2011年06月03日
決算情報 Media-IR 日本インタビュ新聞社

星光PMCは前11年3月期連結業績は増収ながら減益


■減益となった要因は、原料価格の高騰、人件費の増加、燃料費の上昇

星光PMC 製紙用薬品の星光星光PMC<4963>(東2)は、5月26日に本社で前11年3月期連結業績の決算説明会を開催した。
 前期業績は、売上高22,851百万円(前年比3.1%増)、営業利益1,641百万円(同8.0%減)、経常利益1,676百万円(同8.3%減)、純利益1,079百万円(同9.3%減)と増収ながら減益となった。
 増収ながら減益となった要因は、原料価格の高騰による影響が417百万円、人件費の増加による影響が166百万円、重油価格上昇による燃料費アップの影響が38百万円と経費が嵩んだことによる。
 事業別の売上高、営業利益を見ると、製紙用薬品事業の売上高16,669百万円(同2.2%増)、地域別の内訳は、国内15,257(同2.3%増)、中国1,466百万円(同4.3%増)、営業利益1,400(同15.2%減)、その内訳は、国内1,467百万円(同11.8%減)、中国△59百万円(前年△9百万円)、樹脂事業の売上高は6,182百万円(同5.7%増)、営業利益は240百万円(同82.3%増)であった。
 製紙用薬品事業が増収ながら減益となった主な理由は中国のガムロジン等原料価格高騰の影響による。

■現在最も求められているのは、マシーンの操業度アップ

 日本の製紙業界は、インターネットの発達により、新聞業界の発行部数の減少に代表されるように、紙の使用量は頭打ちの状態である。しかし、大震災により、石巻に工場を持っている日本製紙、八戸の三菱製紙の生産に支障が出ている。
 製紙会社では、原料のパルプ、古紙から製紙にするまでの生産工程において、それぞれの工程毎に各種マシーンを使用しているが、マシーンを並べると500m〜800mに及ぶ、そのマシーン毎に専用の製紙用薬品が使用されている。しかも製紙会社毎にマシーンの並び、薬品の種類も異なっていて、重要な秘密事項となっている。そのため、製紙会社では、部外者の工場見学を断ることも多く、いわば職人の世界とも言われている。
 その様な状況の中で、価格競争もあり、装置産業の見本とも言われる製紙業界で現在最も求められているのは、マシーンの操業度アップ。つまり、製紙マシーンを止めることなく、長時間稼働させることである。

■新規薬品システムを大手数社が導入、その他の大手製紙が導入を検討

 そこで注目を浴びているのが、同社が開発している新規薬品システム。同社では、数年前から製紙会社への販売を開始している。これまでの製紙用薬品は酸性であったが、酸性であると、古紙に付着したガムテープの粘々により紙切れ、機械の汚れ等が発生し、その度にマシーンを止めることになる。更にいったん止めたら、全部のマシーンを再稼働するのに時間がかかり、操業度の低下を招く。
 ところが、同社が開発した薬品は弱アルカリで、ガムテープの粘着性を弱め、機械への付着を低下させ、操業度がアップするという成果を出している。既に「大手数社で導入しています。また、その他の大手製紙が導入を検討しています」(代表取締役社長 乗越厚生氏)と新規薬品システムの導入が進んでいる。

■製紙用薬品への研究開発投資額は業界のトップクラス

 "技術力でアジアナンバーワンの製紙用薬品会社を目指す"とスローガンを掲げているように、同社の製紙用薬品への研究開発投資額は業界のトップクラス。また、同社が開発した商品は、製紙業界だけでなく、エレクトロニクス分野でも使用されている。更に、NEDO(独立行政法人エネルギー・産業技術総合開発機構)の助成を受けた鋼鉄の5分の1の軽さで鋼鉄並みの強度を持つセルロースナノファイバーの開発プロジェクトにも参加している。この様な背景には同社の研究開発に対する積極的な姿勢がある。
 今12年3月期連結業績予想は、売上高25,090百万円(前期比9.8%増)、営業利益1,460百万円(同11.0%減)、経常利益1,520百万円(同9.4%減)、純利益1,000百万円(同7.4%減)と増収ながら減益を見込んでいる。
 減益要因は、石油化学品、ロジンをはじめとする原材料価格の高騰に加え、製紙薬品事業における一部販売先の被災による売り上げの減少を見込んでいるため。

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