2014年6月2日
決算情報メディアアイアール 日本インタビュ新聞社

朝日ラバー:14年3月期は2ケタ増収大幅増益を達成


■第11次三カ年中期経営計画(Vー1計画)を発表

 工業用ラバー製品の朝日ラバー<5162>(JQS)の前14年3月期連結業績は、売上高56億77百万円(前年同期比18.5%増)、営業利益2億86百万円(同111.2%増)、経常利益2億96百万円(同112.3%増)、純利益1億60百万円(同109.7%増)と2ケタ増収大幅増益を達成。

 セグメント別の業績は、工業用ゴム事業の売上高は45億14百万円(同19.0%増、セグメント利益4億44百万円(同50.4%増)と2ケタ増収大幅増益。

 医療・衛生用ゴム事業の売上高は11億62百万円(同16.8%増)、セグメント利益82百万円(同2.0%減)と2ケタ増収ながら設備投資による費用負担により、減益となった。

 前期は2ケタ増収大幅増益を達成した。しかし、今期業績予想は、売上高がほぼ横ばいを見込んでいる一方で、設備投資額として5億60百万円を予定していることに加え、減価償却費負担が前期より80百万円増加するため、減益を見込んでいる。

 今期15年3月期連結業績予想は、売上高57億円(前期比0.4%増)、営業利益2億60百万円(同9.1%減)、経常利益2億20百万円(同25.7%減)、純利益1億50百万円(同6.8%減)を見込む。

 セグメント別の売上高は、工業用ゴム事業45億44百万円(同0.6%増)、医療・衛生用ゴム事業11億56百万円(同0.6%減)を見込む。

 設備投資額5億60百万の内訳は、自動車分野2億30百万円、医療分野80百万円、ライフサイエンス分野2億50百万円となっている。

 このような状況の中で、第11次三カ年中期経営計画(Vー1計画)を発表している。期間は14年4月から17年3月までとしている。中期経営方針としては、既存事業の質・量の持続的成長、新市場・新分野への事業展開、2020年に向けた事業基盤の強化と整備の3項目を挙げている。具体的な数値目標としては17年3月期連結売上高80億円、連結営業利益8億円を掲げている。
 分野別での17年3月期売上高目標、3年間の設備投資額は、自動車分野の売上高は37億円(14年3月期28億円)、設備投資額10億円となっている。医療分野の売上高は13億円(同11億円)、投資額6億円。ライフサイエンスの売上高は16億50百万円(同4億円)、投資額8億50百万円。その他の分野の売上高は13億50百万円(同13億円)。

 第11次三カ年中期経営計画(Vー1計画)の中で、最も売上高が伸びるのがライフサイエンス事業であるが、その中で最も期待されている製品が、マイクロ流体デバイスである。ゴムと金属、ゴムと樹脂を接着させる技術で独自の積層流路を形成し、複雑な分析に対応が可能な製品である。現在、NEC向け以外の複数案件も進行中であることから、V―1計画内での量産化を計画している。17年3月期までにマイクロ流体デバイスの売上高は12億50百万円を目標としている。

 3年後には売上高80億円、営業利益8億円と急成長を計画しているが、達成するためには、マイクロ流体デバイスの量産化がポイントとなる。

 株価の動きを見ると、2月安値316円から3月安値354円、4月安値375円と下値を着実に切り上げていたが、5月安値333円と3月の安値を割り込んでいる。今期業績予想が減益であることが響いているといえる。

 しかし、5月30日の終値355円を指標面で見ると、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS32円98銭で算出)は10.7倍、配当利回り(会社予想の年間8円で算出)は2.2%、実績PBR(前期実績の連結BPS705円77銭で算出)は0.5倍と割り負け感が強い。また、第11次三カ年中期経営計画(Vー1計画)では急成長を計画していることから、400円近辺のフシを突破すれば上げ足を速める可能性があり、低PBRも支援材料に高値圏回帰を目指す展開だろう。

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