2013年06月07日
決算情報メディアアイアール 日本インタビュ新聞社

国際計測器:電気サーボモータ式振動試験機の大幅増収が際立


■前13年3月期は減収ながら大幅増益を達成

 バランシングマシンの国際計測器<7722>(JQS)の前13年3月期連結業績は、5月15日に上方修正を発表しているように好業績であった。12年3月期は、外貨建の売上高の割合が高かったことから、円高ドル安による為替の影響で大幅減益であったが、13年3月期は逆に大幅な円安の影響もあり、売上高105億8百万円(同3.4%減)、営業利益15億1百万円(同31.0%増)、経常利益15億46百万円(同31.9%増)、純利益8億68百万円(同56.0%増)と減収ながら大幅増益を達成した。

 企業別の売上高、経常利益を見ると、国際計測器81億54百万円(同2.0%増)、13億36百万円(同111.3%増)、米国の子会社KOKUSAI INC.11億75百万円(同35.9%増)、2億28百万円(同15.1%増)、KOREA KOKUSAI CO.,LTD.12億87百万円(同8.4%減)、2億49百万円(同25.0%減)、高技国際計測器(上海)有限公司5億86百万円(同15.8%増)、0円(前年同期△4百万円)、東伸工業7億24百万円(同38.3%減)、25百万円(同87.5%減)であった。

 製品別売上高は、バランシングマシン(同12.2%減)、電気サーボモータ式振動試験機16億58百万円(同87.8%増)、材料試験機7億24百万円(同38.3%減)、シャフト歪自動矯正機10億45百万円(同31.4%増)、その他6億91百万円(同7.4%減)となっていて、電気サーボモータ式振動試験機の大幅増収が際立っている。

■電気サーボモータ式振動試験機の需要に対応するため、本社の第3工場を改築し、6月より本格稼働

 その電気サーボモータ式振動試験機の新製品研究開発の現状について、代表取締役社長松本繁氏より詳しい説明が行われた。

 電気サーボモータ式振動試験機の製品は、大別すると各種振動試験装置(地震シュミレーションを含む)、材料(万能)試験機(SMH方式)、包装貨物評価試験装置、ステアリングシステム試験装置、ねじれ試験装置の各シリーズに分けられ、油圧式で行われている振動試験のうちの多くを電気サーボモータ式で置き換えることが可能である。

 しかも、油圧式の振動試験機に比較して電力消費が10分の1から20分の1であることから、電気料金の大幅な削減が可能である。また、油圧式であれば、最低1年に一度の廃油処理が必要であるが、全く油を使わないことから、廃油処理の心配もなく、環境にも優しい試験機といえる。更に、騒音、振動問題を完全に解決している。以上のように油圧式よりコストの面でも環境問題のうえでも電気サーボ式が優れていることから、油圧式から電気サーボ式に切り替える企業が多く、その需要に対応するため、同社では、本社の第3工場を約12億円投資して改築し、注文増に応じるために、今月6月より本格稼働している。

 また、電気サーボ式振動試験機で3軸同時振動試験機を開発していることから、自動車、大型家電、プリンター、鉄道車両用大型エアコン、建築構造物等の3軸同時振動試験が可能で、自動車、家電、鉄道、住宅、輸送といった様々な業界で同社の試験機を使い色々な実験を行っている。

 以上のように、油圧式に比較して、コストの面でも環境の面でも同社の電気サーボ式振動試験機が優れていることから、各業界で、電気サーボ式振動試験機に切り替えている。

 前期の電気サーボ式振動試験機の売上高は、16億58百万円であったが、今期は20%以上の増収を見込み、20億円の売上計画を立てている。

 今期14年3月期連結業績予想は、売上高115億円(前期比9.4%増)、営業利益20億円(同33.2%増)、経常利益20億円(同29.3%増)、純利益12億円(同38.2%増)と増収大幅増益を見込んでいる。

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