■前10年3月期は減収ながら大幅増益を達成、純利益236.6%増
製紙用薬品の星光PMC<4963>(東2)は、21日に同社本社で前10年3月期決算説明会を実施した。11日に前10年3月期連結業績は発表しているように、売上高221億6500万円(09年3月期比7.8%減)、営業利益17億8400万円(同149.8%増)、経常利益18億2900万円(同142.6%増)、純利益11億9000万円(同236.6%増)と減収ながら大幅増益を達成している。
同社代表取締役社長乗越厚生氏は前期決算内容と今期業績予想、今後の戦略の順で説明を開始した。
売上の70%以上を占める製紙用薬品事業と樹脂事業に分けられるが、製紙用薬品には、書いても滲まないようにするサイズ剤、古紙を使う場合に不可欠な紙力増強剤、印刷適性向上剤、製紙用補助剤がある。
樹脂事業では、平版インキ、グラビアインキ、新聞インキ、プレキソインキといった各種印刷インキ用樹脂をインキメーカーに販売している。また、事務機器メーカーに記録材料用樹脂であるトナーを販売している。
同社の事業に最もかかわりの深い、紙・板紙の生産数量は、毎年減少傾向にあり、06年度に3107万8000トンが3年後の09年度には2688万5000トンと13.5%減少している。
各種印刷インキの生産量も減少している。06年度には45万4000トンが、09年度には38万8000トンと14.6%減。
その様な状況の中でも、同社は減収ながら、製品の価格是正、製造経費の削減、販管費の削減、コスト削減により、大幅増益を達成している。
貸借対照表を見ると、現金及び預金は8800万円減、売上債権8億800万円増、棚卸資産3億2100万円減、その他16億800万円増となったことで、流動資産は140億2300万円(同20億700万円増)。固定資産は有形固定資産が6億8700万円減となったことから117億1200万円(同5億1900万円減)となった。
流動負債は、仕入債務が4億6800万円増、短期借入金が3億円減、その他3億3600万円増となったことから63億5300万円(同5億400万円増)となっている。固定負債は長期借入金ゼロ、退職給付引当金5200万円減となったことから5億9700万円(同5200万円減)となっている。
純資産合計は、利益剰余金が8億8700万円増、評価換算差額は1億4900万円増加したことで、187億8500万円(同10億3500万円増)となっている。自己資本比率は0.2ポイント悪化したものの73.0%と健全そのもの。
■原料費のアップ3億5200万円を見込むため、今期連結業績予想は増収減益
今11年3月期連結業績予想は、売上高238億6000万円(前期比7.6%増)、営業利益16億円(同10.3%減)、経常利益16億5000万円(同9.8%減)、純利益11億1000万円(同6.8%減)と増収ながら減益を見込んでいる。
増収の要因は、国内売上は2.0%増収を見込んでいるが、中国の売上20億円(同42.2%増)が大きい。
増収ながら減益の要因は、原料費のアップ3億5200万円を見込んでいるため。
今後の戦略として、乗越厚生社長は、「現在の目標は、『技術力でアジアbPの製紙用薬品会社を目指す』としていますが、アジアでトップの技術力を持つことは、欧米を代表する製紙用薬品会社とも競合する中国での競争を勝ち抜くということを意味します。そのため、売上高の6.8%という業界でもトップクラスの研究開発予算を取っています。その結果、紙力増強剤・サイズ剤等の主力製品の高性能化が進んでいて、他社との差別化が明確となっています。また、新規ニーズに対応した高機能製品を開発しています。例えば、現在板紙を生産する場合、古紙を使用しますが、古紙についているガムテープ、粘着剤の影響で、生産性、操業度の悪化が問題となっています。その問題を解決するのが、当社で開発した弱アルカリの新規薬品システムです。
既に採用された実績がありますが、紙力も増強し、工場の操業度もアップしていることから他の大手メーカーでも採用される見込みです。また、この新規薬品システムは中国市場でも積極的に販売します」と語った後で、中国の現状について「中国の紙・板紙の生産量は、09年で8900万トンとなり、米国を抜いて世界1となっていますが、更に、板紙最大手のナインドラゴンが製紙マシンの増設を発表しており、今年は1億トンを超えるのは確実と思われます。そこで、当社の中国工場も設備投資を行い、11年の初めには現在の1.5倍の年4.5万トンの生産能力にアップする計画です」と中国事業の計画を説明した。
前期の中国の売上高は14億600万円、営業利益△900万円となっているが、今期は売上高20億円、営業利益1億300万円を見込んでいる。生産量が急増する中国で、同社の弱アルカリの新規薬品システムが採用される可能性も高いことから、中国市場での同社製品の売上拡大が予想される。
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