2012年06月11日
決算情報メディアアイアール 日本インタビュ新聞社

国際計測器:12年3月期はバランシングマシンの出荷が堅調に推移


■5月31日、前期12年3月期決算説明会を開催

国際計測器のホームページ バランシングマシンの国際計測器<7722>(JQS)は5月31日、前期12年3月期決算説明会を開催した。

 前期12年3月期連結業績は、売上高108億73百万円(前年同期比1.1%増)、営業利益11億46百万円(同37.8%減)、経常利益11億73百万円(同27.4%減)、純利益5億56百万円(同45.0%減)と増収ながら減益となった。

 売上高に関しては、タイヤ関連試験機を中心にバランシングマシンの出荷が堅調に推移したことやシャフト歪自動矯正機の受注が増加したことにより増収となった。

 利益面に関しては、外貨建の売上高の割合が高いことから、円高ドル安による為替の影響、また新規開発製品である大型の電気サーボモータ式振動試験機について、同試験機の市場占有率を高めるための営業戦略的見地から、販売価格について考慮したこと等により売上総利益率が前年同期の40.0%から32.6%と低下したことから大幅減益となった。

■東伸工業は大幅増収増益、米国も増収増益で黒字転換

 販管費は、23億98百万円と前年同期の24億65百万円より約67百万円減少したが、売上総利益の減少により、営業利益以下が大幅な減益となった。

 セグメント別の売上高、セグメント利益(経常利益)は、国際計測器79億91百万円(同8.3%減)、6億32百万円(同52.0%減)、東伸工業11億73百万円(同31.5%増)、2億円(同51.6%増)、米国8億64百万円(同61.9%増)、1億98百万円(前年同期△4百万円)、韓国14億5百万円(同6.0%増)、3億32百万円(同3.8%減)、中国5億6百万円(同24.1%減)、△4百万円(前年同期1億33百万円)と国際計測器、中国が減収大幅減益となったが、東伸工業は大幅増収増益、米国も増収増益で黒字転換、韓国は増収ながら減益と好不調が明確となっている。

■今期13年3月期連結業績予想は大幅増益を見込む

 前期は売上総利益率の低下、円高による為替差損2億11百万円、第三工場の建て替えのため、既存建物の減損損失計上による特別損失96百万円の発生等の影響で大幅減益となったが、今期13年3月期連結業績予想は、売上高110億円(前期比1.2%増)、営業利益17億円(同48.3%増)、経常利益16億50百万円(同40.6%増)、純利益8億80百万円(同58.1%増)と大幅増益を見込んでいる。

 製品別売上高は、バランシングマシン69億円(同5.2%減)、電気サーボモータ式振動試験機13億円(同47.2%増)、材料試験機10億円(同14.8%減)、シャフト歪自動矯正機11億円(同38.3%増)、その他7億円(同6.2%減)と電気サーボモータ式振動試験機、シャフト歪自動矯正機の大幅増収を見込んでいる。

 地域別の売上高は、日本32億円(同2.8%増)、米国12億円(同50.1%増)、アジア64億円(同4.8%減)、その他2億円(同17.4%減)を見込んでいる。中でも米国での大幅増収が目立っている。

■売上拡大の牽引役は電気サーボモータ式各種振動試験装置

 同社では、中期経営計画を発表しているが、今後の売上拡大の牽引役として注目されているのが、電気サーボモータ式各種振動試験装置である。従来の油圧とは異なり、電気を使った画期的な製品で、しかも業界別に必要な各種試験機を一挙に開発し、販売を推進していることから、油圧機器から電気サーボモータ式に移行する企業が増えている。

 油圧機器と比較すると、消費電力が10分の1から20分の1になり、最低年に1度行っていた廃油処理が不要となる。更に、メンテナンスの面においても費用と時間が大幅に軽減され、動力源が電気のみであるため、クリーンな環境が維持できる等の特徴が挙げられる。

 過去3年平均の納入業界別実績は、自動車業界60%、包装貨物・家電業界20%、鉄道業界15%、大学・研究・機関5%となっている。

 売上高は、10年3月期9億35百万円、11年3月期10億28百万円、12年3月期11億13百万円と堅調に伸びている。今後3年間の売上計画は、13年3月期16億円、14年3月期20億円、15年3月期25億円を見込んでいる。

■注目されているのが、3軸同時振動試験機シリーズ

 電気サーボモータ式各種振動試験装置の中で注目されているのが、3軸同時振動試験機シリーズである。小型、中型、大型、大型特別仕様と4つに分けられる。

 テーブルサイズが50cmから1mの小型タイプは、自動車の乗り心地・操縦安定性の評価、耐久テスト等に使用される。

 テーブルサイズが1mから2mの中型タイプは、大型家電・複写機・プリンターの耐久試験装置として用いられる。

 テーブルサイズが2mから3mの大型タイプは、鉄道車両用大型エアコン、大型室外給湯機の耐久試験を行う。

 テーブルサイズが3m×6メートル、6m×6mの大型特別仕様は、鉄道車両用品、建築素材、建築構造物等大型の物を載せて耐久テストを行うことが出来る。

 12年3月期末の電気サーボモータ式振動試験機の受注残高は、9億64百万円(同26.1%増)であり、今後の売上拡大が期待できる。

 前期は、原価率が7.4ポイントも上昇したことで大幅減益となったが、今期は原価率の低減に努めると共に、各業界での防災研究のための試験装置として、電気サーボモータ式振動試験機の需要が見込めることから大幅増益を見込む。

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