は特需の時期ですから1億円の利益を上げる計画でした。ところが震災の発生で逆に6000万円の赤字となり、最終利益で2億67百万円の赤字を出しました」と震災直後の被害を語った。

■『震災の復興は経済の復興から』キャンペーンを実施

 「先程申し上げました広告の自粛・キャンセルで第1四半期は惨憺たるものでした。4月、5月は目も当てられない数字で、この広告のキャンセルからどの様にして持ち直したかというと、経済を止めてはいけないということで、『震災の復興は経済の復興から』というスローガンを作りました。仙台では震災後1週間で、『現在営業しているお店』を無料掲載するサイトを作りました。全てのお客さんに様子を聞いて、営業できるところには無料のサイトを作りましたので掲載させて下さいと頼みました。お取引の無かったお客様にも依頼しました。そして4月1日には、紙1枚の臨時号を発行しました。営業しているお店の案内を掲載し、スーパー、駅前で20万枚配布しました。この行動が結構感謝されまして、4月15日に再開した時は、そこそこの売上でスタートすることが出来ました。ほかの媒体さんは2カ月以上休刊になっている状況の中で、当社が最初に発行したことで、ある程度シェアを獲得することが出来ました。結果的に、仙台は絶好調ということです」と巻き返した原因を説明。

■新媒体『まみたん』を発行

 「首都圏も『震災の復興は経済の復興から』というスローガンのもと、積極的に営業を行いました。それでもお客様は一時的に減少しましたので、ぱど誌面が薄くなりました。それではやっていけませんので、隔週刊は月刊に変えました。2回運ぶところを1回にして、コストダウンを行い利益を絞り出すようにしました。それから『まみたん』という新媒体を創刊いたしました。大阪地区ではテストを行っていたのですが、幼稚園、保育園に配る媒体です。0歳から6歳児の子供を育てているお母さんをターゲットとして、幼稚園、保育園に持っていって連絡袋に詰めてもらいます。お母さんに見てもらうための媒体です。ぱどを隔週刊から月刊化したことの埋め合わせもあり、ぱどとは違う配布形態で顧客にリーチしています。『まみたん』の顧客に見合う広告主ということで、子供が大きくなったときに備えて不動産の需要が見込めるため、不動産の広告等が受注できています」と震災後の取組みについて紹介した。

 今期13年3月期連結業績予想は、売上高83億円(前期比5.5%増)、営業利益1億50百万円(同551.2%増)、経常利益1億60百万円(同220.6%増)、純利益1億円(同270.4%増)と増収大幅増益を見込んでいる。

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