2012年06月27日
決算情報メディアアイアール 日本インタビュ新聞社

ニッポ電機:前期上半期は震災の影響で、商業施設、テナントビルの案件が先送り


■下半期は震災の影響から立ち直る

ニッポ電機のホームページ 店舗照明機器メーカーのニッポ電機<6657>(JQS)は14日、前12年3月期決算説明会を開催した。
 12年3月期連結業積は、売上高86億90百万円(前年同期比8.7%減)、営業利益2億23百万円(同52.3%減)、経常利益2億5百万円(同51.9%減)、純利益98百万円(同62.8%減)と減収大幅減益であった。
 減収となった要因は、上半期に震災による影響で、商業施設、テナントビルの案件が先送りされたことと、節電対策としての間引き点灯によるメンテランプの需要が大幅に減少したことに加え、他社低価格LED器具進出により売上が減少したことで、震災発生前の売上計画49億円に対して10億円の未達となったことが挙げられる。下半期は、震災の影響から立ち直り、動き出した案件に、昨年7月から行った低価格品も含めたLED照明器具の品揃え強化により売上が回復し、更に、メンテランプの需要が6月、7月の大きな落ち込みから回復したことで、修正後の下期売上計画46億円に対して47億50百万円と計画を上回った。しかし、全体では、上半期の減収を下半期でカバーできずに減収となった。
 LED照明機器の前期の売上高は、11年3月期5億16百万円から14億79百万円と急拡大し、売上構成比は5.4%から17.0%と伸びた。
 部門別販売実績は、店舗照明58億61百万円(同6.3%減)、建築化照明22億94百万円(同18.0%減)、海外82百万円(同51.8%増)、紫外線(UVランプ)4億52百万円(同6.5%増)であった。

■今期13年3月期連結業績予想は増収大幅増益を見込む

 前期は震災の影響が響き、減収大幅減益となった。しかし、一方で、LEDの低価格商材を揃えるなどの対策を講じたことで、LEDの売上構成比が飛躍的に伸びたり、メンテランプの需要が回復したりするなど明るいニュースも出ている。
 その様な状況の中で、今期13年3月期連結業績予想は、売上高92億円(前期比5.9%増)、営業利益5億20百万円(同132.9%増)、経常利益4億80百万円(同133.2%増)、純利益2億60百万円(同163.6%増)と増収大幅増益を見込んでいる。
 部門別の売上見通しは、店舗照明59億57百万円(同1.6%増)、建築化照明27億27百万円(同18.9%増)、海外72百万円(同12.2%減)、紫外線4億43百万円(同2.2%減)となっている。
 LED照明器具の売上は、19億65百万円(同32.9%増)を見込んでいる。

■マーケットは極端な落ち込みから回復

 同社代表取締役社長金子弘氏は今期の事業環境について、次のように語った。
 「マーケットは極端な落ち込みから回復しました。しかしながら、相変わらずヨーロッパの不安だとか、色んなもので経済環境は非常に不透明です。ただし、プラスの面を見ますと、LED照明への移行は更に加速しています。その中で、先程申しましたように、我々のLED照明は光ムラのなさや、色合いの良さで高い評価を受けています。また、もうひとつは、商業施設、テナントビルの案件が動き出していて、まだ終わっていません。今年度は特にほぼ全百貨店が大型の改装を行う予定です。その様な状況で、ある有名百貨店さんから、当社にLED照明に関しては全て任せるという話をいただいています。」と今期のプラス面について語った。
 一方マイナス面については、「当面のマーケットは期待できますが、個人消費の弱さが流通業界の収益を圧迫し、後半には現在計画中の新設・改装が延期される可能性もなしとはいえません。更に、一番の問題は、他メーカーとの競争激化です。これまで照明とは全く関係の無かった会社さんが、LED照明を作っておられます。その結果、すごい価格競争になってきます。更に、メンテランプの需要は月次で震災発生以前並みに回復してきましたが、蛍光ランプの需要は長期的に減少が避けられないと見ています。」とマイナス面について紹介した。

■LED機器の営業力強化と技術開発のスピードアップに注力

 その様な現況を踏まえ、今期の主要施策として注力するのが、LED機器需要に対応する営業力の強化と技術開発のスピードアップである。また、コスト削減策はほぼ一巡しているため、生産再編などの構造改革に取組む方針である。
 具体的な対応策として、(1)調光対応・屋外対応・高照度タイプ等の間接照明用LED器具のラインアップの充実とコストダウンを行う、(2)昨年から発売しているダウンライト、スポットライトの品揃え拡充により、店舗照明全体にマーケットを拡大する、(3)素子段階から差別化されたLED照明器具開発のため、三菱化学との共同開発をスタートする、(4)営業組織変更を行い、新たな販売チャネル開拓強化のための人員配置組み換えを実施する、(5)長期的に減少の避けられない蛍光ランプの生産拠点集約と物流拠点見直しによる生産コスト、物流コストの構造改革を実施する、(6)低価格帯のLED照明器具は、海外への生産委託を行い、価格競争力を高めると対応策を明確にしている。
 以上のことを実践することで、今期は増収大幅増益を見込む。

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