2012年11月30日
決算情報メディアアイアール 日本インタビュ新聞社

京写:第2四半期連結業績は大幅増益


■片面プリント基板では競合が少なく価格競争もないうえ、国際調達拠点が機能し、資材購入金額は低下

 片面プリント基板で世界トップの京写<6837>(JQS)は21日、今期3月期第2四半期決算説明会を開催した。

 第2四半期の決算概要、通期業績予想、中期経営戦略の進捗の順で説明が行われた。

 第2四半期連結業績は、売上高78億68百万円(前年同期比4.8%増)、営業利益3億61百万円(同94.5%増)、経常利益4億16百万円(同79.7%増)、純利益2億84百万円(同66.3%増)と増収大幅増益。

 四半期毎の業績は、第1四半期売上高38億69百万円(同10.6%増)、経常利益2億円(同100.0%増)、第2四半期売上高39億99百万円(同0.2%減)、経常利益2億15百万円(65.4%増)と利益面での大幅増益が際立っている。この要因には、片面プリント基板において、同社の競合が少なく価格競争に巻き込まれていないことと、香港の国際調達拠点(IPO)が機能したことで、資材の購入金額の低下が図られたこと等が挙げられる。

 製品別売上高は、片面プリント基板40億20百万円(同3.9%減)、両面プリント基板27億95百万円(同22.1%増)、その他10億53百万円(同2.0%増)となっている。両面プリント基板の伸びが大きいことは、自動車向けが好調なことと、事務機器が回復したことに加え、LED照明向けが増加したことによる。

 用途別売上高は、家電製品(エアコン、照明機器、洗濯機等)20億29百万円(同8.0%増)、自動車関連(自動車電装品、カーオーディオ)19億24百万円(同49.4%増)、事務機(複写機、プリンター)12億40百万円(同53.8%増)、映像関連(薄型テレビ、DVD、TVチューナー)8億36百万円(同33.9%減)、アミューズメント(家庭用ゲーム機、パチンコ、パチスロ)4億15百万円(同23.0%減)、その他(電子部品、音響機器等)14億21百万円(同17.7%減)。

 同社では、以前から自動車関連、照明機器等の市場は拡大すると見越し、研究開発を行い、対応商品を開発していたことから大幅な増収となった。一方、映像関連、アミューズメント市場は、以前から縮小するということを予想していた。同社の中期経営戦略は的中しているといえる。

■東南アジアのタイ、ベトナム共に売上が急拡大

 地域別の第2四半期売上高は、日本35億35百万円(同8.6%増)、中国27億79百万円(同1.6%減)、東南アジア13億59百万円(同12.6%増)、北米1億43百万円(同2.1%減)、その他51百万円(同29.2%減)となっている。

 日本では、昨年は大震災の影響があったことから自動車関連の売上が減少したが、今期は増収となっている。中国に関しては、10年9月期をピークに減少している。ところが、東南アジアの売上高は、タイ2億50百万円(前年同期39百万円)、ベトナム1億61百万円(同63百万円)と急拡大したことから増収となっている。下半期もこの勢いは続くと思われ、しかも、日系企業のアセアン地域への進出が急増していることから、今後も売上拡大は期待できると考えられる。

 通期連結業績予想は、売上高167億円(前期比3.4%増)、営業利益8億50百万円(同18.7%増)、経常利益8億50百万円(同6.8%増)、純利益6億20百万円(同1.0%増)を見込んでいる。

■基本戦略は環境対応の技術開発に取組み、ボリュームゾーン商品で世界bPを目指す

 決算概要、今期業績予想の説明に続き、中期経営計画について、代表取締役社長児嶋一登氏より説明が行われた。

 基本戦略は、「環境対応の技術開発に取組み、ボリュームゾーン商品で世界bPになる」を掲げている。そのための具体的な戦略として、「環境対応戦略」、「ボリュームゾーン戦略」、「グローバル戦略」、「収益力強化戦略」、「新規事業戦略」の5つの重点戦略を挙げている。

 環境対応戦略に関しては、LED関連市場の急速な増加、省エネ家電の普及、低炭素社会に向けたエコカーの増加といった市場環境の中で、片面プリント基板メーカーとして、唯一、総合的な環境対応技術(放熱・粉レス)の研究・開発に取組み、製品の開発を行っている。

 今期は、その成果が表れ、照明機器の売上高は、6億58百万円(前年同期比32.4%増)と大幅な増収となっている。また、放熱基板(Kyosha Nacora)の本格的な量産を開始している。更に、厚銅箔基板(大電流)対応のための設備を京都工場へ導入している。

 ボリュームゾーン戦略については、市場のボリュームゾーンが先進国から新興国に拡大している。その様な状況の中で、同社は片面プリント基板メーカーで世界シェアトップの強みを持っている。そのため、日系企業だけでなく、非日系メーカーとの取引も進んでいる。今期の外資系の売上高比率は前期の5.5%から6.2%とアップしている。また、新興国市場での販売を強化していることから、タイ、ベトナム向けの売上高は先述しているように急増している。

 グローバル戦略は、顧客の海外シフトの加速と共に、同社も海外進出を積極的に行っている。今期はインドネシアでの両面プリント基板の生産計画を開始するために、工場への設備投資計画を開始している。また、中国では搬送治具の生産と販売を拡大している。

 収益力強化戦略では、インドネシア工場の片面プリント基板設備投資計画を開始している。中国では人件費の高騰に対応するため、工場の自動化投資を推進している。国内ではスマートフォン、タブレット向け極小部品の製造工程への治具販売を開始している。

 新規事業戦略については、ビジョンとして基板・実装関連に次ぐ第3の事業としての確立を目指し、研究開発を推進することを掲げている。具体的には、印刷技術を活用した太陽電池・部品内蔵基板関連等の新製品、PALAP基板に関する新技術の開発である。今期は、産学協同での新分野開発、シリコンバレーベンチャーとの新放熱素材開発を行っている。また、128層PALAP高多層基板の開発研究を進めている。

 以上のような取り組みを進めることで、2015年3月期の売上高250億円、営業利益率8%、ROE(自己資本利益率)15%以上、ROA(総資産利益率)8%以上の達成を目標としている。

 これまで、リーマンショック、東日本大震災、日中関係悪化等の影響があるが、同社の中期経営戦略は的確であることから、当社の予想を上回るペースで推移している。

>>京写のMedia−IR企業情報



>>トップメニューへ